猫ちゃんも長生きになり、腫瘍に出会うことは決して珍しくなく、
また、不運だ、と片付けることはできません。
多くの場合は、長生きできたからこそ腫瘍に患うのです。
ヒトも犬猫も昔は腫瘍は多くありませんでしたが、
高齢化が進み腫瘍が死因のトップになったのです。
今回は、高齢猫が遭遇する扁平上皮癌の緩和ケアの方法をお伝えします。
緩和ケアとしてすべきこと
緩和ケアとは決してターミナルケアではありません。
緩和ケアとは
上手に腫瘍と付き合って快適に生きるためのケア
です。
そのためにすべきポイントは2つです。
それは
①疼痛管理(鎮痛)
②栄養管理
です。
では具体的にどのようなことができるでしょうか?
疼痛管理
腫瘍を患う動物に疼痛管理は極めて大切です。
ヒトにおいて、腫瘍の患者さまは半数以上が痛みを感じていると言われています。
痛みを感じていると強いストレスから免疫力の低下や元気食欲の低下が起こり、
寿命にも生活の質にも直結します。
疼痛管理としてできることは大きく2つ。
①鎮痛薬
鎮痛薬としてよく用いる薬は、
・レペタン(液体)
・トラマドール
・消炎鎮痛剤(NSAIds)
・フェンタニルパッチ(麻薬指定)
などです。
多くの場合は飲み薬ですが、
飲み薬が困難な猫ちゃんは、
フェンタニルパッチと呼ばれる鎮痛テープ(強力な湿布のようなもの)を皮膚に貼り付けます。
扁平上皮癌は骨を破壊していることが多いので、
複数の鎮痛薬を組み合わせて痛みの管理をしてあげます。
②放射線照射
放射線照射は腫瘍の治療目的に使用することが多いですが、
鎮痛目的においても使用することがあります。
扁平上皮癌のような骨の破壊が強い腫瘍は痛みが強いですので、
患部に放射線を照射することで痛みを緩和することが可能です。
しかし、この治療は可能な施設が限られていますので、
事前に動物病院を調べ、実施可能か確認する必要があります。
栄養管理
猫の扁平上皮癌は多くの場合が口腔内に発生します。
そのため、将来的に口の痛みや不快感から食事が十分にできなくなります。
そのなかで、少ない量でも十分な栄養が確保できるように食事内容を工夫する必要があります。
腫瘍のオススメの食事については下記を参照ください。
犬猫の腫瘍に最適なごはんは?
【病気別】犬猫の栄養管理と食事選択 ~腫瘍に負けないごはんは?~
また、将来的に口を使って食事ができなくなる可能性があるので、
早期に胃瘻チューブや食道チューブなどの栄養チューブを設置しておくことをオススメします。
口腔内の扁平上皮癌は近い将来に確実に十分な食事ができなくなりますので、
チューブを迷わず設置してあげるべきです。
チューブがあることで鎮痛薬などの投薬もストレスなく実施できます。
まとめ
腫瘍はとても辛いです。
様々な理由で手術や完治が困難なこともあります。
しかし、手術をしない選択は諦めることを意味しません。
いかに幸せな時間を少しでも長く一緒に過ごせるか、
いっぱい考えてあげましょう。
そして最期までそばに居てあげてください。
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