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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬の暑さ対策と熱中症の症状|危険な気温・散歩の時間・応急処置

更新日:2025/12/9

犬は人より暑さに弱く、
わずか10〜15分で熱中症になることもある危険な動物 です。

特に以下の犬は重症化しやすく、
毎年多くの命が失われています。

  • 短頭種(フレブル・パグ・シーズーなど)
  • 高齢犬
  • 子犬
  • 太り気味の犬
  • 心臓・呼吸器に持病がある犬

この記事では、
犬の熱中症の症状、危険な気温、散歩するべき時間、室内対策、車内の危険性、応急処置、受診すべきサイン
をわかりやすく解説します。

犬が暑さに弱い理由

犬は人のように汗腺が発達しておらず、
体温を下げる手段が パンティング(ハァハァすること) しかありません。

そのため:

  • 気温
  • 湿度
  • 地面の温度
  • 風があるか

これらの環境に強く影響を受けます。

熱中症になりやすい品種・素因

熱中症はどの犬猫にも起こりますが、なりやすい素因があります。

・短頭種

・肥満

・大型犬

・心疾患や呼吸疾患を有する

なかでも特に短頭種×肥満の子は要注意で、熱中症で動物病院に担ぎ込まれる子の大半はこの条件を満たしています。

短頭種というとブルドッグやパグなどの犬種をイメージされることが多いですが、飼い主様があまり短頭種としての認識が甘いチワワやペキニーズなどの犬種が特に危険です。

いびきをかく子はみんな注意しましょう。

犬の熱中症の初期症状

以下の症状が見られたら、すぐに涼しい場所へ移動させる必要があります。

  • ハァハァが止まらない
  • 呼吸が荒い
  • 口を大きく開けて舌がだらんと出ている
  • よだれが多い
  • 落ち着きがない
  • 歩きたがらない
  • ぐったりする
  • 体が熱い

特に短頭種は 「急に倒れる」「突然苦しそうになる」 ことがあります。


重症のサイン(すぐ病院へ)

  • 意識がぼんやりしている
  • 立てない・ふらつく
  • 嘔吐・下痢
  • けいれん
  • 歯茎が赤い or 紫色
  • 体温40℃以上

これは命の危険が高い状態です。


危険な気温の目安|何度から危険?

外気温が 25℃を超えると危険性が上がり
28〜30℃以上は熱中症が起こりやすい温度 です。

さらに地面(アスファルト)は:

  • 気温30℃ → 地面55〜65℃
  • 気温35℃ → 地面70℃以上

肉球や呼吸に深刻なダメージを与える温度になります。


散歩するべき時間帯

最も安全なのは以下の時間帯です。

  • 早朝(5:00〜8:00)
  • 夜(19:00以降)

注意すべきポイント:

  • 夕方のアスファルトはまだ熱い
  • 湿度が70%以上だと熱中症が起きやすい
  • 散歩中にハァハァ強くなったら即中断

夏は無理に歩かせず、
短時間+日陰+ゆっくり を基本にしましょう。


室内でも熱中症は起きる

犬は暑さの限界が低く、室内でも簡単に熱中症になります。

対策:

  • エアコン(室温25〜27℃が目安)
  • 扇風機で空気を循環
  • 直射日光の遮断
  • 高齢犬・短頭種はクーラー必須
  • ケージやトイレの場所も涼しい位置に

特に 湿度の高さ が危険です。
湿度50〜60%以内に保つことが理想的です。


車内は数分で致死的な暑さになる

車の中は短時間で危険温度になります。

  • 気温30℃ → 車内50℃以上(10分)
  • 気温35℃ → 車内60〜70℃(10〜20分)

「窓を少し開けておく」「日陰にいる」は意味がありません。
犬を車内に残すのは非常に危険です。


応急処置|熱中症が疑われるとき

  1. 涼しい場所へ移動
  2. 水を飲ませる(飲める範囲で)
  3. 体を冷やす(お腹・内股・首)
  4. 氷水ではなく冷水で 冷やす
  5. エアコン・扇風機を使用

※意識がない、呼吸が苦しそうな場合は無理に水を飲ませない。

症状が軽くても、
必ず動物病院へ連れていく ことが大切です。


熱中症を完全に防ぐ方法

  • 夏は無理に散歩させない
  • 散歩は早朝・深夜
  • 室内はエアコンで温度管理
  • 飲み水をいつでも新鮮に
  • 短頭種は特に注意
  • 留守番時は「自動給水器+エアコン+カーテン」
  • 車内に絶対に残さない

犬は自分で服を脱げません。
飼い主の対策が命を守ります。

熱中症の症状

熱中症は、高体温に長時間曝露することで、体を構成する細胞のタンパク質が変性し、各臓器がダメージを受けることを指します。

このときの各臓器の細胞のダメージが大きければ大きいほど深刻な状態となり、多臓器不全になり死に至ります。

初期の症状は

・粘膜の充血

・頻脈

・パンティング

が認められ、より進行し重篤になると

・運動失調

・下痢、嘔吐

・めまい

・神経症状

などが認められ、より危険な状態であり、早期の集中治療を開始する必要があります。

熱中症の治療

冷却処置

最も効果的なのは、動物を水道水で濡らし、または水道水で濡れたタオルを体に巻き付け、そこに扇風機やドライヤーの送風をあて気化熱で冷ます方法です。

ごく軽度の熱中症の場合はこの処置で何とかなりますが、重度の症状がでている場合は体を冷やしながら動物病院に行きましょう。

このとき、体温の下がりすぎによる低体温症には注意しながら行います。

各臓器に対する治療

この治療はより重度の熱中症に対する治療であり、動物病院で行います。

すべき処置として

・酸素吸入

・点滴ー脱水や低血糖、腎不全に対する治療

・神経症状に対する発作止め

・消化器症状に対する治療ー熱中症の場合は多くは下痢や血便などの消化器症状を呈しますので治療を必要とします。

よくある質問(FAQ)

Q. 気温より地面の温度が大事って本当?

A. その通りです。アスファルトは想像以上に熱くなります。

Q. 喉が渇く前に水を飲ませるべき?

A. はい。散歩中はこまめに水分補給を。

Q. クールベストは効果ある?

A. 短時間なら有効ですが、過信せずエアコン併用が必要です。

Q. うちの犬は暑さに強い?

A. 犬種・年齢に関わらず、油断は危険です。


まとめ

  • 犬は人より暑さに弱く、10〜15分で熱中症になることも
  • ハァハァが止まらない・ぐったりは危険サイン
  • 気温25℃以上で注意、30℃以上で危険
  • 散歩は早朝・夜、アスファルト温度に注意
  • 室内でも熱中症は起こる
  • 車内放置は数分で致死的
  • 応急処置後は必ず病院へ

犬の熱中症は多くが“防げる事故”です。
日頃からしっかり対策を行い、夏を安全に過ごしましょう。

熱中症は軽く考えられがちですが、動物病院を緊急的に受診した熱中症の死亡率は50%と報告されており、多くは来院後24時間以内に亡くなると言われるほど危険な病態です。

また、これは動物にはどうすることもできず、飼い主の不注意によって引きおこる不幸です。

しかし、この病態は避けることができます。

熱中症を甘く見ず、よく動物の様子を観察し快適な環境を整えてあげてください。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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