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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫の糖尿病(DM)|症状・診断・治療・食事療法・自宅ケアを獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/9

ヒトで認められる病気の多くは犬猫にも存在しています。

糖尿病も猫ちゃんでとても多く認められる病気のひとつであり、

適切な治療の有無がその子の人生を大きく左右します。

では、猫ちゃんはいつ・どのようなタイミングで糖尿病になるのでしょうか?

糖尿病にならないようにできることはあるのでしょうか?

糖尿病になるとどうなってしまうのでしょうか?

猫の糖尿病(Diabetes Mellitus:DM)は、
インスリンが不足する、または十分に働かなくなることで血糖値が高くなる病気 です。

特に 7歳以上の中高齢猫・肥満猫・オス猫 に多く、
放置すると体重減少、脱水、ケトアシドーシス(命に関わる状態)に進行することがあります。

適切に治療すれば、
長期的に落ち着いた生活を送ることが可能 であり、
早期発見と継続的なケアがとても重要です。

この記事では、
糖尿病の原因、初期症状、診断、治療方法(インスリン)、食事、家庭での管理 をわかりやすくまとめています。

猫の糖尿病とは?

猫の糖尿病は、主に インスリンの作用不足 によって血糖値が高くなる病気です。

犬の糖尿病は「インスリンがほぼ出ないタイプ」が多いのに対し、
猫は インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる) が主体で、人の2型糖尿病と似ています。

原因は?

猫では以下のリスクが特に重要です。

  • 肥満(最も大きな要因)
  • 高齢
  • 慢性膵炎
  • ステロイドや黄体ホルモンの長期使用
  • 感染症やストレス
  • 腫瘍によるホルモン異常(アクロメガリーなど)

特に肥満猫では 糖尿病の発生率が数倍に上昇 すると言われています。

ヒトの糖尿病において聞いたことがあるかもしれませんが、

糖尿病には

膵臓からインスリンがでなくなる1型糖尿病と

インスリンが全身でうまく効かない2型糖尿病

の2種類が存在します。

猫の糖尿病は多くの場合、この2型糖尿病であり、生活習慣が大きく左右しています。

その生活習慣とはズバリ肥満です。

膵臓からインスリンは出ているのに肥満になることでインスリンが十分に効かなくなり糖尿病となるのです。

その他にも遺伝的な原因などが関与していますが十分にわかっていません。

糖尿病になると、どのような症状がでるのでしょうか?

初期症状〜重度症状

糖尿病の典型的なサインとして、次の4つが有名です。

■ ① 多飲(水をよく飲む)

■ ② 多尿(おしっこが増える)

■ ③ 体重が減る

■ ④ 食欲が増える(または減る)

これらに加えて、

  • 毛並みが悪くなる
  • 元気がない
  • 嘔吐
  • 脱水
  • 後ろ足がふらつく(末梢神経障害)

などが見られることもあります。

■ 危険な症状:糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)

命に関わる緊急疾患です。

  • 激しい脱水
  • ぐったりする
  • 呼吸が荒い
  • 嘔吐が続く
  • 食欲ゼロ

この状態は、すぐに入院治療が必要 です。

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診断方法

病院では以下の検査を組み合わせて診断します。

  • 血糖値の測定
  • フルクトサミン(数週間の血糖の平均)
  • 尿糖の有無
  • ケトン体の検査
  • 血液検査(腎臓・肝臓・膵炎の合併有無)
  • 甲状腺ホルモン検査(高齢猫で同時測定が推奨)

単回の血糖値だけで判断できないため、複数の検査が必要です。

糖尿病の治療

治療の中心は インスリン注射食事管理 です。


■ ① インスリン治療(基本)

猫の糖尿病治療の大部分はインスリン注射から始まります。

よく使われるインスリン:

  • グラルギン
  • プロタミン亜鉛インスリン(PZI)

1日2回の投与が一般的です。


■ ② 食事療法

糖尿病猫には以下の食事が推奨されます。

  • 高タンパク・低炭水化物の食事
  • 血糖値を急上昇させない処方食
  • 肥満猫は減量が重要

食事だけで完治する病気ではありませんが、
インスリン量を減らしたり、寛解を助ける効果 があります。


■ ③ 肥満改善

体重管理は治療効果に直結します。

  • 減量によりインスリン抵抗性が改善
  • 糖尿病が寛解する猫も一定数存在

治療はインスリン注射がメインです。

初めは注射に抵抗がある飼い主様が多いですが、

インスリンは、極めて細く短いインスリン用の注射ポンプを用いて背中の皮下脂肪に打ちますので、

ほとんど猫ちゃんはじっと許容してくれますし、出血等の心配もなく、ご高齢の飼い主様も問題なくされています。

このインスリン注射は多くの場合1日に2回約12時間おきに注射します。

インスリンの種類や効き具合によっては1日1回の注射になることもあります。

初めの治療開始の際に、どのインスリンを使用するか、どのくらいの量をインスリンを打つか判断するための治療に数日間の入院治療が必要となります。

インスリンの注射ポンプやインスリン自体もそこまで高額ではありません。

自宅での管理

以下が非常に重要です。

■ 血糖曲線の記録(病院または家庭の測定器で)

■ 決まった量の食事と決まった時間の注射

■ 水の量・尿量の観察

■ 体重チェック

■ 食欲がない日のインスリン調整(主治医と相談)

在宅管理がうまくできれば、
糖尿病の猫は 健康に近い生活 を長期間維持できます。

治る?

猫の場合に限って、この糖尿病が治る可能性があります。

それは、猫の場合は膵臓がインスリンを分泌する能力が残っている可能性があるので、

肥満などのインスリンが効きにくくなる病態が解決することで治る可能性があります。

いずれにせよ猫の糖尿病で必要なのは生活習慣、特に食生活の改善となります。

インスリン注射しないとどうなる?

糖尿病がある状態で、インスリン治療を一切行わなければ、必ず死んでしまいます。

糖分が体で利用できなくなるので、様々な臓器に影響が出始め、最終的には腎不全やミネラル異常となります。

数日治療が遅れてしまったり、短期間インスリンが打てないこと自体は直接命にかかわりません。

また、逆に言うと、適切な量と頻度でインスリンを打つことができていれば寿命を全うすることができますし、命に関わることはありません。

治療の目標

  • 低血糖を防ぐ
  • 過度な高血糖を避ける
  • 合併症を予防する
  • できれば 寛解(インスリンが不要になる状態) を目指す

特にグラルギン使用+食事管理で、
一部の猫は寛解が可能 とされています。

糖尿病の合併症

  • ケトアシドーシス(命に関わる)
  • 低血糖
  • 脱水
  • 肥満・膵炎の悪化
  • 感染症
  • 後肢の末梢神経障害

食欲不振や嘔吐は危険なサインなので、早めに受診してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 糖尿病は治りますか?
→ 一部の猫は「寛解」することがありますが、多くは長期管理が必要です。

Q. 注射は毎日必要ですか?
→ 基本的には1日2回必要です。

Q. 家で血糖は測ったほうがいい?
→ 可能であれば大きなメリットがあります。病院と相談してください。

Q. 急に食べなくなったら?
→ 低血糖の危険があります。注射前に必ず相談を。

まとめ

  • 猫の糖尿病は中高齢・肥満猫に多い
  • 多飲多尿・体重減少は代表的な初期症状
  • 診断には血糖値・フルクトサミン・尿糖などが必要
  • 治療はインスリン+食事管理が基本
  • 体重管理が治療成功の鍵
  • 自宅での観察(食事・尿・体重)がとても重要
  • 一部の猫では寛解する可能性がある

以上のポイントを押さえ、日々の食生活を再度見直し、よく観察していただくことで、いつまでも健康でいていただければと思います。

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ 猫に配慮したフードの考え方を見る

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