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巨大化した乳がんを乳腺片側摘出術で治療した13歳の高齢猫ちゃん

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経過

5歳ごろに避妊手術をした猫ちゃん。

12歳ごろから乳腺の一部にしこりがあり様子を見ていたが、どんどん大きくなってきて、

猫ちゃんも気にして舐めたり、出血したりし始めたみたい。

しこり

腫瘍は大きく直径10cmほどあり、表面は自壊して出血していた。

腫瘍は3cm以上のためステージングではT3(T1~3)と評価した。

細い針を腫瘍に刺して行う細胞診検査で、悪性を疑う乳腺細胞が採取され乳がんを強く疑った。

血液検査

内臓の数値=腎臓、肝臓などは異常はなかったが、

腫瘍の炎症による白血球の増加(WBC:5万)や炎症マーカー(SAA)の増加に加え、

出血や慢性的な炎症に伴う貧血(Ht25%)を認めていた。

胸部レントゲン検査

レントゲン検査では、肺は綺麗であり、転移を疑う所見を認めなかった。レントゲンでは数mmの転移は否定できないが、遠隔転移はない(M0)と評価した。

脇のリンパ節が大きく腫れておりリンパ節の転移はしている可能性が高い(N1)と考えた。

治療方針とおはなし

乳がんによって本人が痛みや不快感、貧血によるしんどさを認めていること。

また、乳がんは悪性の腫瘍なので今後進行していくことが予想されるが、すぐに命を落とす状況ではないこと。

腫瘍はどんどん大きくなり、自壊や出血で本人も飼い主様も苦しい生活になりうること。

ステージ3以上の場合はステージ1~2の猫ちゃんで期待できる根治や数年以上の余命は期待できないかもしれないが、

数ヵ月~1年以上元気に過ごすことができる可能性があること。

手術は大きな手術にはなるが、数日の周術期を乗り切れは、元気な生活が取り戻せること。

以上を飼い主様と十分に話し合い、手術を行った。

手術後

数日痛み止めの点滴を含めた入院を行った。

手術による出血により少し貧血を認めたが、回復傾向を見せ3日で退院できた。

手術後は少し活動性や食欲が落ちるが、多くは一過性であり自宅にて次第に回復した。

1週間後には抜糸を済ませた。

残った乳腺に関しては1カ月ほど体の回復を待って行うこととなった。

このように手術への検査や覚悟、乗り越える周術期の合併症や負担はあるが、

それによってしか乗り越えられないものや、乗り越えた先の生活があると思う。

さらに今後転移が出てこないために抗がん剤の治療を行うこともあり、

その甲斐あって数年間元気に過ごせることも珍しくない。

不安は多いが一歩一歩乗り越えるための一助になれば。

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