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ちゃんとお留守番できてますか? ~犬猫の分離不安症~

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・留守番をすると吠え続ける

・ホテルに預けると下痢になる

・飼い主がいないと落ち着かない

・手先をずっと舐める

これらに当てはまるわんちゃん猫ちゃんは、少しずつトレーニングによって改善できます。

この症状は分離不安とよばれ、持って生まれたものではなく、生活環境や飼育環境によって作り上げられたものがほとんどです。

今回はわんちゃん猫ちゃんに特有のこの分離不安について、その原因とできることについてお話しします。

分離不安とは

動物が愛着の対象から分離されたときに不安を感じることで吠えたり、破壊的行動や不適切な排泄をする行動異常や、吐き気や下痢、肢端を舐めるといった症状を引き起こす病気です。

原因

・家族の誰かが常に一緒にいる環境で育ったため、一人で留守番する馴化が不十分なこと

・飼い主の生活が突然変化し、動物が未経験の長時間の留守番を経験すること

・留守番中に強い恐怖体験があり、トラウマとなっていること

・高齢になり、疾病や感覚機能の低下により不安感が強くなること

などが考えられます。

飼い主様が一人暮らしであったり、保護・譲渡されたり、早期離乳された子はこの分離不安を引き起こしやすくなります。

分離不安の症状

よくある症状は

・破壊行動

・過剰な吠え

・不適切な排泄

・足先を舐める、過剰なグルーミング

・パンティングやよだれ

がよく認められます。

これらの症状は、多くの場合は飼い主がいない不在時にのみ認められます。

そのため、おうちの子が分離不安になっているのかどうかも気づかれていないことも多いです。

では、どのように診断し、治療すべきでしょうか?

分離不安の治し方

まず、これらの症状がほかの病気ではなく分離不安に起因するということをはっきりさせる必要があります。

その方法は、留守番中の本人の過ごし方や症状を確認することです。

これらの症状は飼い主が不在中に起こる、または不在によって急に悪化します。

そのため、自宅でカメラを設置し、動画を確認し、分離不安であることを確定し治療を行います。

治療のうえで最も大切なことは薬に頼るのではなく、行動療法をしっかり行うことです。病院で処方される抗不安薬は補助的なものであり、この行動療法がなければ解決しません。

では、どのような行動療法を行えばよいのでしょうか。

まず、目的はひとり(留守番)に慣れることです。そのために以下の方法を用いて根気強く行いましょう。

①報酬を用いた訓練

これはしつけの基本です。

待ての指示を出し、動物から離れ、慣れてきたら一度部屋から退出し、従うことができれば報酬を与える行為を繰り返します。

②外出に関連する行為と報酬の組み合わせ

服を着替える行為や、玄関で靴を履く、鍵を持つなど、外出が連想する刺激とご褒美を組み合わせることで、留守番への嫌悪感を徐々に減らします。

最も効果的なのは、留守番中におやつやご褒美が食べれる環境です。自動給餌器などを利用するのが効率が良い方法です。

③動物が安心できる場所を作る

気に入る場所や隠れられるハウスや毛布など、動物が長時間快適に過ごせる場所を提供することで、長時間の留守番のストレスを減らすことができます。

④長時間の留守番の前に、散歩や遊びを行う

留守番の際に疲れて寝てもらうように行動をコントロールします。

⑤留守番中にご褒美としつけ

帰ってきた際に、不適切な排泄や好ましくない行動を叱ることは絶対にしてはいけません。動物は、悪いことをしている最中の罰でなければ一切認識できないためです。

ご褒美を与える際も、留守番中のご褒美が最も効果的ですので、そのような環境の構築が望まれます。

留守番中の観察とご褒美

留守番中に犬猫がどのような行動をとっているのかの評価、

また、その治療として最近では市販のカメラ付き給餌器が有効です。

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上述したポイントを押さえ外出中の様子を一度確認し対策するのが好ましいでしょう。

まとめ

わんちゃん猫ちゃんは、その子によってとても性格が異なり、さまざまなトラウマや癖を持っています。

しかし、その多くはもともとのものではなく、生活環境や飼い方など後天的に染みついたものです。

そのような行動がときに病気につながったり、予期せぬ問題を発生させることがあります。

今回の分離不安はとても多くのわんちゃん猫ちゃんが悩んでいる病気であり、実は多くの子がこの病態を患っています。

この病態は辛抱強く行動療法を行うことで必ず結果につながるので、今回ご紹介した内容をぜひ参考にして治療を行い、お互いに快適な生活につながればと思います。

参考になりましたら幸いです。

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