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犬の膀胱移行上皮癌/腫瘍の症状・手術・余命

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膀胱の腫瘍は尿路(尿の通り道)にできる腫瘍の約7割を占め、

とてもよく遭遇します。

この腫瘍は基本的に悪性であり、

周りの臓器に広がったり、転移したりしやすい腫瘍です。

では、この腫瘍を早期発見するためにどうすべきか。放っているとどうなるのか。すべき治療についてお話ししていきます。

症状

膀胱の移行上皮癌の症状は、

・血尿

・頻尿

・尿漏れ

・排尿困難

などです。

この症状は膀胱炎や膀胱結石の症状とほとんど変わらないので注意が必要です。

では、早期発見診断のためにどのような検査が必要でしょうか?

早期発見と診断

上記のような症状が見られた場合はすぐに腹部の超音波検査を行います。

この際に確認することは、

・膀胱~尿道の腫瘤の有無と場所

・リンパ節(腸骨リンパ)の腫れ(転移)

・腎臓の形態

これらを確認し、

膀胱の腫瘍を疑うのか、その場合転移はしてそうか、腎臓の機能は侵されていないかを確認します。

しかし、この画像検査だけで癌であると言いきることはできません。

次にすべき検査は尿/細胞検査です。

尿道にカテーテルを挿入し腫瘤から細胞を採取し、癌なのかどうかの検査をします。

この検査方法には

・細胞診検査

・病理検査(セルパック)

・遺伝子検査(BーRAF)

があり組み合わせて行います。

これらの検査で膀胱癌と診断された場合はどのような治療選択肢があるでしょうか?

治療

膀胱の腫瘍の治療には大きく分けて2つあります。

それは、癌を切除する外科治療と抗がん剤などを使用する内科治療です。

それぞれをまとめます。

外科治療

膀胱腫瘍を外科治療する場合は下記3つの選択肢があります。

①膀胱部分切除

これは、癌が膀胱の先端にできている場合です。

膀胱の先端は尿の通り道から遠いので部分的に全てとりきることができます。

②膀胱全摘出

多くの膀胱癌は尿の通り道(尿管)の近くに発生します。

そのため部分的に切除すると尿の通り道を残すことができないので、このような場合は膀胱を全て摘出し、尿の出口をお腹の皮膚に開けてお腹から排尿するような手術をします。

③尿管/道ステント

腫瘤の摘出が困難な場合であって、尿の通り道が塞がってしまっている場合は尿の通り道を確保するためのステントを設置します。

ステントはカテーテルを使ってトンネルを確保するのうなイメージです。

まずはこれらの外科治療を行うかを検討し、

行わない場合は以下の内科治療を検討します。

内科治療

膀胱癌の内科治療には大きく分けて2つあります。

①NSAIDs(消炎鎮痛剤)

②抗がん剤

です。

①NSAIDsは膀胱腫瘍がもっていて増殖に関与しているCOX2と呼ばれる遺伝子を阻害することで腫瘍が縮小します。

NSAIDsとはヒトでゆうバファリンなどの解熱鎮痛剤です。犬の膀胱腫瘍に対しては、

・ピロキシカム(バキソ)

・フィロコキシブ(プレビコックス)

などを使用します。

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②抗がん剤は

さまざまなプロトコールが存在し、絶対的なひとつの抗がん剤が決まっているわけではありません。

最もよく用いられる抗がん剤は

・ミトキサントロン

・カルボプラチン

・ビンブラスチン

の3つです。

抗がん剤治療に関しては下記のコラムをご覧ください。

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また近年トセラニブ(パラディア)による治療も効果を認めると報告され始めています。

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余命

犬の膀胱癌はその悪性度や進行具合によってさまざまですが、平均余命は、

無治療で約2ヶ月

NSAIDs単独で約6ヶ月

抗がん剤治療で約12ヶ月

外科治療で12~15ヶ月と報告されています。

膀胱癌は非常に煩わしい腫瘍ではありますが、

何もできないとゆうことは少なく、

内科治療や外科治療を組み合わせていくことで長く一緒に頑張ることも可能です。

諦めずに頑張っていきましょう。

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