猫ちゃんは腎不全や結石など様々な病気に罹患し、食事変更を余儀なくされることが多いです。
猫ちゃんにとって水と食事は極めて大切であり、
食事内容でその後の病気や寿命は大幅に変わります。
猫ちゃんのキャットフードに関して、
獣医師目線かつ飼い主様のご意見を含めたおすすめを各疾患ごとにまとめます。
有名療法食メーカーはロイヤルカナンやヒルズなどがありますが、
各疾患ごとの療法食の使用感(嗜好性と治療反応)をもとに選んでいます。
まずは、栄養管理の基礎知識を理解のうえ選んで頂くと上手く選べると思います。
犬猫の栄養管理の基礎知識
病気を患う犬猫は栄養不足になっていることが多く、
がんなどの大病を患う犬猫は大幅な栄養不足により痩せてしまうことが多いです。
ご飯を選ぶ前にまず栄養管理について知っておいてくださいね。
お家の子は栄養は足りていますか?犬猫は言葉を話せません。犬猫が十分な栄養摂取ができているかは正確な知識をもって、客観的に評価する必要があります。なぜ『栄養』のことを取り上げるかというと、特に、病気を[…]
健康な猫
まだ若くて健康な猫ちゃんは特別な療法食を与える必要はありません。
安すぎない市販のキャットフードで問題ありません。
「安すぎない」理由は、毎食コンビニ食を食べているヒトと栄養バランスの良い食事を摂っているヒトをイメージしてください。
安い食事は単純な栄養組成と炭水化物過多で構成されています。
そのような食事は短い期間では何も問題を起こしませんが、
長期的には必ず問題を引き起こします。
特に猫はそのような安い食事を続けることで、
肥満になり糖尿病になったり、尿路結石になり腎不全を発症したりします。
健康に配慮した有名メーカーの維持食で問題ありません。
先生のおすすめは何かありませんか?と質問をお受けした場合は、
療法食以外で有名なキャットフードとして
は、グレインフリー(穀物不使用)であり嗜好性と健康への配慮を両立したキャットフードです、とお答えしています。
ただし、あくまで有名どころの一例なので、値段や内容がこのようなフードを探していただけたらいいと思います。
食欲不振や腫瘍の猫
高齢や腫瘍を患った猫ちゃんは食欲不振となり、痩せてきてしまいます。
痩せる理由は、栄養不足で体の脂肪や筋肉を分解しエネルギー源にするためで、悪液質といいます。
このような猫ちゃんへの栄養管理には、
高脂肪×良質なタンパク質のエネルギー効率が高く、
嗜好性が高い食事が必要で、栄養価の高い缶詰が好ましいです。
そのような食事としてはロイヤルカナンとヒルズから出ている
または
が最適です。
2つにあまり差は感じませんが、
猫ちゃんの嗜好性の差がありますので、ぜひ両方試して、より嗜好性にいい方がその子にベストです。
また、近年腫瘍の猫ちゃんの専用の食事もネットで販売されています。
食べてくれるのであればこれは最善です。
腫瘍専用キャットフード
腫瘍は成長に多くのエネルギーを使用するので、
しっかり食べていても腫瘍に栄養が奪われてしまうのでどんどん痩せてしまいます。
そのため腫瘍を患っている犬猫はより十分な栄養管理が必要となります。
その際のポイントはエネルギー源はなるべく良質なタンパク質と脂肪です。
これはまず、炭水化物は腫瘍が成長に使用してしまうからです。
腫瘍を患っている場合の栄養管理については下記を参考に栄養を考えてあげてください。
お家の子は栄養は足りていますか?犬猫は言葉を話せません。犬猫が十分な栄養摂取ができているかは正確な知識をもって、客観的に評価する必要があります。なぜ『栄養』のことを取り上げるかというと、特に、病気を[…]
お腹が弱い猫
このお腹が弱いとは、食事やストレスで便が柔らかくなりやすいなどの症状を有する猫ちゃんを指します。
慢性的な消化管の病気に罹患している猫ちゃんは消化に良いフードを選ぶべきです。
また、お腹を壊しやすい猫ちゃんは食欲にもムラができやすいので、嗜好性の高さも大切です。
それらを備えているのは
特にこの缶詰は経験上嗜好性が高いので、
嗜好性が低下した消化器疾患の猫に使用することができます。
下痢を繰り返す場合は食事以外にも何か原因がある場合が多いです。
犬猫はさまざまな原因で下痢をし、来院頻度がとても多い理由のひとつです。しかし、多くの場合は緊急性が低い一過性のことが多いですが、様子を診てはいけない下痢も存在していますので注意が必要です。お家の子は頻繁に下痢してい[…]
便秘気味の猫
便が毎日出なかったり、硬い便だったり、巨大結腸症の猫ちゃんは便を柔らかくする必要があります。
この病態は食事療法が極めて重要であり、反応が良いので確実に食事変更を行うべきです。
ドライフードでは、
が最も治療反応が良いです。
併用するウェットフードでは
です。
猫の便秘はこの2種類で管理できます。
便秘の治療に関しては↓を参考にしてください。
ヒトと同じように犬や猫にも便秘は存在し、特に猫においては高齢になると便秘で悩む子は多くなります。おうちの子は毎日快便ですか?何日便がでなかったら動物病院に行くべき?食事でなにかできることは?便秘の考え方と対[…]
食事アレルギーの猫
何らかの食事にアレルギーがあり、下痢や皮膚の痒みがある猫は、
アレルゲンを含まない食事にする必要があります。
しかし、猫の食事アレルギーは診断がとても難しいので、
必ず動物病院で診断を受けたのちに食事変更を行うようにします。
アレルギーに対する療法食としてはドライ、ウェットともに
です。
猫ちゃんのアレルギーはとても難しいです。
食事だけが原因でないことも多くさまざまな観点から診断、治療が必要になります。
皮膚病の夏と言われるほど犬も猫も皮膚病は起こりやすくなります。その中でも猫の皮膚病はとても治療が難しいことも多く、なかなかスッキリ治らないことも多いです。猫は犬と違い痒い場合は”掻く”ではなく”舐める”です。お家の[…]
歯周病や口内炎の猫
歯周病や口内炎は猫においてとても多い病気です。
歯周病の多くは柔らかいフードを長期的に食べることで発生しやすくなります。
そのため、歯に配慮したデンタルフードは健康なうちから始めておくといいでしょう。
このデンタルケアのキャットフードは種類が少なく、健康な猫ちゃん用に紹介したカナガンから出ている
が嗜好性と効果的におすすめです。
猫ちゃんの口内炎はとても治療が悩ましい病気のひとつです。
食事と併せて参考にしてください。
わんちゃんは年を取ると歯石や歯周病が多く、日々のデンタルケアの重要性について理解していただいていると思います。一方で、猫ちゃんは口内炎がとても多く、若くして口内炎に頭を悩ます子が多くいます。また、治療をして[…]
肥満または糖尿病の猫
猫ちゃんは肥満気味の子が多く、また猫の肥満は多くの病気を引き起こすため注意が必要です。
また、犬と違い運動での減量が難しいため、正しい食事管理を必要とします。
厳密な減量や糖尿病の管理を必要とする場合は療法食に変更し、それ以外の食事は可能な限り控えます。
その際は、ドライとウェットともに
が嗜好性も高く、体重と血糖値のコントロールが行いやすいです。
また、嗜好性も高めた肥満フードもネット限定で販売されています。
猫ちゃんの糖尿病は完全なる生活習慣病です。
飼い主の責任としてここはしっかりとした知識をもっていてくださいね。
ヒトで認められる病気の多くは犬猫にも存在しています。糖尿病も猫ちゃんでとても多く認められる病気のひとつであり、適切な治療の有無がその子の人生を大きく左右します。では、猫ちゃんはいつ・どのようなタイミングで糖[…]
心筋症の猫または好発品種
猫ちゃんは心筋症が実はとても多く、特に純血種の猫ちゃんは年齢を重ね心臓病を患うことが多いです。
心臓病をケアした食事は多くはありませんが存在しています。
目的はミネラルバランスの調節です。
摂取塩分が多くなると心臓への負担が大きくなるので、
心臓用の食事は塩分を調整されています。
また、心臓が悪くなると循環不足になり腎臓病を併発することが多いので、
その両方をケアした食事が望ましいです。
あまり多くは種類がありませんが、
は心臓と腎臓をケアした食事なので有用です。
基本的に猫の心臓ケアフードは珍しく、ネット限定ではありますがもうひとつ存在している程度です。
猫ちゃんの悩ましい心筋症について詳しくまとめています。
心筋症とは心筋症は猫のおよそ7頭に1頭が罹患している心臓病で、その多くは症状を示さないので、進行して症状がでるまで気づかないことがほとんどです。年齢を重ねた猫では約3割の猫が心筋症に罹患して[…]
慢性腎臓病の猫
慢性腎臓病は高齢の猫ちゃんで最も多い病気です。
また、この病気は食事管理が極めて重要であり、いかに食事内のタンパクやリンを少なくし、
腎臓に負担をかけないようにできるかが寿命に影響するというデータがあります。
また、腎臓病の猫ちゃんは脱水しがちなので、いかに口から水分が取れるかが重要になります。
水分は普段からウェットフードを食べている猫ちゃんの方が多く摂取できているというデータがありますので可能な限りウェットフード中心がいいです。
歯のことを気にする方もおられますが、優先順位が異なります。
ウェットフードは猫ちゃんによって好みがありますので、いろいろ試してみる方がいいです。
ヒルズのk/dを食べない子がロイヤルカナンの腎臓サポートなら食べれたり、など慢性腎臓病の子は嗜好性が様々です。
選択肢として試すべき腎臓系の缶詰は
まず、
です。
これはあまり知られていませんが、パウチとして存在し、経験上嗜好性が高いです。
比較的柔らかいペーストをペロペロ食べるタイプの子におすすめです。
あと、
は、比較的食べ応えがあるので、ドライフードが好きな歯ごたえを大切にする猫ちゃんにおすすめです。
またツナ味とチキン味があり好みに合わせることも可能です。
腎臓食はこの2強であり、この2つに優劣はありません。
最後にもうひとつ、
というパウチは上記の2つにあまり興味を示さなかった子で、
とても嗜好性が高く食べてくれた経験が何度かあるウェットフードです。
腎不全は点滴をしていればいい、というようなイメージをもちがちですが、それは間違いです。
寒くなりヒトを含め動物は水分摂取量が少なくなります。猫ちゃんは寒くなり水を飲まなくなるとどうなるでしょうか?冬に猫ちゃんが体調を崩し、近くの病院で毎日点滴しても腎不全が改善しない場合はセカンドオピニオンを求めましょう。[…]
尿路結石の猫
尿路結石は若くして問題となることが多い病気です。
結石の生成には食事中のミネラルが関与しているので、
結石ができやすい猫ちゃんは必ずミネラル分を調整しているフードに変更します。
また、これらのフードは維持食なので一生それを食べていて問題ありません。
市販に売られている尿路ケアのような食事は療法食ではなく、
厳密にミネラル調整がされていませんので、
結石をしっかり予防、治療したい場合は少し高くても療法食にすべきです。
おすすめはコストパフォーマンスと嗜好性、治療反応性の総合的に、
です。
缶詰も種類があり、猫ちゃんの嗜好性に合わせて選ぶことができます。
猫はほとんどの結石がシュウ酸Caという成分なので、コンフォートという種類の方がいいです。
尿路結石は極めて痛く苦しい病気なのでぜひ回避できるようにできることをしてあげてくださいね。
甲状腺機能亢進症の猫
高齢になると甲状腺機能亢進症という病気になる猫はとても多いです。
基本的にこの病気は薬を使って治療をしますが、
ヨウ素という成分が甲状腺の機能に関与しているので、
食事中のヨウ素を調整したフードを治療に用いることがあります。
自分が知る限り甲状腺機能亢進症に対する療法食は
のひとつかと思います。
意外と甲状腺機能亢進症は多いです。
特徴や症状を知っていれば早期に気づいてあげることができますので、ぜひ参考にしてください。
ご高齢の猫ちゃんで、元気食欲はあるけど最近痩せてきたり、ワオーンと夜鳴きをしたりすることはありませんか?高齢になった猫ちゃんにとって甲状腺機能亢進症は極めて一般的な病気でありとても多く遭遇します。また、元気や食欲があること[…]
安く早く療法食を購入する方法
療法食は市販のキャットフードと比較してどうしてもコストがかかります。
療法食の購入は動物病院、大型ペットショップ、ネット販売から行うことができます。
同じ療法食を継続的に購入するのであればコスト面と早さを重視する場合は
正ネット購入です。
普段から、飼い主様には病院でも処方可能ですがネット購入の方が値段は安いです。
また、療法食のネット購入では
というサイトが有名です。
まとめ
猫ちゃんにとって食事はとても大切です。
多くの病気は食事と密接な関係があり、
食事によって改善したり予防したりすることもできます。
また猫ちゃんは気分屋なので、
なるべく缶詰も選択肢にある嗜好性が高い療法食をご紹介しました。
今回ご紹介したキャットフードは臨床上極めてパフォーマンスが高いですが、
猫ちゃんによって好みは異なりますので、お家の猫ちゃんの口に合わせてご参考ください。
栄養管理の基礎知識
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