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犬猫の正しいシャンプーのやり方 ~頻度・おすすめのシャンプー~

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じめじめとした夏が続き、わんちゃんが皮膚病に悩む季節になりました。

わんちゃんの皮膚病は普段のケアがとても大切になります。

お家の子はどんなシャンプーを使っていますか?

トリミングの月1回以外にもケアはできていますか?

被毛はツヤツヤしていますか?

人も夏は毛がバサつき、シャワーやボディシートなど体のケアが必要なように、わんちゃんも同じもしくは人以上に十分な被毛のケアが必要です。

今回は、おうちでの皮膚のケアのポイントをお話しします。

シャンプーの目的

犬のスキンケアは外からと内からの両方のケアが必要です。

外からのスキンケアのポイントはシャンプー×保湿

内からのケアは皮膚の栄養(食事)×ストレスが重要になります。

シャンプーの目的は、皮膚の角質、皮脂、汗、汚れを落とすためで、

皮膚病を持っている犬は皮膚の感染源となる細菌やカビを落とすことが目的です。

これらの汚れは皮膚への刺激となり、皮膚病を誘発しますのでシャンプーによるケアが必要となります。

シャンプーのやり方

シャンプーには界面活性剤が含まれていますので、しっかり泡立ててもみ洗いをします。

シャンプーがうまく泡立たないことはありませんか?

シャンプーの泡立たすために、100均でボール(容器)とスポンジを買っておくといいです。

ボールに水とシャンプーを混ぜスポンジで泡立てると少ないシャンプーでよく泡立ち、界面活性作用もUPします。

シャンプーは健康な皮膚と皮膚病を起こしている皮膚で洗浄方法を調整します。

健康な皮膚の場合

洗浄用シャンプーにて皮膚の汚れや角質を洗い落とし、

次に保湿シャンプーかスキンケアスプレー等でケアを行います。

このケアを怠ると、シャンプーで皮脂が落ちすぎて皮膚のバリア機能を落としてしまいますので必ずセットで行うべきです。

皮膚病の場合

まずは正常な皮膚と同じく洗浄シャンプーで皮膚の汚れを洗い落とします。

その次に、皮膚の細菌やカビを消毒するための薬用シャンプーを用いて洗います。このとき、すぐに洗い落としてしまわずに、5分ほど泡立てたまま放置することでしっかり皮膚に殺菌成分が浸透します。

十分に洗い流した後、保湿ケアを行います。

よく飼い主さんに質問すると、市販のシャンプーだけで洗われている方が多く、シャンプーをしているのに皮膚がカサカサしていたり、うまく皮膚病が治りにくかったりしています。

ポイントはその子の皮膚に合わせて適切なシャンプーを組み合わせて、必ず保湿ケアをセットで、適切な頻度でシャンプーを行うことです。

皮膚病の場合は1~2週間に一度はこの薬用シャンプーを行います。

健康な皮膚の場合は洗いすぎは皮脂を落としすぎてバリア機能を余計に落としてしまうので洗いすぎはいけません。

皮膚の状態や汚れによって2~4週間に一度程度のシャンプーでケアをします。

それ以外では保湿スプレーなどでスキンケアをしてあげてください。

スキンケアの観点ではトリミングに出すより、適切にわが子にふさわしいシャンプーを考えて、自らしてあげる方が個人的にはいいと思います。

おすすめのシャンプー

いろんなシャンプーが市販されていますが、どれがいいのか?何がちがうのか?

疑問に思い適当に広告に任せて購入されることはありませんか?

シャンプーは基本的に水と界面活性剤で構成され、その他にシャンプーによって保湿剤やコンディショニング剤、薬剤、香料がシャンプーごとに調整されています。

シャンプーは基本的に3つの目的で行います。

①洗浄用

②コンディショニング用

③薬用

これらの目的に沿ってシャンプーは作られており、目的に沿って使用するべきです。

洗浄用のシャンプーとしては市販のシャンプーで十分です。

市販のシャンプーで十分に汚れが落ちない子や、とてもフケが多いとか、脂っぽい子はケラトラックスと呼ばれるシャンプーを試されてもいいかもしれません。

ポイントは薬用シャンプーと保湿剤などのスキンケア用品です。

薬用シャンプーとしてはこのマラセブシャンプーのみで十分です。

夏の皮膚病のほとんどは皮膚の細菌繁殖による膿皮症か皮膚のマラセチアと呼ばれるカビの繁殖による皮膚炎です。

皮膚がジメジメして匂いのある黒いお腹の子はマラセチアが増えてることが多いです。

マラセブシャンプーはこの両方の殺菌が可能です。

保湿剤などのスキンケアとしては、シャンプーで保湿する場合はヒュミラックと呼ばれるシャンプーが保湿成分が多いです。

また、スキンケアとしては

【AVANCE(アヴァンス)】

というスプレー型の保湿剤が使い心地がよく、良好な経過が多いです。その他、保湿系スプレーは一部市販されています。

まとめ

わんちゃんは皮膚病で悩むことが多いですが、治療の基本はスキンケアになります。

一部の複雑な皮膚病を除いて、多くの皮膚病はスキンケアで治すことができます。

それは、わんちゃんの皮膚病の多くは皮膚の細菌・カビ感染とアレルギーであるからです。

アレルギーのケアとしてもシャンプーが治療として重要で、皮膚のアレルゲンを落とし、皮膚のバリア機能をあげることができるからです。

この点はまた別のコラムにまとめます。

夏の前に少しでも皆さんのお役に立ち、動物病院に来る頻度が少なく済めば幸いです。

【最新版】犬猫のアレルギー性皮膚炎の診断と新たな治療法
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