子供のうちは異物を誤飲してしまうことがとても多く、
子犬子猫の緊急手術はほとんどが誤飲です。
万が一、うちの子が誤飲したらどうなってしまうのか?
どんな経過をたどるのか。
実際にあった子猫ちゃんのお話をします。
来院までの症状
前日から1日に何度も嘔吐をしていたものの、
元気も食欲もあるため様子を見ておられました。
次の日になって、朝ごはんを食べなくなり、
食べてもないのに嘔吐があるため病院に来られました。
子猫なので体は元気で、一見病気のようには見えません。
誤飲を疑い、お話をよく聞いても心当たりはない!とのことでした。
しかし、おもちゃやヒモで遊ぶのがとても好きとのことでした。
必要な検査は?
子猫ちゃんが急に吐いて食欲が落ちるのは、極めて誤飲を疑います。
すぐに、血液検査とレントゲン検査、エコー検査を実施しました。
レントゲン検査では、明らかな異物は写りませんでしたが、
エコー検査で腸の中に異常な見え方をするもの(異物疑い)と、腸の流れが悪くなってる所見があり、
ヒモなどの異物が腸に引っ掛かっていると判断しました。
ここまでの検査で費用は2万円ほど要します。
いざ緊急手術
異物の可能性が極めて高いと説明し、緊急手術を行うこととなりました。
画像検査で異物を100%診断することは困難であり、
極めて可能性が高いと判断した場合に手術に踏み切ることとなります。
1日様子を見たらだめ?
そう思われるかもしれませんが、
異物は時間が経てば経つほど腸がダメージを受け、
壊死をすると腸を広範囲に切除しないといけなくなります。
手術を行うと、胃から腸にかけてヒモが引っ掛かり流れなくなっていたため、
腸を一部切開し摘出しました。
麻酔所要時間は約1時間です。
出てきたものは、
子供のミサンガ
でした。
飼い主にそれを伝えると、部屋に複数置いてあり、よくそれで遊んでいるが、
まさかミサンガなんて食べてはいないと思っていた。
とのことでした。
退院まで
手術後は点滴を行い、腸を休めます。
早く手術ができ、大きく腸を切らずに済んだため、
次の日から流動食を開始しました。次の日から食欲は旺盛で元気いっぱいです。
子猫子犬はしんどいときはしょんぼりしますが、原因が解除されるとすぐに元気になるのも特徴です。
その後、少しずつ与えるご飯を増やし、手術3日目に退院としました。
その後1週間後に抜糸を行い完治となります。
この程度の手術であれば後遺症は基本的にはありません。
まとめ
いつどんなことが起こるかわからないのがペットとゆうものです。
特に若い子犬子猫は、飼い主として初心者の方も多く、
予想もしないことばかりかと思います。
なるべく、注意すべきことと、起こってしまった際の流れをわかりやすくお伝えしようと思いますので、
少しでも参考に獣医と近い目線で犬猫と暮らしていただければ幸いです。
さらに誤飲に関して、詳しく知りたい方は下記のコラムを参考にしてください。
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