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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫のワクチンはいつ打つ?種類・頻度・費用・室内飼いの必要性まで獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/9

猫のワクチンは、感染症の予防だけでなく
重症化や命に関わる病気を防ぐために必須の予防医療 です。

「完全室内飼いだから必要ないのでは?」
「いつ打てばいい?何種類あるの?」
「毎年必要?」

といった疑問を持つ飼い主さんは多く、生活環境や年齢により最適な接種プランは変わります。

この記事では、
ワクチンの種類・接種時期・費用・副作用・室内飼いとの関係 までを
獣医師がわかりやすく解説します。

子猫の予防ワクチンとは?

子猫ちゃんの予防ワクチンは2カ月齢を目安に行います

ワクチンは基本的には3種混合ワクチンと呼ばれるものを打ちましょう。

一般的に2カ月齢に1回目ワクチン接種、

3カ月齢に2回目ワクチンを接種し、予防ワクチンを終えます。

ただし、ワクチネーションプログラムやその子の状態によりワクチンの回数やタイミングは変わることがあります。

これらは、猫ちゃんが感染しやすいかつ問題となりやすい3種類のウィルス(パルボ/カリシ/ヘルペスウィルス)に対する免疫を作るためのワクチンです。

1回のワクチンの費用の目安は約5000円ほどが相場でしょう

たまにワクチンを打ってない猫ちゃんがおられます、、、

このワクチンは打たないとどうなるのでしょうか?死んじゃうのでしょうか?

猫のワクチンはなぜ必要?

猫のワクチンは、命に関わるウイルス感染症を予防するためにあります。
特に以下の病気は 感染力が強く、重症化しやすい のが特徴です。

・猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペス)
・猫カリシウイルス
・猫汎白血球減少症(パルボウイルス)
・猫白血病ウイルス(FeLV)

室内飼いでも、
人間の服・靴、窓越しの接触、保護猫との関わりなどから
ウイルスが入り込む可能性がゼロではありません。

猫のワクチンの種類

猫のワクチンは主に 3種混合4種混合 が使用されます。

■ 3種混合ワクチン(最も一般的)

予防できる病気:

  1. 猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペス)
  2. 猫カリシウイルス感染症
  3. 猫汎白血球減少症(パルボ)

猫を守るうえで最低限必要なワクチンです。

■ 4種混合ワクチン(FeLV入り)

3種+
4. 猫白血病ウイルス(FeLV)

FeLVは猫同士の接触で感染しやすいため、

・外に出る猫
・多頭飼育の猫
・新しく迎えた保護猫がいる家庭

では接種を検討します。

ワクチンは打たなくていい?

3つのウィルスのうちパルボウィルスは直接命に関わるウィルスです。

パルボウィルス感染症は重篤な血球減少を特徴とする「汎白血球減少症」や重篤な下痢、嘔吐を特徴とする「ウィルス性腸炎」を引き起こし、子猫に感染した場合は致死率が高い病気です。

また、ヘルペスウィルスやカリシウィルスに関しても猫に頻繁に症状を鼻炎や口内炎を引き起こすやっかいな感染症です。

これらの感染症に関しては、ほかのコラムでまとめます。

結論として、少なくともまだ免疫力が不十分で感染に弱い子猫のうちはワクチン接種は必ず行うべきです。

皆さんも子供のころ親に何度もワクチン接種に連れて行ってもらい、

今の健康な体があります。それは猫ちゃんも同じです。

子猫も家族の一員ですのでしっかりとワクチン接種を行い、元気に健康に大きくなってもらいましょう。

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子猫のワクチンはいつ打つ?(スケジュール例)

子猫のワクチンは 初年度がとても重要 です。

■ 初年度の一般的な接種スケジュール

1回目:生後 6〜8週齢
2回目:1回目の 3〜4週間後
3回目:2回目の 3〜4週間後
その後:1年ごとに追加接種

母猫からもらった抗体が弱まり、
自分の免疫をしっかりつけるために複数回必要です。

成猫(1歳以降)のワクチン頻度は?

基本は 年1回の追加接種(追加ワクチン) です。

ただし、

・完全室内飼い
・高齢猫
・持病がある場合

は、接種間隔を伸ばす・必要性を見直すなど、個別に判断します。

成猫(1歳以降)のワクチン頻度は?

基本は 年1回の追加接種(追加ワクチン) です。

ただし、

・完全室内飼い
・高齢猫
・持病がある場合

は、接種間隔を伸ばす・必要性を見直すなど、個別に判断します。

完全室内飼いでもワクチンは必要?

結論:必要です。

理由:

・人の服や靴についたウイルスで感染することがある
・災害や入院で突然預ける状況になると感染リスクが高い
・多くの施設(ホテル・譲渡会など)ではワクチン証明書が必要
・猫ヘルペスやカリシは非常に感染力が高い

特に「パルボ」は強力で、消毒をしても生き残ることがあります。

ワクチン接種にかかる費用の目安

病院によって違いますが、一般的な相場は以下のとおりです。

・3種混合:4,000〜7,000円
・4種混合(FeLV):5,000〜8,000円

初年度は複数回接種するため、合計費用はやや高くなります。

ワクチンの副作用はどれくらいある?

ほとんどは軽度です。

■ よくある軽い反応

・元気がない
・食欲が落ちる
・打った部分が腫れる
・微熱

1〜2日で改善することが多いです。

■ 稀に起こる重い副作用

・アナフィラキシー(呼吸異常、急な元気消失)
接種後30分は注意深く観察

・ワクチン接種部位肉腫(非常に稀)
→ しこりが長期間残るときは検査が必要

心配な症状が出たらすぐ病院に連絡しましょう。

ワクチンを受けられないケース

以下の状態では延期することがあります。

・高熱がある
・重度の下痢や嘔吐
・重い心臓病や腎臓病
・妊娠中(種類による)

ワクチンは「健康な状態で打つこと」が大原則です。

多頭飼育の家庭での注意点

・新入り猫は「ワクチン接種+ウイルス検査」を行ってから同居
・トイレ・食器は最初は別にする
・感染症が出た場合は部屋を分ける
・高齢猫や持病のある猫は特に注意

家庭内の感染予防に大きく影響するポイントです。

よくある質問(FAQ)

Q. 毎年ワクチンは必要?

→ 基本は必要です。ただし生活環境により調整します。

Q. 1回目だけ打てば大丈夫?

→ 子猫は3回、成猫は毎年追加接種が必要です。

Q. 副作用が心配です

→ 大半は軽度ですが、心配なら接種後30分病院で待機する方法もあります。

Q. 高齢猫はワクチン不要ですか?

→ 状態により判断しますが、感染すると重症化しやすいため慎重に検討します。

Q. 室内飼いだから不要?

→ 室内でもウイルスは侵入します。基本は必要です。

まとめ(この記事の要点)

・猫のワクチンは重い感染症を防ぐための重要な予防医療
・3種混合(鼻気管炎・カリシ・パルボ)が基本
・初年度は3回、成猫は1年ごとが一般的
・室内飼いでもワクチンは必要
・副作用は多くが軽度
・多頭飼育や外に出る猫は4種(FeLV)も検討

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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