更新日:2025/12/6
寒くなりヒトを含め動物は水分摂取量が少なくなります。
猫ちゃんは寒くなり水を飲まなくなるとどうなるでしょうか?
冬に猫ちゃんが体調を崩し、近くの病院で毎日点滴しても腎不全が改善しない場合はセカンドオピニオンを求めましょう。
そのような猫ちゃんお話をまずします。

腎数値が下がらない原因
点滴しても数値が下がらない原因は主に2つあります。
1つは、腎臓自体のダメージが大きく回復に時間がかかる場合。
これは、十分な支持治療をしながら回復を待つしかありません。
もう1つは、腎臓の機能の問題じゃない場合です。
その多い理由が、
・尿路結石
・腎盂腎炎(尿路細菌感染症)
・腫瘍(リンパ腫が多い)
です。
この2つ目の原因の場合はどれだけ頑張って点滴をしても腎数値は十分には下がりません。
では、どうすべきでしょうか?
セカンドオピニオンの役目
セカンドオピニオンの役目は、腎不全の原因を正しく評価してもらうことです。
これは、命を左右します。
動物病院によっては血液検査だけで腎不全と診断し、ひたすら点滴を行います。
しかし、
腎不全には、点滴では良くならないタイプが少なくありません。
それを、必ずエコー検査と尿検査でも評価すべきです。
腎臓が感染している場合は抗生剤を使わないと治りませんし、
腎臓が腫瘍に犯されてる場合は腫瘍の治療、
結石がつまっている場合は外科手術をしなければ、
腎不全はよくなりません。
犬猫のセカンドオピニオンとは|犬・猫の診断・治療に迷ったときの判断ガイド~一度末期の腎不全と診断受けた猫~
猫が突然ぐったりしたり、急に食べなくなったり、呼吸が早くなると、
「この治療で合っているのだろうか?」
「他の病院にも相談した方がいいのでは…」
と不安になる飼い主の方は少なくありません。
しかし “急性症状” のセカンドオピニオンは、通常のセカンドオピニオンとは判断基準が異なります。
病気の進行が早いケースでは、
「動く前に今すぐ治療を優先すべき」
という状況もあります。
この記事では、
急性期の猫にセカンドオピニオンを考えるときの判断ポイント・危険な症状・適切なタイミング をまとめました。
急性期の猫にセカンドオピニオンは必要?
結論から言うと、
「症状の強さと進行スピード」で判断する必要があります。
猫は我慢強く、異変が見えたときにはすでに病気が進んでいることが多いため、
急性期のセカンドオピニオンは慎重に行う必要があります。
以下のようなケースでは、
・まず目の前の治療を優先すべき
・動かすことで状態が悪化する
こともあります。
絶対に“今すぐ治療優先”となる危険な症状
次の症状がある場合、
セカンドオピニオンよりも「今の病院での救急治療」が最優先です。
- 呼吸が早い・苦しそう(努力呼吸)
- 口を開けて呼吸している
- 意識がぼんやり、反応が弱い
- 嘔吐を続ける+ぐったり
- 尿が出ていない(尿閉の可能性)
- 急な麻痺・ふらつき
- 発作
- 低体温・高体温
- 脱水が強い
- 何も食べずに24時間以上(特に猫は脂肪肝の危険)
これらは 1時間単位で悪化する可能性がある状態 のため、
移動で状態が悪化するリスクが高いです。
動くより、「その場で検査と処置を続ける」ことが優先されます。
セカンドオピニオンを考えてよいケース
次のような状況であれば、
診断の整理や治療方針の再確認のために、セカンドオピニオンが役立ちます。
- 原因がはっきりせず、数日経っても改善が乏しい
- 検査をしたが診断がつかない
- 高度医療(CT・エコー専門医・集中治療)が必要か判断したい
- 追加の治療選択肢(内科・外科・腫瘍科など)を知りたい
- 提案された治療のメリット・デメリットを整理したい
特に猫は膵炎・腎不全・心疾患など、
「診断が難しい病気」が多いため、情報を整理する場として有用です。
診断が難しい猫の急性疾患の例
● 急性腎障害(AKI)
- 短期間で悪化
- 脱水と腎臓のダメージが複雑に関連
- 尿量のチェックが重要
● 急性膵炎
- 嘔吐・食欲不振のみで始まることが多い
- エコー所見がわかりづらく、再評価が必要なことも
● 心疾患
- 呼吸が早い
- レントゲン・心エコーの読影に専門性が必要
こうした疾患では、治療の方向性を決定するための“追加の視点” が役立つことがあります。
セカンドオピニオンに行く前に準備すべきもの
効率よく診察してもらうために、次を準備するのが理想的です。
- 今までの検査データ(血液・尿・画像)
- レントゲン・エコー画像のデータ
- 投薬中の薬の名前
- 発症から現在までの経過(時系列)
※準備が難しい場合、まず病院に相談すれば多くは提供してもらえます。
セカンドオピニオンを受けるときの注意点
- “治療を中断する時間” が生じないよう配慮する
- 急変しやすい猫は長時間の移動が負担になる
- 医師間で情報が共有できると治療効率が高い
- 感情的にならず、「正確な情報」を伝えることが大切
特に 急性期は1日の判断が予後に影響する ため、
「いつ行くか」の見極めが重要です。
転院とセカンドオピニオン(併診)の違い
■ セカンドオピニオン(併診)
- 今の病院を継続しつつ“意見を聞く”
- 病状整理に向いている
- 急性期の猫ではこちらを推奨
■ 転院
- 主治医を完全に変更する
- 診断や治療を一から行う必要がある
- 病院間の距離・設備差を考慮する必要あり
急性期では「併診」の方が安全なことが多いです。
よくある質問(FAQ)
Q. 今の治療に不安があります。今すぐ転院してもいい?
→ 急性期の場合、移動で悪化する可能性があり、まず現状の治療を安定させることが優先です。
Q. セカンドオピニオンを嫌がられる?
→ ほとんどの動物病院で問題ありません。治療の整理として有効です。
Q. どのタイミングで行くべき?
→ 緊急症状が落ち着いたあと、処置がひと段落したときが適しています。
まとめ
動物病院はセカンドオピニオンも重要です。
特に腎不全の場合は、数時間、数日が手遅れとなり命に関わります。
何よりもまず、この冬は腎不全にならないよう、
しっかり猫ちゃんに水を飲ませましょう。
これが1番大切です。
以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。
▶︎ 犬猫に配慮したフードの考え方を見る
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