外出自粛が続きストレス社会が続いていますが、お家にわんちゃんがおられる方は大きな大きな癒しのなか、
いつもより触れ合いが増えていることと思います。
そのなかでわんちゃんの皮膚に今まで気づかなかったできものを見つけたり、
昔からあるできものが大きくなってきたような気がすることがあるかもしれません。
今回は①犬にできるできものの様子の見方、②比較的多い脂肪腫について、どうするべきなのか、また③手術の是非についてお話しします。
できものを見つけたら?
まず、わんちゃんの体には脂肪腫含め良悪さまざまなできものができます。
なので、皮膚にできている柔らかいできもの=脂肪腫とは考えてはいけません。
できものを見つけた際まず気を付けて見ていただきたいことは
・見つけた時から1カ月以内に増大しないか
・数か月存在し続けていないか
・大きくないか
の3点です。まず悪性の腫瘍の場合は上記を満たし、特に増大するスピードは早いできものは注意が必要です。
わんちゃんの皮膚にできやすい悪性腫瘍に関してはまた別のコラムでまとめます。
脂肪腫は良性腫瘍であるにもかかわらず、おおきくなり、ずっと存在し続けるため経過だけでは判断が難しいかもしれません。
少し経過を見たうえで上記のどれかまたはすべてを満たす場合は一度動物病院を受診し細胞診検査をしてもらいましょう。
細胞診検査はできものに細い針を刺して細胞を採取し顕微鏡で見る検査で、多くの場合動物への侵襲は低く、
時間として30分前後、費用としても3000円前後で終わります。
細胞診をすると脂肪腫は↓のように脂肪滴がとれてきます。
脂肪腫とは?どうする?
お家で脂肪腫かどうかの判断は基本的にできませんが、
獣医師が脂肪腫の可能性が高いと判断するのは、
・脂肪と同じくらいぷにゅぷにゅして柔らかい
・皮膚の外ではなく、皮膚の下に触れる
・昔から存在しており、急な大きさの変化はない(年単位では増大していく)
この3点をすべて満たすか考えます。
そして、細胞診にて先ほどのような脂肪が取れた場合、脂肪腫と仮診断し経過観察を行います。
【犬を預かる在宅でできる副業】脂肪腫の手術
脂肪腫と診断がついた場合、基本的には手術は必要ありません。
脂肪腫は良性の腫瘍であり、転移や命に関わることがなく、
また、脂肪腫ができやすい子は、複数できていたり、ひとつとってもまたすぐに違うところにできることが多く、いたちごっこになるためです。
しかし、手術を考えないといけない場合もあります。それは、脂肪腫の場所や大きさによって本人の生活に影響を与える場合です。
例えば、脇の下にできていて、大きくなりすぎて歩きづらいとか、筋肉の間にできて(筋間脂肪腫といいます)痛みを伴うなどです。
その場合は、本人の生活の質を守るために手術を行います。
脂肪腫の場所、大きさにもよりますが、手術は基本的に短時間で終わり、
1週間ほどで抜糸をすれば完治します。費用はおよそ総額3~5万円が相場でしょう。
まとめ
わんちゃんは良悪さまざまなできものができます。ネットには様々な情報が入り乱れ、不安をあおられることも多いかもしれません。
しかし、犬の皮膚のできものは60~80%は良性です。適切に観察を行い、診断および治療を行うことで命に関わらないことがほとんどです。
今後、その他の皮膚のできものに関してもお話しする予定ですので、
皆さまの不安を取り除き、わんちゃんが適切な治療を受けていただくことを願っています。
このサイトでは、日々よく起こりうることで皆様に知っていていただきたい知識をかいつまんでお伝えしていきます。
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