犬猫の避妊去勢手術や歯石除去などの、
予防的手術における麻酔リスクや考え方を前回お話ししました。
下記にまとめていますので、見られていない方は先にご覧になると理解しやすかと思います。
犬猫の麻酔リスクの考え方
犬猫の麻酔リスクと死亡率~避妊去勢と歯石除去して大丈夫?~
では、実際に高齢になって全身麻酔をかけて手術や検査を行う場合のリスクはどうでしょうか?
健康な状態で受けた小さい頃の全身麻酔とリスクは同じでしょうか?
今回は、病気になり全身麻酔が必要な際にどのように考えるかについてお話しします。
その子の麻酔リスク評価法
前回もお話ししたようにその子その子で麻酔リスクは異なります。
つまり、一概に
「高齢だから~」
とか
「身体が小さいから~」
とかで麻酔リスクは決まりません。
麻酔リスクは
その子の全身がどのような状態であるか
によって決まります。
これをASA評価と呼び、
重症度によって1~5段階に分かれます。
ASA評価
死亡率に影響を与えるASA評価は以下の5段階に分けられます。
①健康
②軽度の臓器異常を認めるが、機能的な異常はない
例)肝数値が少し異常値である程度
③重度の臓器異常を認め、機能的にも障害を持っている
例)慢性腎不全で、腎数値が高い
④重度の臓器異常を認め、生命の危機にさらされている
例)心臓病があり肺水腫(呼吸困難)を起こしている
⑤瀕死であり、手術の有無に関わらず24時間以内に死亡する可能性が高い
例)腫瘍の末期で多臓器不全を起こしている
全身麻酔をかける際は、その子が、
この5段階のどこに当たるのかを考え、
そのリスクと手術の必要性を照らし合わせます。
言葉を話せない動物であるからこそ、
高齢だからとか可愛そうという主観的な観点だけではなく、
なるべく客観的に適切に治療を考えてあげましょう。
その評価ごとの全身麻酔に関連する死亡率を次にまとめます。
全身麻酔の死亡率
先ほど説明したASA分類ごとの死亡率は、
ASAが
①または②の場合 犬0.05% 猫0.11%
③④の場合 犬1.33% 猫1.4%
⑤の場合 非常に致死率は高い
です。
この確率を高いととるか、低いととるかはその人それぞれであるとともに、
その子の手術の必要性によりけりですよね。
また、この死亡率はアメリカの二次施設のデータであり、
日本の動物病院ではこの確率よりは少なくとも上がると予想します。
つまり、全身麻酔を検討する際は、獣医師の技術や病院の設備によっても左右されると認識すべきです。
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