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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬と猫は「ひとり」で寂しい?留守番のストレス・分離不安・安心して過ごすための工夫を獣医師が解説

更新日:2025/12/6

・留守番をすると吠え続ける

・ホテルに預けると下痢になる

・飼い主がいないと落ち着かない

・手先をずっと舐める

これらに当てはまるわんちゃん猫ちゃんは、少しずつトレーニングによって改善できます。

この症状は分離不安とよばれ、持って生まれたものではなく、生活環境や飼育環境によって作り上げられたものがほとんどです。

仕事や外出で、愛犬・愛猫を家にひとり残して出かけるとき、
「寂しくないかな…」「ストレスになっていないかな…」
と心配になる飼い主の方は多いと思います。

犬や猫にも「安心できる時間の作り方」があり、
環境づくり次第で 留守番のストレスを大きく軽減することができます。

この記事では、

  • 犬と猫は“ひとり”をどう感じるのか
  • 留守番がストレスになるサイン
  • 分離不安の特徴
  • 対策・環境づくり

を獣医師の視点でわかりやすく解説します。

犬と猫は“ひとり”をどう感じている?

犬と猫では、ひとりで過ごす時間への感じ方が大きく異なります。

● 犬

犬は「群れで生きる」習性が強く、
飼い主とのつながりが生活の中心です。

そのため、
長時間の留守番=不安や寂しさにつながりやすい 動物です。

● 猫

猫は「単独行動」が基本の動物で、
ひとり時間を好む子も多くいます。

ただし、

  • 飼い主と強い絆がある
  • 甘えん坊の性格
  • 環境の変化に弱い

こういった猫は、ひとりの時間がストレスになることもあります。

性格や生活環境によって感じ方は大きく変わります。

分離不安とは

動物が愛着の対象から分離されたときに不安を感じることで吠えたり、破壊的行動や不適切な排泄をする行動異常や、吐き気や下痢、肢端を舐めるといった症状を引き起こす病気です。

原因

・家族の誰かが常に一緒にいる環境で育ったため、一人で留守番する馴化が不十分なこと

・飼い主の生活が突然変化し、動物が未経験の長時間の留守番を経験すること

・留守番中に強い恐怖体験があり、トラウマとなっていること

・高齢になり、疾病や感覚機能の低下により不安感が強くなること

などが考えられます。

飼い主様が一人暮らしであったり、保護・譲渡されたり、早期離乳された子はこの分離不安を引き起こしやすくなります。

代表的な特徴は:

  • 飼い主が離れると強いストレスを感じる
  • 過度の鳴き声・破壊行動が出る
  • 呼吸が荒くなる、ヨダレが多い
  • 外出準備をするとパニックになる
  • ときに自傷行為につながる

猫でも見られることがありますが、
犬ではより顕著に症状が出やすいと言われています。

分離不安は「甘やかしが原因」ではなく、
精神的な不安や環境への適応が難しいことが根本にあります。

分離不安の症状

よくある症状は

・破壊行動

・過剰な吠え

・不適切な排泄

・足先を舐める、過剰なグルーミング

・パンティングやよだれ

がよく認められます。

これらの症状は、多くの場合は飼い主がいない不在時にのみ認められます。

そのため、おうちの子が分離不安になっているのかどうかも気づかれていないことも多いです。

留守番でストレスが出るサイン

次のような行動がみられる場合、
留守番が不安の原因になっている可能性があります。

  • 飼い主が出かける気配でそわそわする
  • 外出後に吠え続ける、鳴き続ける
  • 過度の舐め行動・毛づくろい
  • 食欲が落ちる
  • トイレを失敗する
  • 破壊行動(家具・ドアをかじる)
  • 帰宅時の興奮が異常に強い
  • 留守番中に嘔吐や下痢

これらはストレスによる“サイン”であり、
放置すると体調悪化につながることもあります。

犬の“寂しさ”と猫の“寂しさ”の違い

● 犬の場合

  • 人の気配が安心材料
  • コミュニケーションが欲しい
  • 留守番が長いと不安が高まりやすい

犬の多くは「ひとりの時間」が苦手です。

● 猫の場合

  • ひとりを好む子も多い
  • ただし急な環境変化・留守番が長すぎるとストレス
  • 甘えん坊の猫は寂しがりやすい

猫でも家族との絆が強い子は、留守番に不安を感じやすくなります。

留守番を安心して過ごすための工夫

犬猫がひとりの時間を快適に過ごすためには、
「準備」と「環境づくり」 が大切です。

■ ① 安心できる居場所を作る

  • ハウス・ベッド・キャットタワー
  • 薄暗く、落ち着いた空間
  • のびのびできるスペース

■ ② 外出前のルーティンを一定にする

同じ流れにすると、動物が外出を予測しやすくなり安心します。

■ ③ おもちゃ・知育玩具・爪とぎ

退屈によるストレスを防ぐことができます。

■ ④ 生活音を少し残す

  • 小さめのテレビ
  • 小鳥の音
  • やさしいBGM

静かすぎる環境は不安になりやすい子もいます。

■ ⑤ 適切な温度・換気

留守番中の温度管理は命を守る最重要ポイントです。

■ ⑥ 留守番時間が長すぎる場合は工夫を

  • ペットシッターの利用
  • 家族での外出時間をずらす

なども検討しましょう。

分離不安の治し方

まず、これらの症状がほかの病気ではなく分離不安に起因するということをはっきりさせる必要があります。

その方法は、留守番中の本人の過ごし方や症状を確認することです。

これらの症状は飼い主が不在中に起こる、または不在によって急に悪化します。

そのため、自宅でカメラを設置し、動画を確認し、分離不安であることを確定し治療を行います。

治療のうえで最も大切なことは薬に頼るのではなく、行動療法をしっかり行うことです。病院で処方される抗不安薬は補助的なものであり、この行動療法がなければ解決しません。

では、どのような行動療法を行えばよいのでしょうか。

まず、目的はひとり(留守番)に慣れることです。そのために以下の方法を用いて根気強く行いましょう。

①報酬を用いた訓練

これはしつけの基本です。

待ての指示を出し、動物から離れ、慣れてきたら一度部屋から退出し、従うことができれば報酬を与える行為を繰り返します。

②外出に関連する行為と報酬の組み合わせ

服を着替える行為や、玄関で靴を履く、鍵を持つなど、外出が連想する刺激とご褒美を組み合わせることで、留守番への嫌悪感を徐々に減らします。

最も効果的なのは、留守番中におやつやご褒美が食べれる環境です。自動給餌器などを利用するのが効率が良い方法です。

③動物が安心できる場所を作る

気に入る場所や隠れられるハウスや毛布など、動物が長時間快適に過ごせる場所を提供することで、長時間の留守番のストレスを減らすことができます。

④長時間の留守番の前に、散歩や遊びを行う

留守番の際に疲れて寝てもらうように行動をコントロールします。

⑤留守番中にご褒美としつけ

帰ってきた際に、不適切な排泄や好ましくない行動を叱ることは絶対にしてはいけません。動物は、悪いことをしている最中の罰でなければ一切認識できないためです。

ご褒美を与える際も、留守番中のご褒美が最も効果的ですので、そのような環境の構築が望まれます。

留守番中の観察とご褒美

留守番中に犬猫がどのような行動をとっているのかの評価、

また、その治療として最近では市販のカメラ付き給餌器が有効です。

長時間留守番のリスク

  • 脱水・熱中症
  • トイレ我慢による泌尿器トラブル
  • 破壊行動や誤食
  • 分離不安の悪化
  • 持病の急変に気づけない

「ひとりで過ごすことが危険になるケース」もあるため、
持病のある子や高齢の子では特に注意が必要です。

ひとり時間を“快適にするコツ”

  • 出発時や帰宅時に過剰に構いすぎない
  • 外出のたびに強い不安を与えないよう配慮
  • 帰宅後はしっかりスキンシップ
  • 相性の良い香り(ブランケット・飼い主の匂い)で安心

動物が“飼い主は必ず戻ってくる”と理解できると、
留守番は大きく楽になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 犬は1日何時間までの留守番が安全?
→ 成犬では4〜6時間が目安。8時間以上はストレスになる子が多いです。

Q. 猫は長時間ひとりでも大丈夫?
→ 猫は比較的平気ですが、給餌・水・トイレの管理ができる範囲で。

Q. 分離不安は治りますか?
→ 行動療法+環境調整で改善できるケースがあります。必要により薬を使うことも。

Q. ひとりにすると鳴き続けるのは異常?
→ 強い不安のサインです。環境づくりや行動療法が必要です。

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まとめ

わんちゃん猫ちゃんは、その子によってとても性格が異なり、さまざまなトラウマや癖を持っています。

しかし、その多くはもともとのものではなく、生活環境や飼い方など後天的に染みついたものです。

そのような行動がときに病気につながったり、予期せぬ問題を発生させることがあります。

今回の分離不安はとても多くのわんちゃん猫ちゃんが悩んでいる病気であり、実は多くの子がこの病態を患っています。

この病態は辛抱強く行動療法を行うことで必ず結果につながるので、今回ご紹介した内容をぜひ参考にして治療を行い、お互いの快適な生活につながればと思います。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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