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【経験談】セカンドオピニオンの大切さ~一度末期の腎不全と見捨てられた猫~

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過去に何度もお話してきたように、猫ちゃんは腎不全がとても多いです。

若くして腎不全を患う猫ちゃんも少なくありません。

しかし、同じ腎不全にも、外科治療により改善する可能性のある腎不全があります。

この腎不全は小さな病院では正しく診断できておらず、末期であると見捨てられてしまうこともあります。

そのようなまだ助かるのに末期と診断された猫ちゃんが、

セカンドオピニオンで来院され外科手術により腎不全が改善したお話をします。

腎不全発症からセカンドオピニオンへの流れ

その猫ちゃんは3歳と若いにも関わらず、

急に食欲不振と吐き気を呈して近くの動物病院に行かれました。

血液検査を行うと重度の腎不全(BUN=140、Cre=9.0)が認められました。

尿も十分に出ていないため、末期(予後不良)の腎不全と診断され点滴と利尿剤のみ行い経過を見られました。

しかし、次の日になっても数値は改善せず、尿も少なく、末期であると言われ点滴のみされていました。

藁をもつかむ思いで飼い主様は当院へセカンドオピニオンとして来院されました。

セカンドオピニオンから治療変更

まず、来院されお話を伺った時点で、末期の腎不全の可能性は低いと考えました。

理由は、3歳とゆう若さで中毒物質を食べてもいないのに末期の腎不全となる可能性は極めて低いからです。

そして、その多くの原因は尿路結石であるからです。

来院されすぐに、エコー検査によって腎臓を確認すると予想通り腎臓から膀胱をつなぐ尿管に石がつまり、

腎臓で作っている尿が流れなくなっていました。

これは、助かる命です。

しかし、緊急手術により早くに尿路を確保し、

尿を外へ出してあげなければ数日以内に亡くなってしまいます。

飼い主様に、尿路結石により重度の腎不全を起こしていることをお伝えし、緊急手術の同意を得ました。

緊急手術から回復まで

その日の夜に緊急手術を行い、詰まっている石を摘出し、

尿管にステント(ストローみたいなもの)を設置しました。

その後からすぐに、腎臓が作った尿がどんどん出てきました。これを閉塞後利尿といいます。

次の日から腎不全は日に日に改善し、手術の3日後には腎臓の数値は正常化(Cre=1.2)しました。

1週間の入院を経て猫ちゃんは元気に退院しました。

セカンドオピニオンの大切さ

医療は得意不得意があります。

ヒトの医者は、歯医者、眼科、皮膚科、耳鼻科など専門に分かれていますが、

獣医師は全ての分野を犬も猫もひとりで診ます。

そのため、必ず得意不得意が存在します

獣医師の良し悪しではありません。

おうちの子が命を左右する病気になり、治療がうまくいかなかったり、

満足できない場合は必ずセカンドオピニオンを行ってください。

本人が少しでも良くなり、飼い主様が満足されることを達成するためには必要な行程になります。

どのようなことがあっても最後まで諦めずに向き合い、治療頂ければと思います。

また今回の腎不全、尿路結石に関して下のコラムでぜひ一度正しく理解してください。

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