腫瘍 おすすめのごはん 投薬
  1. 食事
  2. 腫瘍
  3. フード
  4. 分離不安
  5. デンタルケアなど
現役獣医師が伝える犬猫の病気や治療のすべて ~犬猫の悩みやセカンドオピニオンは本サイトで全て完結~

よく吐く猫~膵炎の症状・治療~

Pocket

猫ちゃんはよく吐く動物ですが、猫ちゃんの頻回の嘔吐はさまざまな病気のサインでもあり軽視すべきではありません。

猫ちゃんの嘔吐がよく見られてお悩みの飼い主様は先に下記のコラムで吐き気の評価をしてみてください。

猫が吐いてます。様子見ていいですか? ~頻度・タイミング・病気・様子の見方~

そのなかでも実は猫の膵炎はとても多く、スッキリ治りきらずに慢性化することが多いので悩ましい病気です。

今回は猫の膵炎について、その症状と治療法についてお話しします。

膵炎の症状

膵臓は膵酵素という消化酵素を消化管に分泌しています。

この膵酵素はとても刺激性が強く、炎症を引き起こしやすい消化液ですので、それが膵臓周囲に漏出することで強い炎症を引き起こします。

これはヒトも同じです。

症状は犬やヒトほど典型的な症状は出ず、

・活動性の低下

・食欲不振

・慢性嘔吐

などなんとなくしんどそうな症状しか出ないことが多く、見逃されやすいです。

他院で治りが悪い猫ちゃんのご紹介を受け、拝見するとこの膵炎であることはとても多いです。

つまり、特筆すべき強い症状がないけれど、だらだらと食欲不振や元気低下、嘔吐が続く場合は慢性の膵炎が疑われます。

膵炎の治療

膵炎に対する特効薬のような治療はなく、対症治療が基本となります。

その対象治療のメインは

・循環をよくするための点滴

・吐き気止め

・痛み止め(腹痛)

・栄養治療

が基本です。

また、炎症を引かせることを目的として猫の膵炎の場合はステロイドを短期間で使用することもあり、対症治療への反応が乏しい場合は考慮します。

予後として、基本的に命に関わることは少なく、

時間はかかるものの治癒します。

しかし、治療が遅れてほかの臓器にダメージが出ると予後にも注意が必要であり、

また、治癒後も繰り返すことが多い病気です。

糖尿病との関係

膵臓は前述のように消化酵素を作り、分泌している臓器ですが、併せてインスリンを分泌し血糖値の調整を行っている臓器でもあります。

そのため、膵炎で膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌も低下することで糖尿病を一時的に発症することがあります。

糖尿病を発症すると、水をよく飲むようになり、血糖値が高くなります(血糖値200以上程度)。

猫の場合はヒトや犬と違い、この糖尿病は膵炎に伴う一過性のものなので、膵炎の改善とともに治ることもあれば、そのまま糖尿病を患うこともあります。

糖尿病は基本的に毎日注射でのインスリン投与を必要とします。

糖尿病についてはまた別のコラムでお話しします。

猫の糖尿病 ~症状は?治療しないと?死ぬ?治る?~

まとめ

猫の膵炎は特異的な症状がなく、だらだらと続くので診断されていないこともおおく見逃されがちです。

しかし、本人は悪心や腹痛などを感じているので適切な治療を必要としています。

おうちでの症状で気になる場合は一度動物病院で見ていただければと思います。

少しでもご参考になり、見逃しが減ると幸いです。

 『犬猫自宅レンタル酸素室』    国内シェアNo1の酸素室メーカー!  全国どこでも × 24時間365日対応!  レンタル料金が酸素メーカー最安!     👉まずは気軽にメールで相談♪
Pocket

最新情報をチェックしよう!