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【治らない?】猫の痒い皮膚病~カビ?アレルギー?寄生虫?~

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皮膚病の夏と言われるほど犬も猫も皮膚病は起こりやすくなります。

その中でも猫の皮膚病はとても治療が難しいことも多く、なかなかスッキリ治らないことも多いです。

猫は犬と違い痒い場合は”掻く”ではなく”舐める”です。

お家の子は体をよく舐めたりしていませんか?

猫に多い皮膚病について、多い皮膚病や治りが悪い原因などお話しします。

おうちの子は痒い?

猫ちゃんの痒みの評価はとても難しく、

気づいたころには毛が抜けていたり、ただれてしまっていたりします。

そのため、『猫が痒がります』という稟告はとても少ないです。

痒みを気づくために必要なことは、

猫は痒い場合は舐めるという認識をすることと、

グルーミングとの違いに気づくことです。

猫は全身を舐めるグルーミングによって毛繕いを行いますが、そのグルーミングはある一定の流れで全身を行います。

その流れは猫ちゃんによって異なるので、普段から猫の様子をよく観察しグルーミングの仕方を知っておく必要があります。

痒い場合は、同じ部位を舐め続け、その部位の毛は裂毛といって途中でちぎれています。

また、グルーミングやストレスによる舐めとは違い、皮膚病によって痒くなりやすい部位が存在しているので、

舐めてる部位によってさらに絞り込みます

痒みを伴う多い皮膚病

痒みを伴う猫に多い皮膚病は以下のものがあります。

アレルギー性皮膚炎:ノミ、食べ物、環境、蚊

外部寄生虫感染:疥癬、ツメダニ、耳ダニ

皮膚糸状菌症(カビ)

膿皮症(細菌)

痒みを伴う原因は、ほとんどの場合はこの4つのどれかに当てはまります。

4つのうちアレルギー以外の3つの皮膚病は感染症なので、正しく診断し治療することで確実に治ります。

治りが悪い場合

治りが悪い場合に考えるべきことは、

・診断と治療が間違っていないか

感染症は皮膚検査で確実に診断されます。

治りが悪い場合は皮膚検査をしっかりしてもらいましょう。

・アレルギーのように治る皮膚病ではない場合

アレルギーの考え方は後述します。

・4つ以外の稀な病気である場合

稀な病態である場合は免疫を抑えるなど、特殊な治療を必要とする場合があります。診断のために皮膚生検検査などを必要とすることもあります。

最も多いアレルギー

とても多い悩みであるので猫のアレルギー性皮膚炎については別のコラムでまとめます。

【最新版】犬猫のアレルギー性皮膚炎の診断と新たな治療法

寄生虫感染症

疥癬:疥癬はヒゼンダニという皮膚に潜り込むダニが感染しとても強い痒みを生じます。

このダニは肉眼では見えず、皮膚検査で顕微鏡にて検出されます。

耳を中心に顔まわりに限局し、ふけが多くなります

耳ダニ:耳が痒い場合は猫は顔を振ったり後肢で掻いたりします。耳ダニは耳に寄生するダニでよく見ると肉眼でもかろうじて見えます。

耳周囲に掻爬痕があり過剰な茶色い耳垢がたまっている場合は疑います。

ツメダニ:ツメダニは比較的大きく活発に動くダニで、背中周りを中心に広く病変があります。感染動物からの接触によって簡単に感染します。ヒトにもうつります。

ノミ:最も多い理由です。腰回りやお腹周りが痒い場合はまずノミが歩いていないか確認します。ノミは黒いゴマ粒のようみ見え、体を走り回っています。

ノミアレルギー性皮膚炎については別のコラムでまとめます。

これらの寄生虫感染症のほとんどはノラ猫に由来しています。お住いの近くにノラ猫が多い場合は、猫の外出の有無にかかわらず注意します。

皮膚糸状菌症

猫の皮膚糸状菌症は耳や鼻、口周りの末端に多く発生し、左右非対称であることが多いです。ふけを伴った一部赤みを伴う脱毛が特徴です。ヒトにもうつります。

詳しくは別のコラムでまとめます。

ストレス性脱毛との見分け

猫は痒みがないのにストレスなどにより体を舐めまわす心因性脱毛症が多く、アレルギー性皮膚炎との見分けが非常に難しいです。

この病態に関しては別のコラムでまとめています。

【痒い】猫の脱毛~異常に舐める。アレルギーかストレスか~

まとめ

今回まとめた皮膚病は猫の皮膚病の一部であり、まだまだほかにも存在しています。

しかし、臨床上遭遇する皮膚病の多くは今回お話ししたいずれかであることがほとんどです。

ポイントは、猫の皮膚病は難しいということです。

理由は、

・多くの猫の痒みは気づけておらず、病院に来る頃には二次感染を伴いひどくなっていること

・猫の継続的な投薬が難しいこと

などです。

いかに、正しい知識をもって普段からよく観察してあげれているかが何よりも大切です。

少しでも参考になり、猫ちゃんが快適な時間を過ごせたらと思います。

次にアレルギー治療についてお話しします。

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