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犬猫のDICの診断と治療~回復するためにすべきこと~

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この子はDICと呼ばれる状況です、できることはありません、という言葉は絶望的で受け入れることができません。

そもそも急なことだし難しいことばかりで理解できないことも多いと思います。

そのDICはどうゆう病態で、何が原因で、どうすればいいのでしょうか。

DIC(播種性血管内凝固)とは❔

ある基礎疾患の存在下において、全身性かつ持続性に著しい凝固活性化を起こし、全身のとして細い血管内に微小血栓が多発する重篤な病態、というのが正式な説明。

簡単に翻訳すると、重篤な病気が原因で、全身のいたるところで血栓(脳梗塞のようなもの)ができている状態を指します。

そして、この病態は極めて末期の状況を示唆するのでヒトも動物も極めて致死率が高い状況を指し、死が目の前に差し迫っていることを示します。

では、どのような病気が原因となるでしょうか。

DICの原因

DICは様々な原因で発生しますが、特に起こりやすいと犬猫で言われているのは下記のような病気です。

腫瘍:血管肉腫、リンパ腫、組織球性肉腫、肥満細胞腫、鼻腔腺癌、胆管癌、肝綱胞癌、乳腺癌、肺腺癌など全身性のがん
感染/炎症:敗血症、急性膵炎、子宮蓄膿症、バベシア症など
溶血:IMHA、溶血性輸血反応など
組織損傷:熱中症、胃拡張捻転症候群、交通事故、手術など

これらに罹患している犬猫は常にDICへの移行するリスクがありますので、

手遅れにならぬよう早期に強力に治療していくことが大切です。

では手遅れにならないようにするのはどうすればよいでしょうか。

それはDIC=手遅れなのでその一歩手前=pre-DICまでに診断治療することです。

Pre-DICはDICの約1週間前と言われています。

DIC、pre-DICの診断

DICは前述した病気がある中で、血液検査において下記の検査結果が認められる場合を指します。

1)血小板減少

2)APTT高値

3)PT高値

4)Fibの低下

5)FDP/D-ダイマー高値

6)AT活性低下

※)TAT高値

これらの異常値が4つ以上認める場合はDICと診断します。

つまりこの異常が少ないうち(Pre-DIC)に早期に治療を開始します。

DICの治療

DICの治療は2つ。

①原因となる病気を早期に強力に治療すること

②抗血栓治療と輸血

この治療内容よりも早期に原因を診断し、状況を判断し2つの治療を素早く開始すること。

これがDICの最も大切なことです。

大切なので繰り返しますが、

手遅れにならぬよう早期に診断し強力に治療していくことが何よりも大切です。

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