犬猫は可愛がれば可愛がるほど太ってしまいます。
昔飼っていた犬も実家に5日間預けただけでひと回り大きくなって帰ってきました。
わんちゃんも猫ちゃんも肥満気味の子が大半で、よく飼い主様からのお悩み相談をお受けします。
・ご飯の量減らしているのに減らない
・診察の体重計に乗るたびになぜか増える体重
・この子は何グラムごはん食べればいいですか❔
見た目は可愛く、可愛がっていただいている証ですが、動物は栄養過多に弱く様々な病気につながってしまいます。
今回は正しく体を評価し、栄養管理するために適切な食事の管理・計算方法をお教えします。
お家でできる肥満度チェック
飼い主様から理想体重をよく聞かれますが、理想体重はその子その子で異なります。
同じトイプードルでも6kgで理想体型の子もいれば肥満の子もいます。
それは骨格や筋肉量による差です。
まずはうちの子が肥満なのか肥満気味なのかを正しく評価し、理想の体重と食事量計算をしていきます。
肥満度チェックを下のコラムでまず行ってください。
うちの子の肥満度チェック
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肥満につながる3つの要因
まず、肥満になるのは食事のせいだけではありません。
肥満につながる要因は大きく分けて3つあります。
動物個体の問題
・年齢
・生理的な状態(避妊手術後など)
・病気(甲状腺機能低下症など)
食事内容
・栄養組成(太りやすい食事)
生活環境
・食事頻度や時間
・おやつ
・運動量
・生活環境や同居動物
これらさまざまな要因が絡みあって今の体型が成り立っています。
そのため、食事を適切に管理できていてもうまく痩せれないことは存在し、飼い主様の責任ではありません。
しかし実際に飼い主様に食生活を伺うと、
9割以上の場合は、おやつや間食含めた栄養過多によって肥満になっており、
正しく食事管理や食事量計算ができていないことがほとんどです。
なので、まず必要な食事量計算の方法をお伝えします。
理想の食事量計算方法
まず理想の食事量は体重を用いてカロリーで計算します。
電卓を準備してください。
まず、安静にしている(運動なし)時に、
その体重を維持するために1日に必要なカロリー(RER)を計算します。
簡易な計算方法である
1日必要カロリーRER = 30 ✖ 体重 + 70 kcal
で、まず安静時カロリー(RER)を求めます。
つぎに、その子の状態に合わせて以下の係数を掛けます。
犬の場合
・成長期 2. 5倍
・維持期 1.8倍
・肥満/高齢 1.4倍
猫の場合
・成長期 2.0倍
・維持期 1.4倍
・肥満/高齢 1.0倍
例えば、、
5Kgの犬が肥満で減量したい場合は、
RER=30 ✖ 5kg + 70 =220kcal
肥満係数を掛けて 220 ✖ 1.4 =308kcal
なので、運動をしながら1日合計308kcalの食事量にすれば計算上少しずつ痩せることになります。
しかし、これはあくまで理論上の計算なので、まずこの数字を参考に食事量を調整し、1ヵ月ごとに体重を測定し微調整します。
1日合計なので、間のおやつも含めたカロリーであることに注意します。
肥満傾向の子はヒトのご飯やおやつなどがカロリーオーバーの原因であることが明らかになります。
イギリス産高級グレインフリーキャットフード『カナガン』まとめ
食事内容や食事量は動物と生活するうえでとても大切になります。
それは、動物はヒト以上に”今を生きる”生き物であり、人生の最大の楽しみと目的のひとつは食事であり、
その食事がそのまま健康状態に反映されるからです。
また、自分でその食事量や内容を制御することができないので、
感覚ではなく、いかに理論に基づいて食事管理をしてあげられるかは、飼い主として最低限の役割になります。
おやつで可愛がるあまり、肥満になり糖尿病や熱中症を引き起こすことは短命に繋がります。
この計算式は、知識として知られてないことが多いのでお伝えしました。
具体的な食事管理の方法
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