更新日:2025/12/9
いきなりですが、尿はとっても大切です。
みなさんは、1日でも排尿をしなかった日はありますか?
では、排便をしなかった日はありますか?
そうです、便は毎日でなくても特に問題ありませんが、尿は丸一日出ないのは命に関わります。
犬や猫のおしっこは、
体の状態を最も早く知らせてくれる“健康のバロメーター” です。
色・におい・量・回数に変化があると、
腎臓、肝臓、膀胱、ホルモン異常、脱水などの病気が隠れていることがあります。
この記事では、正常な尿の状態と、
病気のサインとなる異常なおしっこの例 を、写真がなくてもイメージできるようにわかりやすくまとめました。
まずは様子を見て命の危機に陥った猫ちゃんのお話をします。

危険信号のサイン
尿が出ないときは、初めは長いトイレをしてるだけのように見えます。
もしくはまったくトイレに行かなくなります。
トイレをいつも見る習慣がなければ、
多頭飼育の方はなかなか気づけないと思います。
しかし、尿が出なくなって半日~1日たつ頃には腎不全が起こり始めます。
猫ちゃんはいきなり吐き始め、食欲も低下します。
尿が出てない×嘔吐
これは猫の最大の危険のサインです。
尿が出てないことに気づいていない飼い主さまは、さらに1日様子を見て、
次の日の朝に来院されました。
すぐ病院ですべきこと
まず、迅速な原因の追求と治療です!
すぐにしたことは、
・尿が出てない原因の解除
・血液検査で腎臓のダメージ評価
・点滴治療
男の子の陰茎のなかに石が詰まって尿が出なくなっていたので、
カテーテルを通して石を膀胱に押し戻し、
尿を出るようにします。
血液検査は?
多くの場合、
腎臓の数値である
BUN(ビーユーエヌ) CRE(クレアチニン)
が非常に高くなっており急性腎不全を起こしています。
また、電解質(ミネラルバランス)のカリウムが高くなっています。
これは、早期に原因を解除し、点滴をする必要性を示しています 。
結末は?
カテーテルを陰茎に設置し、
1日点滴入院しました。
若い子だったのでどんどんおしっこがでて(閉塞後利尿といい、毒素をだすため多尿になります)、
次の日には正常な腎数値に戻り、元気に退院しました。
その後、後日に膀胱内の結石を摘出する手術を行い完治しました。
まとめ
尿はとっても大切かつ異常は緊急性を示します。
最低限の知識をもって観察してて頂ければ、
手遅れにはなりませんが、
無知が故に様子見が手遅れにつながり、
亡くなった子もたくさん見ました。
少しでもいいので飼い主として、最低限の知識を持っていただければ幸いです。
⬇️下のコラムに詳しくまとめています⬇️
猫ちゃんトイレ問題 ~猫の尿路閉塞と緊急要する症状~
正常なおしっこの特徴
健康な犬猫の尿は以下のような状態です。
- 薄い黄色〜淡いレモン色
- 強いにおいはない
- 一定の量で、しっかり出ている
- 排尿時に痛そうな様子がない
1日の尿の濃さは、飲水量や食事、気温によってある程度変動します。
<a id=”2″></a>
2. 異常なおしっこの種類
異常な尿は大きく次のパターンに分かれます。
- 色の異常(赤・茶・透明・濁り・オレンジなど)
- においの異常(甘いにおい、アンモニア臭、腐敗臭)
- 量の異常(多い・少ない)
- 回数の異常(頻尿・失禁)
- 排尿時の痛み(トイレで鳴く、何度もしゃがむ)
どれか1つでも当てはまる場合は病気の可能性があります。
色の変化が示す病気
■ ① 赤い・ピンク色(血尿)
疑われる病気
- 膀胱炎
- 結石
- 尿路感染症
- 腎臓の病気
- 腫瘍(膀胱腫瘍など)
血尿はもっともよく見られる異常のひとつです。
■ ② 茶色・コーラ色
疑われる病気
- 溶血
- 横紋筋融解
- 重度感染症
- 体の損傷(交通事故など)
緊急性が高い色です。
■ ③ 透明すぎる尿(水のような色)
疑われる病気
- 腎不全の初期
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 水の飲みすぎ
大量に飲んで大量に出ている場合は注意。
■ ④ 濃いオレンジ色
疑われる病気
- 脱水
- 肝臓の異常
- 胆管系のトラブル
- 黄疸の初期
飲水量が少ない季節に多い症状です。
■ ⑤ 白く濁った尿
疑われる病気
- 膀胱炎
- 細菌感染
- 結晶・結石
- 白血球の増加
濁り+頻尿はほぼ膀胱炎が疑われます。
においの変化でわかること
■ アンモニア臭が強い
- 濃い尿
- 脱水
- 膀胱炎
■ 甘いにおい(フルーツ臭)
- 糖尿病の可能性
→ 緊急性が高いことがあります。
■ 腐敗臭・生臭いにおい
- 重度の尿路感染症
- 膿が混ざっていることも
においが急に変化した場合は要注意です。
尿の量・回数の変化でわかること
■ 尿の量が増える(多尿)
- 糖尿病
- 腎臓病
- 子宮蓄膿症(犬)
- クッシング症候群
■ 尿の量が減る(乏尿)
- 腎不全
- 脱水
- ショック
■ 何度もトイレに行く(頻尿)
- 膀胱炎
- 結石
- 痛みがあるサイン
■ トイレ以外でしてしまう(失禁)
- 膀胱炎
- 神経系のトラブル
- 老齢変化
量と回数の変化は、病気の早期発見につながります。
危険な尿のサイン(すぐ受診が必要)
以下の症状は特に緊急性が高いです。
- 赤い・茶色い尿が続く
- 全く尿が出ない/少量しか出ない
- 何度もトイレに行くのに出ない
- 血の塊が出る
- ぐったりしている
- 尿が臭う+発熱
- オス猫で排尿困難(尿道閉塞の可能性大)
特に オス猫は尿道閉塞を起こしやすく、命に関わります。
動物病院で行う検査
- 尿検査(血液・タンパク・結晶・比重など)
- 超音波検査(膀胱・腎臓)
- レントゲン(結石の有無)
- 血液検査(腎臓・肝臓・炎症)
- 必要に応じて細菌培養検査
尿は容器に採取して持参するとスムーズです。
よくある質問(FAQ)
Q. 尿の色が1回だけ変だったけど大丈夫?
→ 一度だけなら問題ないこともありますが、続く場合は受診を。
Q. 水をよく飲むのは病気ですか?
→ 多飲は腎臓・ホルモン異常の初期症状のことがあります。
Q. 濁った尿は自然に治りますか?
→ 膀胱炎の可能性が高く、多くは治療が必要です。
まとめ(この記事の要点)
- 犬猫のおしっこは健康状態が最も反映される重要なサイン
- 色の変化(赤・茶・オレンジ・透明・濁り)には明確な病気の傾向がある
- におい・量・回数の変化は腎臓病やホルモン異常の初期症状
- 頻尿・血尿・排尿困難は膀胱炎や結石の可能性
- オス猫の“出ない”は緊急性が極めて高い
- 変化が続く場合は尿検査・画像検査が必要
以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。
▶︎ 犬猫に配慮したフードの考え方を見る
※本記事は獣医師の視点から、毎日安心して与えられるドッグフードを厳選して紹介します。病気の治療ではなく、将来の健康を守るための食事選びを目的としています。普段我々は病気の療法食としてロイヤルカナンやヒルズなどの療法食を処方しますが[…]
更新日:2025/12/12キャットフードは「何を選ぶかで寿命が変わる」 と言っても過言ではありません。しかし、種類が多すぎるネットは宣伝だらけ“何が良いか”がわからない…[…]