わんちゃんも長生きになり20歳の子も珍しくなくなってきました。
長寿になるとヒトと同じでどうしても様々な病気が見つかります。
その中でも急に起こる症状のひとつに発作があり、
高齢犬の初発発作の多くは脳腫瘍が原因であると考えられます。
わんちゃんの脳腫瘍について現時点でわかっていることをまとめていきます。
脳腫瘍の種類
ひとくちに脳腫瘍といっても様々な種類が存在しており、
その種類によりその後の予後や治療方法は様々です。
わんちゃんの脳腫瘍は発生が多いものから、
①髄膜腫
②組織球性肉腫
③星状・希突起膠細胞腫
④下垂体腫瘍
などがありますが、
半分以上は髄膜腫が占めています。
最も多い髄膜腫についてその予後や治療についてまとめます。
髄膜腫とは
髄膜腫は9~10歳の高齢犬に発生し、脳腫瘍でもっとも多い原因となります。
発生が多い犬種として、ゴールデンレトリバーやシェットランドシープドッグなどが報告されています。
ヒトにおいては髄膜腫は良性腫瘍として扱われ、
予後も良好といわれますが、わんちゃんの場合は挙動は悪いものが多いと言われています。
髄膜腫の診断と治療
高齢犬が突然のふらつきや神経症状、発作がみられた場合は必ずMRIを撮影しましょう。
髄膜腫はMRIにて画像から仮診断されます。
治療としては、脳腫瘍が発生した場所により異なります。
MRI検査により外科手術が可能な部位に腫瘍が発生している場合は、
外科手術による脳腫瘍の摘出が最も有効な治療であると考えられます。
外科的摘出が困難な脳腫瘍に対しては放射線治療も考慮され、
一定の効果は期待されますが、全てのわんちゃんで効果は確認されていません。
抗がん剤や薬で脳腫瘍を小さくすることはできません。
手術以外にできること
脳腫瘍を手術や放射線治療以外で小さくすることはまず不可能です。
しかし、高齢でありそのような積極的な治療が困難な場合には緩和的な治療を考慮します。
緩和的な治療としては、脳のむくみをとり、発作を抑えるための以下のような治療が有効です。
・ステロイド
・抗てんかん薬
・利尿剤(マンニトール)
これらを組み合わせ発作や神経症状を管理します。
特に抗てんかん薬の治療は大切です。
近年よく用いるてんかん薬は、
・ゾニサミド
・レベチラセタム
・フェノバルビタール
などがあり、自宅で万が一起こってしまった時には、
発作止めの座薬や点鼻薬を使用して管理します。
その他に食事や体調管理としてできることに関しては下記のコラムを参考にしてください。
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