腫瘍 おすすめのごはん 投薬
  1. 食事
  2. 腫瘍
  3. フード
  4. 分離不安
  5. デンタルケア
現役獣医師が伝える犬猫の病気や治療のすべて ~犬猫の悩みやセカンドオピニオンは本サイトで全て完結~

【よくある例】おしっこが出ないのを丸一日様子を見た猫ちゃんの末路

Pocket

いきなりですが、尿はとっても大切です。

みなさんは、1日でも排尿をしなかった日はありますか?

では、排便をしなかった日はありますか? 

そうです、便は毎日でなくても特に問題ありませんが、尿は丸一日出ないのは命に関わります。

今回は、様子を見て命の危機に陥った猫ちゃんのお話をします。

危険信号のサイン

尿が出ないときは、初めは長いトイレをしてるだけのように見えます。

もしくはまったくトイレに行かなくなります。

トイレをいつも見る習慣がなければ、

多頭飼育の方はなかなか気づけないと思います。

しかし、尿が出なくなって半日~1日たつ頃には腎不全が起こり始めます。

猫ちゃんはいきなり吐き始め、食欲も低下します。

尿が出てない×嘔吐 

これは猫の最大の危険のサインです。

尿が出てないことに気づいていない飼い主さまは、さらに1日様子を見て、

次の日の朝に来院されました。

すぐ病院ですべきこと

まず、迅速な原因の追求と治療です!

すぐにしたことは、

・尿が出てない原因の解除

・血液検査で腎臓のダメージ評価

・点滴治療

男の子の陰茎のなかに石が詰まって尿が出なくなっていたので、

カテーテルを通して石を膀胱に押し戻し、

尿を出るようにします。

血液検査は?

多くの場合、

腎臓の数値である 

BUN(ビーユーエヌ) CRE(クレアチニン)

が非常に高くなっており急性腎不全を起こしています。

また、電解質(ミネラルバランス)のカリウムが高くなっています。

これは、早期に原因を解除し、点滴をする必要性を示しています 。

結末は?

カテーテルを陰茎に設置し、

1日点滴入院しました。

若い子だったのでどんどんおしっこがでて(閉塞後利尿といい、毒素をだすため多尿になります)、

次の日には正常な腎数値に戻り、元気に退院しました。

その後、後日に膀胱内の結石を摘出する手術を行い完治しました。

まとめ

尿はとっても大切かつ異常は緊急性を示します。

最低限の知識をもって観察してて頂ければ、

手遅れにはなりませんが、

無知が故に様子見が手遅れにつながり、

亡くなった子もたくさん見ました。

少しでもいいので飼い主として、最低限の知識を持っていただければ幸いです。

⬇️下のコラムに詳しくまとめています⬇️

男の猫ちゃんトイレはスムーズですか? ~猫の尿路閉塞と緊急要する症状~
Pocket

最新情報をチェックしよう!