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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫のヘルペスウイルス(FHV-1)とは?症状・治療・再発予防を獣医師がわかりやすく解説

更新日:2025/12/9

猫ちゃんで目やにや鼻水、くしゃみがでたことはありますか?

多くの方がいずれかの症状を経験されたことがあると思います。

猫ちゃんの目やにやくしゃみは9割近くがヘルペスウィルスが関与していると言われています。

このヘルペスウィルスは一度感染し、症状が出始めるとなかなか治らなかったり再発を繰り返したりします。

ヒトでは口の口唇ヘルペスが聞きなじみがありますが猫ちゃんはまた全く異なる症状を引き起こします。

では、そのヘルペスウィルスは猫ちゃんにどのようにして感染し、どのような症状に気を付け、どのような治療が必要かご存じでしょうか?

猫のヘルペスウイルス(FHV-1)は、
くしゃみ・鼻水・涙・目やに・結膜炎など「上部気道感染(猫風邪)」の主要な原因となるウイルスです。

一度感染すると体内に潜伏し、
ストレス・環境の変化・体調不良などをきっかけに再発する特徴 があり、
特に目のトラブル(結膜炎・角膜炎)が長期化することもあります。

この記事では、猫のヘルペスウイルスについて

・症状
・検査
・治療
・再発予防
・家庭でのケア

を獣医師がわかりやすく解説します。

どうやって感染するの?

主な感染経路は以下です。

・くしゃみや鼻水の飛沫
・目やに・唾液
・同居猫との接触
・汚れた食器、トイレ、毛布

子猫が母猫から感染するケースも多く見られます。

猫ヘルペスの検査方法

診断は以下の組み合わせで行われます。

■ ① 身体検査・症状からの診断

典型症状が多く、臨床的に判断できるケースが多いです。

■ ② PCR検査

目や鼻のぬぐい液からウイルス遺伝子を確認します。

■ ③ 角膜の検査

傷の有無(フルオレセイン染色)で重症度を判断します。

治療方法(症状・重症度別)

ヘルペスウイルスそのものを完全に消す治療はありません。
ウイルス量を減らし、症状を抑え、再発しにくい状態を作ることが目的 です。

治療は症状に合わせて組み合わせます。

猫のヘルペスウイルス(FHV-1)とは?

猫のヘルペスウイルス(FHV-1)は、主に目・鼻・喉に感染するウイルスで、
いわゆる「猫風邪」の代表的な原因です。

特に下記が多く見られます。

・結膜炎
・角膜炎
・上部気道炎(くしゃみ・鼻水)

一度感染した猫の多くは、ウイルスが神経に潜伏し、
ストレスや季節の変わり目などで再発を繰り返すことがあります。

どんな症状が出るのか?

猫ヘルペスの症状は目と鼻に強く出ます。

■ 目の症状

・涙が増える
・白っぽい/黄色い目やに
・結膜の赤み(充血)
・まぶたの腫れ
・目を細める
・角膜に傷(角膜潰瘍)

角膜まで炎症が広がると、痛みで目を開けられないことがあります。

■ 鼻・口の症状

・くしゃみ
・鼻水
・鼻づまり
・食欲低下(匂いを感じづらい)
・よだれ

■ 全身症状

・元気がない
・発熱
・脱水

子猫や高齢猫では重症化しやすいため注意が必要です。

猫ヘルペスウィルスはどう感染する?

猫のヘルペスウィルスは冬に多いですが基本的に年中発生します。

感染経路は、感染猫との舐めあいや食器の共有などの直接接触感染と、

服や飛沫などを介した間接接触感染があります。

一般的には同じ部屋に居ても離れていれば感染は稀ですが、向かい合っていると感染します。コロナと同じイメージです。

また、これらのウィルスはほとんどノラ猫に由来するとわかっています。

感染後の症状

感染した猫と接触するとウィルスは口、眼、鼻の粘膜から体に侵入し、

侵入したウィルスは鼻の粘膜や扁桃、眼で増殖し症状を引き起こします。

特徴的な症状は、

透明~膿性鼻汁を伴うくしゃみ

・結膜炎や角膜炎など目の不快感や目やに

この2つの症状が両方または一方が頻発します。

多くの場合は、ヘルペスウィルス感染に加えてクラミジアなどの細菌が二次感染し症状が悪化します。

治らない?

ヘルペスウィルスはなかなかすっと完治してくれません。

その理由は2つあります。

一つはヘルペスウィルスは感染すると三叉神経と呼ばれる顔の神経に潜伏感染するためです。

一度ヘルペスウィルスに感染した猫はほとんどの場合キャリアとなり、

ヒトにおいても免疫力が低下した際に口唇ヘルペスが出てくるのと同様に、

潜伏して潜んでいるウィルスが再度活性化し、免疫力が低下すると症状を繰り返します。

二つ目の理由は、ウィルスに効果が高い治療薬が存在していないためです。

その理由は次の治療ところで説明します。

治療

まず、ウィルスをやつける治療薬は存在しません。

この感染症の治療のメインの治療は、二次感染の治療支持治療になります。

まず、このヘルペスウィルス感染症の場合は二次感染を伴うことで症状が悪化しますので抗生剤の点眼および状況により抗生剤の内服を行います。

二次感染が真菌(カビ)の場合は抗真菌薬の投与を行います。

ウィルスに関しては、ウィルス増殖を抑制する内服薬(ファムシクロビル)および点眼薬も存在していますが、抗生剤のように著効するわけではなく補助的に用います。

基本的には本人の免疫力を高め、二次感染治療を支持治療を行い、ウィルスが消失するのを待つことが基本治療となります。

① 目の治療(結膜炎・角膜炎)

・抗ウイルス点眼
・抗菌点眼(細菌の二次感染予防)
・角膜保護剤
・痛み止め
・必要に応じて内服薬

角膜に傷がある場合は早めの治療が必須です。

② くしゃみ・鼻水への治療

・抗菌薬(細菌感染がある場合)
・ネブライザー(蒸気吸入)
・点鼻薬
・鼻づまり改善の薬

鼻が詰まって匂いがわからなくなると食欲が落ちるため、サポートが必要です。

③ 抗ウイルス薬(内服)

重症例や再発を繰り返す猫では、抗ウイルス薬(内服)を使用することがあります。

④ 栄養管理・脱水補正

・食べやすいフード
・温めたフードで匂いを強くする
・水分補給
・点滴(脱水がある場合)

体力を落とさないことが回復の鍵になります。

再発を防ぐためにできること

猫ヘルペスは「ストレスで再発しやすい」病気です。

以下は予防に非常に効果的です。

■ 環境ストレスを減らす

・急な環境変化を避ける
・引っ越し・新しい猫との同居は慎重に
・騒音や寒暖差を減らす

■ 空気の乾燥を避ける

加湿は粘膜のバリアを守るために重要です。

■ 定期的なワクチン接種

症状の重症化を防ぐ効果があります。

■ 栄養管理

シニアや子猫は特に栄養不足が悪化要因になります。

自宅でできるケア

・目やには無理にこすらず、優しく拭く
・温かい蒸しタオルで鼻周りを保湿
・フードを温めて匂いを強くする
・部屋の温度を安定させる
・水分量を増やす(ウェットフード併用)

症状が長引く場合は、再発だけでなく別の病気(クラミジア、マイコプラズマ等)が隠れていることもあるため再診が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. ヘルペスウイルスは治りますか?

→ 完全に消失することは少なく、潜伏し再発することがあります。

Q. 他の猫にうつりますか?

→ はい。複数飼育では特に注意が必要です。

Q. 人には感染しますか?

→ 猫のヘルペスウイルスが人にうつることはありません。

Q. 一生薬が必要ですか?

→ 再発が頻繁な猫では継続治療を行う場合もありますが、個体差があります。

まとめ

・猫ヘルペスウイルスは「猫風邪」の主要な原因
・目(結膜炎・角膜炎)、鼻(くしゃみ・鼻水)の症状が目立つ
・一度感染すると体に潜伏し再発しやすい
・治療は抗ウイルス・抗菌点眼、鼻づまり治療、栄養管理が中心
・ストレス管理と環境整備が再発予防の鍵
・重症例は早めの動物病院受診が重要

猫のヘルペスウィルス感染症はほとんどの猫ちゃんは感染を経験し、特に外からの保護猫ちゃんはほぼ100%近くヘルペスウィルス感染症を持っています。

ヘルペスウィルス感染症は感染して命に関わるような怖い感染症ではありませんが、

ケアをせずに放置をすると失明したり、眼を失ってしまう可能性がある病気です。

また、猫ちゃんにとって食欲と呼吸にとって鼻の通りが極めて大切になりますので、鼻炎はとても生活の質を下げてしまいます。

免疫力アップのための栄養管理

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ に配慮したフードの考え方を見る

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