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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

子猫を保護したらどうする?授乳方法・ミルクの量・温度管理・排泄介助を獣医師がわかりやすく解説

更新日:2025/12/9

街中で仔猫を保護したり、知り合いから譲り受けたり、思いがけずお家に新たな小さな命を迎え入れることになった方も多いかと思います。

・この子は生後何週?

・まず何を買ってくる?

・何に気を付け、何をする?

「子猫を拾った」「母猫がいない子猫を保護した」
そんなときに最も重要なのが、
正しい授乳方法・体温管理・排泄介助 です。

子猫は生後1〜4週間までは非常に弱く、
わずかなミス(低体温・低血糖・脱水)でも命に関わるため、
最初の対応がその後の生存率を大きく左右します。

この記事では、
保護子猫の授乳、ミルクの作り方、頻度、量、排泄のさせ方、注意点、動物病院へ行くタイミング
を獣医師が丁寧にまとめます。

子猫を保護したら最初に確認すること

保護直後は授乳よりも 安全確認と体温管理が最優先 です。

  • 体が冷えていないか(低体温は危険)
  • 呼吸は安定しているか
  • 目ヤニ・鼻水がないか
  • ケガがないか
  • へその緒が付いているか(新生児のサイン)

※ 体温が低い子猫にミルクを飲ませるのは絶対にNG。
誤嚥(気管に入る)や消化不良で命に関わることがあります。

この仔生後何週?

まず飼い始めた仔猫の生年月日がわからないことはよくありますよね?

その見分けるポイントは、一番わかりやすいのは体重です。

仔猫は順調に成長していれば、生後2週で約250g、生後1カ月で約500g、

生後2カ月で1kgになります。つまり、毎日しっかりご飯を食べると、毎日毎日少しづつ体重は一定のペースで増えていきます。

ここは、とても大切であとでまとめます。

また、約100gほどで、目も閉じて、へその緒をついてる仔猫はまだ生まれて間もなく、生後約1週齢未満です。

哺育のためにまず準備するもの

では、この子たちを迎え入れてまず調達するものは何でしょうか?

まず、まっさきに絶対に必要なものは、湯たんぽ、吹きさらしにならない温かい寝床、猫用のミルクと哺育瓶、秤(はかり)です。

仔猫とても低体温になりやすく、低血糖になりやすいです。これが何よりも大切です。

この管理が行き届かなけれが、儚く死んでしまいます。

ご飯を食べない、衰弱している、ひどく下痢をしている、ノミがついている、

目やに鼻水がひどい場合はまず動物病院に連れてきてください。

上記が問題なければ、まず体温が低くないか確認し保温をする、この時急に体温をあげすぎるのは逆に危険ですので、

とても体温が低いときは少しずつ保温しましょう。最適な寝床の温度は約30℃前後ですが、適宜調節します。

そして、次に大切なのが哺乳です。

胃のキャパは猫100gに対して5ml前後ですのでそれを目安に温めたミルクを数時間おきに与えます。

このとき無理に入れると誤嚥といって肺の方にミルクが入ってしまうので、はじめはゆっくりしてください。

そして、正しくご飯が食べれていれば毎日10-15gずつ体重は増加しますので、

必ず毎日体重をつけて仔猫の成長日記をつけましょう。

おしっこは毎日出ますがうんちは数日に一回で構いません。

離乳しないうちは柔らかいウンチしかでません。また、小さいうちは刺激をしないとうまくだせないので、

濡れたコットンでたまに陰部をトントンと刺激してみてあげてください。

順調に500g-1か月になったらだいぶ安心、1kg-2カ月になったらもうひとり立ちは近いです。

子猫の体温管理(授乳より最優先)

子猫は自力で体温を維持できないため、
常に暖かい環境が必要です。

適正温度の目安

  • 生後0〜1週:30〜32℃
  • 生後1〜2週:28〜30℃
  • 生後3〜4週:26〜28℃

保温方法

  • 湯たんぽ(タオルで巻く)
  • ペットヒーター
  • 暖かい室内
  • 寒い日は布団の近くに置く(直熱はNG)

保温は “熱すぎない・寒すぎない” がポイントです。


子猫用ミルクの種類(牛乳は絶対にNG)

子猫には 必ず専用のミルク(猫用ミルク) を使います。

市販の人工乳

  • 粉ミルク(水で溶かすタイプ)
  • 液体ミルク(開封してそのまま使える)

牛乳や人間用ミルクは
下痢・脱水・栄養不足を起こすため危険 です。


ミルクの作り方・温度

ミルクの温度は 38〜40℃(少し温かい程度) が最適です。

作り方

  1. 説明書通りの濃さで作る
  2. 容器を軽くゆらして混ぜる
  3. 手首に垂らして温度チェック
  4. 飲み残しは捨て、新しく作る

子猫の授乳方法(正しい抱き方)

誤嚥を防ぐため、
仰向け(赤ちゃん抱き)は絶対NG

正しい姿勢

  • 腹ばい
  • 体を少し丸める自然な姿勢
  • 頭は軽く上向き

哺乳瓶の乳首は横から咥えさせるようにします。


授乳量と頻度(生後ごと目安)

子猫の体重は生後ごとに急速に変わるため、
授乳量は 体重に基づいて調整 します。

1. 生後0〜1週

  • 頻度:2〜3時間おき(1日8〜12回)
  • 量:体重100gあたり約2〜4ml/回

2. 生後1〜2週

  • 頻度:3時間おき
  • 量:体重100gあたり約4〜5ml/回

3. 生後2〜3週

  • 頻度:4時間おき
  • 量:体重100gあたり約5〜7ml/回

4. 生後3〜4週

  • 頻度:4〜5時間おき
  • 量:体重100gあたり約7〜10ml/回

※ 無理に飲ませすぎると吐いたり誤嚥の原因になります。


排泄の介助(刺激して排尿・排便を促す)

子猫は自力で排泄できません。
母猫の代わりに、人が排泄を促す必要があります。

やり方

  1. 食後にぬるま湯で湿らせたコットンを用意
  2. 肛門・陰部を優しくトントンまたは円を描いて刺激
  3. 尿→便の順で出る
  4. 出なくても無理をしない(数分以内でOK)

排泄が出ないと 便秘・膀胱トラブル・腹部膨満 につながります。


生後3〜4週で離乳準備がスタート

離乳のサイン

  • 歯が生え始める
  • ミルクを飲む力が強くなる
  • 自力で起き上がる

離乳食は
子猫用フードをミルクでふやかしたペースト状 から始めます。


子猫が示す危険サイン(緊急受診が必要)

以下の症状がある場合は、すぐ動物病院へ。

  • ミルクを飲まない
  • 下痢・嘔吐
  • ぐったりしている
  • 体が冷たい
  • 呼吸が弱い
  • お腹が膨れている
  • 体重が増えない(1日10g未満は要注意)

子猫は急変しやすく、
“元気がない=非常に危険” と考えてください。


動物病院へ行くタイミング

  • 保護したらなるべく早く
  • 体重が増えない
  • ミルク量に迷う
  • 風邪(目ヤニ・鼻水)の症状
  • 皮膚の湿疹
  • 寄生虫が疑われる
  • 元気がいつもと違う

早期ケアが生存率を大きく上げます。


よくある質問(FAQ)

Q. 子猫に牛乳をあげてもいいですか?

A. ダメです。下痢や脱水の原因になります。

Q. ミルクを飲ませてもすぐ寝てしまいます

A. 正常ですが、少量しか飲まない場合は低血糖の可能性があります。

Q. どれくらい体重が増えれば正常?

A. 1日10〜20gが目安です。

Q. お風呂に入れてもいい?

A. 体温が下がるため基本NGです。きつく汚れている部分のみ部分洗いを。


まとめ

  • 子猫を保護したら 体温管理が最優先
  • ミルクは必ず猫用を使用
  • 仰向け授乳は誤嚥の危険があるため避ける
  • 生後0〜4週は授乳・排泄介助が必須
  • 1日10〜20gの体重増加が健康の目安
  • 飲まない・下痢・ぐったりは緊急サイン
  • 早めの動物病院受診が命を救う

保護子猫のケアは難しい部分もありますが、
正しい知識があれば命を救える可能性が大きく上がります。

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ 猫に配慮したフードの考え方を見る

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