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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫のデンタルケア完全ガイド|歯周病予防・家庭でできるケア・動物病院での治療を獣医師が徹底解説 ~ステロイド?抜歯?~

更新日:2025/12/5

猫はとても我慢強い動物で、歯が痛くても声を出して訴えることはほとんどありません。
そのため、飼い主さんが“気づいたときには歯周病が進行していた”というケースが多くあります。

猫の口のトラブルは健康だけでなく、食欲・行動・体調全体に影響します。
しかし、正しいデンタルケアを続けることで 予防できる病気が非常に多い のも事実です。

この記事では、

  • 猫に多い口の病気
  • デンタルケアの重要性
  • 自宅でできるケア方法
  • 動物病院での専門的な処置
  • 何歳からでも始められるケアのコツ
    を獣医師の視点でわかりやすく整理しました。

わんちゃんは年を取ると歯石や歯周病が多く、

日々のデンタルケアの重要性について理解していただいていると思います。

一方で、猫ちゃんは口内炎がとても多く、若くして口内炎に頭を悩ます子が多くいます。

また、治療をしても、なかなかスッキリ治らず治療がだらだらと続いてしまうことも少なくありません。

おうちの子は歯肉が赤くなっていませんか?

ステロイドや抗生剤漬けになっていませんか?

猫に多い歯・口の病気

猫は口に関するトラブルが多く、その原因の多くが 歯垢(プラーク)→歯石→歯周病 の流れで起こります。

代表的な病気は以下のとおりです:

● 歯肉炎

歯ぐきが赤く腫れる状態。初期段階。

● 歯周炎

歯を支える骨が溶け始める進行した状態。痛みが強い。

● 猫の吸収病巣(FORL)

猫特有の歯のトラブルで、歯が溶けるように壊れていく病気。強い痛みを伴う。

● 口内炎

免疫反応・歯周病・ウイルス感染などが関与し、口の中全体が赤く腫れて強い痛みが出る状態。

● 歯石の蓄積

歯垢が硬くなり、細菌が増殖する温床に。口臭や歯周病の原因になる。

これらは進行するほど治療が難しくなるため、早期ケアが非常に大切です。

【症状】猫の口内炎って?

猫の口内炎は口の歯肉(口腔粘膜)が赤く腫れ、ただれたり(潰瘍)する病態です。

ヒトの口内炎と同じでとても不快で痛いです。

口内炎の際に認められる症状は、

・よだれ

・食事/開口の際の奇声(痛み)

・口を気にする動作

・食欲はあるのにご飯をあまり食べない

などであり、重度の場合は痩せてしまいます。

【原因】

原因として

・口腔内細菌やウイルスの関与

・免疫反応の異常


に2つが主な原因と考えられています。

若くても口内炎になる原因として、カリシウイルスや猫エイズウィルスへの感染多いと考えられています。


また、口腔内環境が悪いことや、著しい炎症の原因に対して,

過剰(異常)な免疫反応が起こっているのではないかと考えられています。

柔らかいご飯を食べてる猫ちゃんは圧倒的に歯石歯垢が溜まりやすく口腔内環境が悪くなりやすいです。

この感染と過剰な炎症の2点に対して治療を行う必要があります。

治療

治療には主に注射や内服薬による内科治療と、

歯石除去や抜歯による外科治療の2つがあります。

口内炎の原因や重症度によって内科治療と外科治療を選択または組み合わせて行います。

内科治療

まず内科治療は症状が軽度である場合や初期の治療として行うことが多く、

治療の初期は内科治療に反応することが多いです。

行う内科治療としては、

・抗菌薬

ー口腔内で繁殖する細菌に対しての治療

・消炎剤(痛み止めやステロイド)

ー口腔内の炎症や痛みの減少

・インターフェロン投与

ーウィルスの増殖の抑制

・デンタルケア

ーフード変更やサプリメントの服用

これらの内科治療は初期は一時的な改善を認められ、

病態が軽度であれば完治も見込めます。

また、痛くならないように柔らかいご飯をあげがちですが、これは逆効果です。

柔らかいご飯は歯垢と歯石を溜めやすく口が汚くなりやすいです。

なるべくデンタルケアのご飯に変えるてあげるべきです。

多くの口内炎は数週間から数か月で再発を認めることが多く、だらだらと治療を続けることも多いです。

その場合は原因次第で外科的な介入を必要とします。

外科治療

外科治療は、上記の内科治療の反応が乏しい場合や、

難治性である場合に進みます。

外科治療の目的は

・口腔内の清掃

・炎症の原因となる歯の抜歯

この2点です。

歯周病を患う多くの猫は、歯垢や歯石の貯留を認めています。

これらの歯垢や歯石が炎症を引き起こす原因となりますので、その清掃を行います。

また、猫の口内炎は自身の歯の存在に対して異常な免疫反応を引き起こすことがあるため、

その場合はその原因となる歯を抜歯します。

抜歯直後は、すぐに改善しないこともありますが、長期的には良化します。

猫の抜歯は少し難易度が高いので、抜歯を得意としている病院が望まれます。

費用はおよそ5~10万円でしょう。

デンタルフード

年齢を重ねたときの歯の良し悪しはそこまで食べてきたフードの影響を受けます。

デンタルフードは歯を物理的に研磨し、歯周病になりにくいように調整されています。

食べるだけのキレイケア『カナガンデンタルキャットフード』

なぜ猫にデンタルケアが必要なのか

猫の歯は、人間よりも歯周病になりやすい性質があります。

  • 猫は食べ物をほとんど噛まずに飲み込む
  • 唾液の性質が歯石を作りやすい
  • 口の中が乾きやすい
  • 歯垢が歯石に変わるスピードが速い

そのため 3歳以上の猫の約8割が歯周病になっている と言われています。

デンタルケアを行うことで:

  • 歯周病を予防
  • 口臭を改善
  • 痛みや不快感を軽減
  • 食欲低下を防ぐ
  • 腎臓や心臓などの全身病のリスクを下げる

といった多くのメリットがあります。

今日からできる家庭でのケア

猫のデンタルケアは「できる範囲で継続すること」が大切です。

● 1. まずは口の中を見る習慣

  • 歯ぐきの赤み
  • 口臭
  • よだれ
  • 歯の汚れ
  • 食べ方の変化

これらの小さな変化が、病気の初期サインになります。

● 2. 歯磨き(できる範囲でOK)

理想は毎日ですが、週2〜3回でも大きな効果があります。

● 3. デンタルおやつ・専用フード

噛むことで歯垢を落とすサポートになります。

● 4. デンタルジェル・口腔ケアスプレー

歯磨きが苦手な猫でも導入しやすい。

歯磨きのステップとコツ

歯磨きは“慣らすこと”が成功の鍵です。

段階的に進めるのがポイント

Step 1:口周りに触れる練習
ほっぺや口元を軽く触るところからスタート。

Step 2:指で歯や歯ぐきに触る
軽く触るだけでOK。

Step 3:ガーゼ磨き
指にガーゼを巻いてやさしく歯をこする。

Step 4:歯ブラシへ移行
猫用の小さくて柔らかいブラシを使用する。

コツ

  • 無理に口を開けさせない
  • 嫌がったらすぐやめる
  • 1~2秒の短時間でも継続する
  • 終わった後にご褒美をあげる

「楽しい習慣にする」ことが継続につながります。

歯磨きが苦手な猫への代替ケア

どうしても歯磨きができない猫はたくさんいます。
無理をすると関係が悪くなるため、できるものを選びましょう。

● デンタルガム・噛むおやつ

噛むことで歯垢の付着を減らす効果。

● デンタルフード

歯に付着した歯垢を落としやすい粒の構造。

● サプリメント(液体・粉末)

飲み水やごはんに混ぜるだけ。

● 口腔ケアジェル

歯磨きより手軽で導入しやすい。

歯磨きと同等の効果は難しくても、“何もしない”よりは確実に良くなるため、継続が重要です。

歯磨きが苦手な猫への代替ケア

どうしても歯磨きができない猫はたくさんいます。
無理をすると関係が悪くなるため、できるものを選びましょう。

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噛むことで歯垢の付着を減らす効果。

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歯に付着した歯垢を落としやすい粒の構造。

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飲み水やごはんに混ぜるだけ。

● 口腔ケアジェル

歯磨きより手軽で導入しやすい。

歯磨きと同等の効果は難しくても、“何もしない”よりは確実に良くなるため、継続が重要です。

受診の目安

以下の症状がある場合は早めに受診してください:

  • 食べにくそう・片側だけで噛む
  • よだれが増えた
  • 口臭が強くなった
  • 歯ぐきが赤い/出血する
  • 歯がぐらぐらする
  • 顔を触られるのを嫌がる
  • 体重が減ってきた

口の病気は進行が早く、痛みも強くなるため、気づいたらすぐ専門的なケアが必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 成猫からデンタルケアを始めても遅くない?
→ 遅くありません。何歳からでも始められます。

Q. どれくらいの頻度で歯磨きするのが理想?
→ 可能なら毎日、難しければ週2〜3回でも十分に効果があります。

Q. 歯石は家で取れますか?
→ 取れません。歯石は固く、除去には専用器具と麻酔が必要です。

Q. 歯磨きが苦手でも大丈夫?
→ 大丈夫です。ガーゼ磨き・おやつ・サプリなど代替方法は多くあります。

まとめ

  • 猫は歯周病になりやすく、3歳を超えると多くの猫にトラブルが出る
  • デンタルケアは「予防」と「痛みを減らす」ために非常に重要
  • 無理なく続けられるケアから始めることがポイント
  • 歯磨きが難しい猫には代替ケアを組み合わせる
  • 定期的な動物病院での検診が、健康寿命を大きく伸ばす
  • 小さな変化に気づくことが、病気の早期発見につながる

猫の口腔ケアは、猫の健康を守り、食事や生活の質を大きく支えてくれる「一生ものの習慣」です。

まとめ

猫の口内炎はとても悩ましい病気です。

痛そうな様子はとても胸が痛みます。

また、治療の手腕が問われる病気でもありますので、

だらだらステロイドや抗生剤漬けになっている猫ちゃんや、

治療しても治りが悪い猫ちゃんは歯科が強い病院に転院を考慮しましょう。

動物病院はそれぞれ強い部分と弱い部分をもってるのが事実ですので、

全ての病院が一律ではありません。

あまりに治りが悪い場合は、麻酔を恐れず外科的にしっかり治してあげるのが、

最終的には猫ちゃんの快適な生活につながります。

また、猫ちゃんは歯磨きがなかなかできないので、

なるべく歯垢や歯石がつかないような食事も検討します。

歯磨きができる猫ちゃんは市販の食事で問題ありません。

獣医師の視点で、
口腔内疾患治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶ そんな猫に配慮したフードの考え方を見る

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