犬の血管肉腫はとても悩ましく、かつ意外とよく遭遇する腫瘍のひとつです。
また、進行がとても早いので、急に症状が現れまたたくまに体をむしばんでいきます。
急に血管肉腫と診断され余命宣告をされてしまう飼い主さまも多く、
とても悩ましい病気です。
そんな中で、最善の治療を行い1年以上生存闘病したロットワイラーのお話をします。
エコーで脾臓に影!
その子は9歳の健康診断でお腹のエコー検査を実施しました。
その際にたまたま1cmほどの小さな影が脾臓にみつかりました。
血液検査を含めたその他の検査ではなにも異常はありませんでした。
大きなロットワイラーにとって1cmの影は決して大きなものでもなく、焦る必要はないようにも思えます。
しかし、ロットワイラーとゆう犬種は腫瘍好発犬種であり、9歳とゆう年齢も加味して、
すぐに脾臓の摘出手術を行いました。
手術~病理検査
手術は無事に終わり、一泊二日の入院ののち元気に退院しました。
脾臓摘出の手術は、大きな腫瘍ができているとお腹を大きく開けるので、侵襲が少し高くなります。
この子はできものはとても小さかったので傷口も比較的小さく手術時間も1時間ほどで終わりました。
手術費用は入院含め約10万円ほどです。
1週間後に病理検査結果が返ってきて、
脾臓の血管肉腫 ステージ1
と診断されました。
手術後の抗がん剤治療
とても早期発見であり、手術で腫瘍はとりきれており、
手術後は肺も肝臓もリンパ節どこにも転移を疑う様子はありませんでした。
しかし、
血管肉腫は極めて悪い腫瘍
ですので、体のどこかに残っているかもしれない腫瘍細胞を殺滅するために、
抗がん剤(ドキソルビシン)を1ヶ月に1回の計6回行いました。
この子は幸いにして副作用はまったくでずに、ずっと元気に半年過ごしました。
無治療経過観察から再発
半年抗がん剤を行い、CT撮影にて転移がどこにもないことを確認して、無治療経過観察としました。
1ヶ月ごとにレントゲンとエコー検査で再発の有無を確認しました。
発症から1年を過ぎた約13ヶ月目、肝臓に小さな影が見つかりました。
そこからこまめに経過観察を続けると、1ヶ月以内に肝臓の複数、お腹のリンパ節に転移を疑う影が増えていき、
発症から14ヶ月目に肝臓の転移病変からの出血により、亡くなりました。
まとめ
早期発見から摘出、さらに抗がん剤と全力の治療を行い、完治したかのように思えました。
やはり血管肉腫は手強いです。
しかし、
この子の14ヶ月目という時間は血管肉腫の平均を大幅に上回り、極めてよく頑張りました。
犬の1年はヒトの約5~7年に相当します。
ヒトに置き換えると、
極めて悪い腫瘍を相手に約10年も闘病し、
幸せに家族(飼い主)との日々を送れたことになります。
犬猫をヒトのものさしで測ってあれこれ考えてしまうことが多いですが、
ヒトのものさしではなく、動物目線のものさしで考えると世界はまた変わります。
1日でも多く家族と時間を過ごすことが犬猫にとっていかに貴重なことか考えさせられます。
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