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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

【盲点】犬猫の実は食べてはいけない食べ物~中毒症状・治療~

更新日:2025/12/9

落としてしまった果物を食べてしまった!

机の上に置いておいた餃子がなくなっていた!

このような経験をされたことはありませんか?

犬猫は身近に存在するあらゆるものを誤食する可能性があり、誤食に伴う急性の中毒はよく起こります。

犬や猫は、私たちが思っている以上に「誤食」や「中毒」を起こしやすい動物です。
チョコレートや玉ねぎだけでなく、観葉植物、薬、人間の食べ物、家の中の化学製品など、
日常の中には多くの危険が潜んでいます。

中毒の怖いところは、
“少量でも命に関わることがある” という点です。

この記事では、誤食のときに絶対に知っておくべきポイントを
獣医師がわかりやすくまとめました。

目次

発生の多い中毒の原因

中毒を引き起こす多い原因として以下のものがあります。

農薬系薬剤:昆虫駆除剤、除草剤

ヒトの食品:タマネギ、チョコレート、キシリトール、ブドウ、レーズン

自然毒:植物毒(ソテツ、ポインセチア、アジサイ、キョウチクトウ、ツツシ科植物)

↪日常よく遭遇する植物ではユリ、スズラン、スイセン、ヒガンバナ、アサガオ、たばこなど。球根もNGです。

飼い主の服用中の薬品:あらゆる薬剤が犬猫にとって中毒量になります。特に解熱鎮痛剤など。

中毒症状

中毒症状は誤食した毒・薬剤の種類や量によりさまざまです。

もっとも致死的な症状は腎障害による腎不全や神経症状です。

代表的な中毒物質の特徴的な症状を下記にまとめます。

殺鼠剤中毒の症状

摂取後1~3日後に発症し、鼻出血、口腔内出血、皮下出血、タール便、

吐血、眼底出血などを呈します。

出血した場所により症状が異なり、脳神経での出血の場合は神経症状が現れます。

チョコレート中毒

摂取数時間後に、落ち着きの消失、活動性の充進、尿失禁、嘔吐、下痢、呼吸促拍、高体温など。

摂取量が多く重度の場合は痙攣などの神経症状を呈し、死に至ることもあります。

キシリトール中毒

主に低血糖を引き起こし、ふらつきや低血糖痙攣を呈する。また、肝酵素値の上昇や凝固系の異常が認められる場合もあり、急性肝不全を引き起こす。

タマネギ中毒

最も多く遭遇しますので、下記のコラムにまとめています。

更新日:2025/12/9犬猫を飼われている方は皆さんタマネギは食べてはいけないとご存じかと思います。しかし、タマネギ以外は?どんだけ食べたら、いつ、どんな症状が出て、どうすればいいのかについてはご存じないことが多いです。[…]

ブドウ(レーズン)中毒

摂取後6~12時間で嘔吐で、下痢や腹部痛、食欲不振などを引き起こし、数日で急性腎不全になり命に関わることもあります。

除草剤など農薬系薬剤中毒

含まれる薬剤により症状はさまざまですが、よだれや呼吸困難、嘔吐、下痢や神経症状が多いです。

中毒誤食してしまったら?

中毒物質を誤食してしまった場合にすべきことは、

・全身状態の安定化

・吸収の阻害

・解毒薬/拮抗薬の投与

・排泄の促進

の4つであり、いずれも自宅でできることは少なくすぐに動物病院に駆け込みます。

最も大切なこと吸収を最小限にすることするために全力を尽くします。

その方法は、誤食を見つけた場合可能な限り早くに催吐処置、胃洗浄を行ってくれる動物病院を探すことです。

数時間経過すると中毒物質は吸収されてしまいますので、まずすぐに対応可能か動物病院に電話で事前に確認する方がいいでしょう。

拮抗薬が存在する中毒物質の場合は拮抗薬を投与しますが、拮抗薬が存在する中毒物質は限りなく稀ですのでほとんど不可能に近いです。

犬猫が口にすると危険な食べ物

■ チョコレート・ココア

・嘔吐、下痢
・興奮、ふるえ
・不整脈、けいれん

ダークチョコは特に危険です。

■ 玉ねぎ・ねぎ類(すべてNG)

・貧血
・元気消失
・尿が赤黒くなる

火を通しても危険性は変わりません。

■ ぶどう・レーズン

・急性腎不全
・嘔吐、食欲低下

致死的になることがあります。

■ キシリトール入り食品

・低血糖(数十分で発症)
・肝障害

ガム、飴、焼き菓子などに注意。

■ アルコール

・中枢神経抑制
・低体温、昏睡

少量でも危険です。

犬猫に危険な植物

中毒を起こす植物はとても多く、特に危険なのは次のものです。

■ ユリ(猫では最重要)

猫が花粉や花瓶の水を舐めただけでも急性腎不全を起こします。

■ ポトス・ディフェンバキア

口の粘膜が腫れる、痛み、よだれ。

■ チューリップ・スイセン

嘔吐、下痢、震え、心臓症状。

■ アロマオイル(猫)

精油成分の代謝ができず、肝障害や神経症状を起こすことがあります。

危険な薬・化学製品

■ 飼い主さんの薬(人間の薬)

・睡眠薬
・抗うつ薬
・鎮痛剤(イブプロフェンなど)
→ 嘔吐、神経症状、肝腎障害

犬猫と人間では安全量が大きく異なるため「1錠でも危険」なものがあります。

■ 防虫剤・殺虫剤

→ けいれん、呼吸異常など

■ 洗剤・漂白剤

→ 口腔の痛み、嘔吐、胃腸障害
無理に吐かせてはいけません。

中毒時に見られる症状

食べた物によって症状は異なりますが、共通して以下がよく見られます。

・嘔吐、下痢
・よだれが増える
・ふらつき、転ぶ
・興奮またはぐったり
・震え、けいれん
・呼吸が早い、苦しそう
・心拍の異常
・黄疸
・尿量の異常(多い/少ない)

特に 突然の変化 は中毒の強いサインです。

絶対にやってはいけない応急処置

以下は危険なため行ってはいけません。

■ ① 自宅で「吐かせる」

誤嚥や食道炎を起こす危険があり、
獣医師の指示がない限り絶対にNG です。

■ ② 様子を見る

中毒は進行が早く、数時間で重篤化します。

■ ③ 水や牛乳を大量に飲ませる

化学製品の場合、逆に悪化することがあります。

■ ④ アロマやハーブで解毒しようとする

症状を悪化させることがあります。

正しい応急処置(動物病院に電話するまでにやること)

  1. 食べた物の名前・量・時間 を把握する
  2. 包装(袋)の写真を撮る
  3. 落ちていた破片、残りの量を確認する
  4. 可能なら口の中に付着物がないか確認
  5. すぐ病院へ連絡し、指示を受ける

中毒は「食べた時間」も重要なため、記録が役に立ちます。

動物病院で行う治療

中毒の内容によって治療は大きく異なりますが、代表的なものは次の通りです。

■ 催吐(安全が確認できるケースのみ)

食べてすぐの場合に限り行うことがあります。

■ 活性炭の投与

毒物の吸収を抑える処置。

■ 点滴治療

腎臓・肝臓の保護、体内の毒物排泄を助ける。

■ 内服薬・注射薬

症状に応じて使用。

■ 入院管理

特にユリ中毒、キシリトール、ぶどう中毒は入院が必要になることがあります。

中毒は「早いほど助かる確率が上がる」ため、
気づいたらすぐに受診することが重要です。

家の中で誤食を防ぐコツ

・チョコ・ガムは高い棚へ
・玉ねぎ類は調理前後も要注意
・観葉植物は猫が届かない所に
・薬は必ずケースに入れて保管
・洗剤・漂白剤は密閉する
・テーブルの食べ残しは置かない
・来客時の食べ物にも注意

犬猫は予想以上に器用に袋を開けたり、棚に登ったりします。
環境づくりが最も有効な予防方法です。

家の中で誤食を防ぐコツ

・チョコ・ガムは高い棚へ
・玉ねぎ類は調理前後も要注意
・観葉植物は猫が届かない所に
・薬は必ずケースに入れて保管
・洗剤・漂白剤は密閉する
・テーブルの食べ残しは置かない
・来客時の食べ物にも注意

犬猫は予想以上に器用に袋を開けたり、棚に登ったりします。
環境づくりが最も有効な予防方法です。


【見出し】よくある質問(FAQ)

Q. どのくらい食べたら危険ですか?

→ 物によって“少量でも危険”なものがあります(チョコ、玉ねぎ、ユリ、キシリトールなど)

Q. すぐ症状が出ないけど大丈夫?

→ 腎臓や肝臓の中毒は「数日後に悪化する」ことがあります。

Q. 何を食べたかわからない時は?

→ 嘔吐物や便、口の匂い、残っている袋などすべて情報になります。

Q. 自宅でできる応急処置はありますか?

→ 原則ありません。まず動物病院に連絡してください。

まとめ

・犬猫は誤食しやすく、中毒は生命に関わることがある
・チョコ、玉ねぎ、ぶどう、キシリトール、ユリ、薬品は特に危険
・自宅で吐かせるのは危険なのでNG
・食べた時間・量を把握してすぐ動物病院へ連絡
・治療は早いほど予後が良い
・家庭環境の工夫が最も効果的な予防方法

犬猫の中毒は軽度の症状で済む場合もあれば、若くして命を落とすことも少なくありません。

その危険性を左右するのは、食べてしまった中毒物質の種類、量、初期対応速さによりさまざまです。

犬猫は自分にとって有害かどうかを判断し、食べるか否かを考えることはできません。

今回多くの中毒物質をご説明しましたが、私たちの身の回りは犬猫にとって中毒となりうるものにあふれています。

タマネギを食べてはいけないことは皆さんご存じなので、臨床上実はあまり大ごとになりません。

過去に中毒で亡くなってしまった子たちは、ユリの花粉を舐めただけであったり、飼い主の痛み止めをひとつ飲んだだけなど、

あまり知られておらず重く考えないところに落とし穴があります。

犬猫の正しい知識をもって日々生活していただくことの重要さを思い知らされます。

少しでも参考にしていただければ幸いです。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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