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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫が水を飲まない・飲む量が少ない原因と対策|腎臓病・脱水の危険性と家庭でできる工夫を獣医師が詳しく解説

更新日:2025/12/6

2025年最新版】猫が水を飲まない・飲む量が少ない原因と対策|腎臓病・脱水の危険性と家庭でできる工夫を獣医師が詳しく解説

更新日:2025/○/○

猫はもともと「水をあまり飲まない動物」です。
そのため、気づかないうちに 脱水 が進み、
腎臓病・尿路結石・膀胱炎などの病気につながることがあります。

「最近水を飲む量が減った」
「まったく飲まない時間が続く」

このような場合、早めに原因を見極めることがとても大切です。

この記事では、
猫が水を飲まない理由・危険なサイン・対策方法・受診の目安 を獣医師の視点で解説します。

毎日数多くの猫ちゃんを診察していますが、調子を崩す原因や、年齢を重ね命に関わるのは大半が尿路疾患です。

腎臓と尿路を守ることが直接猫ちゃんの長寿につながるといっても過言ではありません。

その理由は、

・猫はもともと乾燥地帯の生き物で水をあまり飲まない

・トイレが神経質であり尿路疾患になりやすい

・腎臓は左右2つあるので元気いっぱいでも気づかずに腎不全が進行している

などのために脱水しがちであり腎臓や尿路の問題を引き起こしやすくなるのです。

10歳まで尿路の問題や腎臓の問題を引き起こさずに過ごせている猫ちゃんは、

飼い主様の管理・飼い方が極めて適切であるといえます。

つまり、この疾患は飼い方で人生が変わる病気のひとつです。

今回はそのなかで、猫にいかにして水を飲ませるか、についてお話ししますので、この機会に生活環境を見直すきっかけにしてください。

猫はもともと水をあまり飲まない動物

猫は砂漠出身の動物で、
水をあまり飲まなくても生きられるように進化しています。

しかし現代の猫は、

  • 室内飼い
  • ドライフード中心
  • 運動量が少ない

といった生活のため、
慢性的な水分不足になりやすい のが問題です。

飲水量が少ないと、次の病気のリスクが高まります。

  • 腎臓病
  • 尿石症(結石)
  • 膀胱炎
  • 尿閉(特にオス猫で危険)

猫が水を飲まない原因

飲まない理由は大きく以下に分かれます。


■ ① 単純に「水が気に入らない」

猫は非常にこだわりが強い動物です。

  • 器が気に入らない
  • 置いている場所がイヤ
  • 水が古い
  • 他の猫と共有したくない
  • 器の材質がダメ(プラスチックのにおいなど)

器を変えるだけで飲むようになることもあります。


■ ② 体調不良(病気)

水を飲まない原因として最も注意すべき点。

  • 腎臓病の初期
  • 尿路閉塞(飲みたくても吐き気で飲めない)
  • 膀胱炎
  • 胃腸炎
  • 脱水状態
  • 歯の痛み(飲むと痛い)
  • 発熱
  • 口内炎

病気で水を飲めていない場合は、対策より治療が必要です。


■ ③ ストレス・環境の変化

  • 引っ越し
  • 新しい猫の追加
  • 来客
  • 大きな物音
  • トイレが汚い

猫は環境の変化に非常に敏感です。


■ ④ 老化

高齢になると

  • 喉の渇きへの反応が鈍くなる
  • 動くのが億劫になる
    ため飲水量が減りがちです。

危険な脱水のサイン

猫は体が小さく、脱水が進むと急に悪化することがあります。

以下が見られる場合は要注意です。

  • 皮膚をつまんでも戻りが遅い
  • 歯ぐきが乾いている
  • 元気がない
  • 目が落ちくぼんで見える
  • 嘔吐・下痢が続く
  • トイレの量が極端に少ない
  • まったく飲まない状態が12〜24時間以上続く

脱水は腎臓に負担をかけ、症状を重くします。

すぐ受診すべき状況

次の状況の場合は“自宅の工夫より先に病院へ”が安全です。

  • まったく水を飲めていない(12〜24時間以上)
  • 嘔吐・下痢が続き水分が失われている
  • 尿がほとんど出ていない
  • 痛がる・ぐったりしている
  • 口内炎で口を開けたがらない
  • オス猫で排尿の様子がおかしい(尿閉の可能性)
  • 高齢猫で食欲と飲水量がどちらも落ちている

腎不全・尿閉・重度脱水など、緊急治療が必要な場合があります。

家庭でできる水分摂取の工夫(飲ませ方)

猫が喜ぶ「飲み方のこだわり」を活かすのがポイントです。


■ ① 器を変える

猫の好みが強く出るポイント。

  • 陶器
  • ガラス
  • ステンレス

プラスチックはニオイが気になることがあります。


■ ② 器の位置を変える

  • 静かな場所
  • トイレや食事場所から離す
  • 高い位置に置くと飲むこともある

■ ③ 複数の水飲み場を設置

1部屋に1個が理想。


■ ④ 自動給水器(ウォーターサーバー)を使う

流れる水を好む猫は非常に多いです。

  • 自動給水器

■ ⑤ ウェットフードを増やす

食事から水分を摂らせるのが最も簡単です。

  • ウェットフード = 約70%が水分
  • ドライフードだけの子には特に有効

■ ⑥ スープ系のおやつを使う

  • 水分補給に最適
  • 嗜好性が高い


■ ⑦ ぬるま湯にする(冬場)

冷たい水が苦手な猫も多いです。


■ ⑧ フードに水をかける

ドライフードに少量の水を混ぜるだけでも摂取量が増えます。

水飲みが増えるおすすめアイテム

  • 自動給水器(循環式)
  • フィルター交換式ウォーターサーバー
  • ステンレスや陶器の水飲み器
  • ウェットフード
  • ちゅーる系スープおやつ
  • 水分補給サプリ
  • 腎臓サポートフード(高齢猫向け)

水入れの容器

まずポイントは猫は千差万別であることを心得ることです。

一般的な猫の嗜好はありますが、実際その子によって異なります。

容器はいろいろな形状を試して最も飲みやすいものを探ります。

一般的には、

・プラスチック容器

ガラスや金属、セラミックは嫌がる猫ちゃんが本当は多い。

・平べったくて、広い容器

猫はひげが当たるのを嫌がりますし、頭を突っ込まなくても飲めるものを好みます。

・タンブラータイプを好む子もいる

これらの容器に常に水はいっぱいにしておきます。

水入れの数

猫ちゃんは日中あらゆる場所をうろちょろします。

そのため、水入れは可能な限りあちこちに用意し、

飲みたいときにすぐに飲めるようにします。

また、多頭飼いの猫ちゃんは、なおさら多くの水入れをあちこちに配置しましょう。

これはトイレと同じで猫ちゃんは水もかなり神経質なので、ほかの猫ちゃんが汚した水を飲みたがらなかったりもします。

水入れの場所

猫ちゃんは落ち着いた場所で水は飲みたいので、水飲みの置く場所も重要です。

まず、食器とは離して置き、

静かな場所に複数設置します。

おうちの中で猫ちゃんが普段から落ち着く場所を見つけ、そこに水を設置するようにします。

水の種類

猫の水の成分はとても大切です。

それはミネラル成分によって尿の性状や結石の形成に影響するためです。

基本的には水道水よりもミネラルウォーターや市販の水が好ましいです。

理由は、水道水は地域によりミネラル成分に差があり結石生成等に影響を与えるためです。

その他の水を飲ます工夫

その他に、水を室温に温めることで違和感をなくしたり、

猫によっては流水を好むことがあるのでその場合は流れる容器を用いることもひとつです。

また、WETフードを食べている猫の方が水分摂取量が断然に多くなりますので、WETフードを増やしたり、フードをふやかすのもいいです。

動物病院で行う検査

飲水量低下が続く場合は、病院で次の検査を行います。

  • 血液検査(腎臓、肝臓、電解質)
  • 尿検査
  • エコー(腎臓・膀胱の評価)
  • レントゲン(結石・尿閉の確認)
  • 口腔内のチェック(口内炎・歯痛)

特に 高齢猫では腎臓病が隠れていることが多い ため、定期健診がおすすめです。

まとめ

猫はもともと水を飲む量が少なく、脱水になりやすい

飲水量低下は 腎臓病・尿路結石・膀胱炎 のリスクを高める

水を飲まない原因は、器・環境・ストレス・老化・病気など多岐

危険な脱水のサインは早期受診が必要

自宅では「器・場所・ウェット・自動給水器」の工夫が有効

病気が隠れていることも多いため、高齢猫は特に注意

水飲み改善アイテムは複数併用が効果的

猫に水を飲ますことは簡単そうでとても難しいです。

しかし、日常からいかに水分摂取できているかで

猫ちゃんの人生=腎生は変わります

いきなりすべてを変える必要はありませんが、この正しい知識をもって、

この機会に一度おうちの猫ちゃんの水回りと食事内容を見直し、

快適におしっこをして過ごしていただけたら幸いです。

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ 猫に配慮したフードの考え方を見る

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