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猫の骨肉腫~手術と予後~

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わんちゃんにおいては骨肉腫と呼ばれる腫瘍はよく遭遇しますが、

猫においては非常に稀です。

しかし、骨の悪性腫瘍が発生した場合はその8割近くは骨肉腫であると言われています。

今回は猫の骨肉腫についてお話しします。

症状と発生部位

猫の骨肉腫は、四肢や頭蓋骨、口腔内、骨盤で発生が報告されています。

最も発生が多いのは肩甲骨付近であると言われています。

症状は、基本的に痛みや跛行です。

骨の腫瘍は極めて強い痛みを呈しますので、肢を引きずったりすることで症状に気づくことができます。

猫の場合は、症状が進行してから腫瘍が見つかることも多く、

動物病院で診断される頃には大きな腫瘍になっていることも少なくありません。

治療と予後

治療を考える際のポイントは、猫の骨肉腫は犬と比べて転移率が低いということです。

つまり、もし早期発見であり、転移がなく手術で摘出可能であれば根治することもできるということです。

そのためにまず、レントゲンやエコー検査、CT検査を行い全身をくまなく確認し転移がないか確認します。

転移がなかった場合は腫瘍の切除を検討します。

ここでのポイントが、四肢に多く発生する骨肉腫を根治するためには断脚(片足を失う)を余儀なくされるということです。

骨肉腫のような悪性の腫瘍は最小限の傷で切除を行っても必ず再発してしまいます。

そのため根治を目指すのであれば肢を失う覚悟が必要です。

ここでのポイントは、猫が可愛そうで断脚を行わない場合は、

骨の腫瘍がどんどん大きくなり、日々骨の痛みが増していくばかりで余計にかわいそうな日々が待っているということです。

そのため、もし転移がなかったのであれば長く一緒に居れる可能性がある腫瘍なので、

断脚は猫ちゃんのことを思い前向きに考えてあげることも必要です。

断脚以外の治療選択肢

断脚以外にできることとしては、

・放射線治療

・転移している際の抗がん剤治療(カルボプラチン、アドリアマイシン)

・疼痛緩和治療

です。

しかしこれらの治療で根治は不可能であり、痛みをとってあげる効果は限定的です。

最大の鎮痛緩和治療も断脚であると考えられています。

ただ、飼い主様としても悩ましい決断だとも思います。

猫ちゃんは断脚によって3本足になっても、たとえ2本足になっても生活の質は低下せず過ごすことができます。

断脚治療で悩まれている際はぜひご相談ください。

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