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上顎の扁平上皮癌を外科切除し完治した犬

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犬が高齢になると口の中にできものができることは少なくありません。

犬の悪性の口腔内腫瘍にはトップ2が存在し、

ひとつは有名なメラノーマ(悪性黒色腫)で、

もうひとつは扁平上皮癌です。

扁平上皮癌は早期に発見し外科的切除を行うことで完治することも可能です。

扁平上皮癌とは?

扁平上皮癌は口腔の粘膜を構成する扁平上皮が腫瘍化したものです。

メラノーマが早期に肺など転移する一方で、

扁平上皮癌は転移はしにくい代わりに深く深く浸潤し、骨を壊すことが多い腫瘍です。

そのため、多くの子では早期に顎の骨の骨破壊が発生し強い痛みを引き起こします。

症状と肉眼(外貌)

前述のとおり扁平上皮癌の症状のメインは痛みと口からの出血やよだれです。

見た目は、メラノーマが黒色のできものに対して、

扁平上皮癌は下の写真のようなピンク色をしています。

この子は口の痛みにより食欲が低下し口のなかを覗くことで見つかりました。

診断

診断には細い針を用いた細胞診検査を実施し仮診断したのち、生検検査を行うことで確定診断されます。

多くの扁平上皮癌は診断された時点で骨を破壊していることが多いので、レントゲンやCT検査も併せて行います。

この腫瘍は数週間もあればどんどん進行しますので、早くに診断治療を行います。

治療選択肢

扁平上皮癌の治療選択肢は

①外科的切除

②放射線治療

③抗がん剤(パラディア、カルボプラチン)

がありますが、可能な限り外科的な切除が望まれる腫瘍です。

その理由は、転移が少なく、局所で悪さをする腫瘍だからです。

この子も、症状が出て2週間で細胞診と生検検査で診断し、CT検査で腫瘍の広がりを確認したのち外科的な切除を行いました。

下は外科的な切除後の写真です。

この切除によってこの子は扁平上皮癌を完治し、その後も元気に過ごしています。

手術の有無にかかわらず、強い痛みが避けれない腫瘍になるので、なにより鎮痛治療が大切になりますので、

手術をする前、しない場合には下記の内容を参考にしてください。

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