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どうする?犬の妊娠と出産 ~緊急帝王切開をさけるためにすべきこと~

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春になり暖かくなりましたね。

新しい生活が始まり、わんちゃんを迎え、新生活が始まる方もおられるかもしれません。

女の子のわんちゃんを迎えられた方、飼われている方が必ず知っておくべきことに【妊娠】があります。

ヒトも同じですが、わんちゃんも望まない妊娠や出産に加え、予想外の難産で母子ともに命に関わることが少なくありません。

わんちゃんはひとと違い言葉を発せられないので、十分な知識を持って飼育する必要、義務があります。

今回は、わんちゃんが望まない妊娠や命に関わる緊急帝王切開を避けるために知っておくべきことについてお話しします。

犬の妊娠について

犬は不妊されていない雄と雌が交配することで簡単に妊娠します。

そのため不妊されていない雌犬において、気づかないうちに妊娠していたり、望まない妊娠をしてしまうことは少なくありません。そのため、未避妊雌を飼われている方は特に注意が必要です。

同時に妊娠する頭数は1頭のこともあれば複数頭いることもあります。

まず犬の妊娠期間は約9週間(63日)であり、ほとんどの場合妊娠58日目~68日目の間に出産を迎えます。

そのため、妊娠したと予想される日から出産予定日を考え、十分な心構えと準備が必要となります。

妊娠の診断とすべきこと

まず、故意的な交配じゃない場合、妊娠直前までは妊娠に気づくことは困難です。

外見の変化

まず最初に妊娠を疑えるのはせいぜい出産の3週間前で、このころに見た目上お腹が大きくなり、体重が増加してきます。複数頭妊娠している場合はわかりやすいですが、1頭の妊娠の妊娠の場合はわからないかもしれません。また、同じころから乳腺も張ってきます。

行動面の変化として、出産数週前になると落ち着きがなくなり、神経質になります。

診断・来院すべきタイミング

血液検査等で妊娠を早期診断することはできません。一番早期に診断可能なのは交配後約1カ月で、超音波検査によって検出可能です。

超音波検査によって胎児の心拍を確認し、胎児が元気であるか確認します。

レントゲンで胎児の骨格を確認し、妊娠頭数確認ができるのは交配後45日以降です。この、妊娠頭数確認が何よりも大切です。そのため、このころに必ず動物病院を受診します。

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安全に出産するために3つの確認

交配後45日以降に動物病院を受診し

頭数の確認

胎児が元気であるか(心拍)の確認

胎児の頭が産道を出れるかの確認

を行います。妊娠頭数を確認するのは、自宅で自然分娩を行う際に、ちゃんと全頭出産したか確認するために必ず必要です。

ヒトと違い複数頭の妊娠であることが多いので、全頭が安全に出産されるかの確認が必要なのです。

例えば、3頭妊娠していて、2頭目まで産まれて出産を終えたが、3頭目が生まれてこずそのまま3頭目が息絶えてしまうことや、また胎児が遺残し母体の命を脅かすこともあります。

また、妊娠頭数が少ない場合、巨大胎児になることが多く、レントゲンで明らかに産道を頭蓋骨が通らないと判断される場合は、帝王切開による出産を計画します。

それをしなければ、結局出産の際に、難産になり、手術が遅れ胎児の命が失われ、また母体の命にも影響が出ます。

ヒトの医療比べ動物病院は数も人手も違うので常に緊急手術を受け入れられないことが多いです。そのため、予測できることは予測し、適切に計画、準備することが大切です。

まとめ

動物は言葉を話しません。

動物は気づかない所で交配行動しています。

ヒトと比べ難産が多いです(複数頭妊娠のため)。

そのため、不妊されていない雌犬を飼われている方は、適切な知識を持ち動物を観察し、万が一妊娠した場合は、適切に情報を集め予測し準備する必要があります。

犬の出産はとっても可愛く感動的でハッピーです。

そんな幸せな瞬間を母子ともに安全に迎えられるように、少しでもお役に立てればと思います。

このサイトでは、日々よく起こりうることで皆様に知っていていただきたい知識をかいつまんでお伝えしていきます。

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