更新日:2025/12/9
言葉を発せず、自分ではどうすることもできないわんちゃんはヒトよりも被毛や爪のケアを必要とします。
自宅でできるようになれば動物病院やトリミングの回数を減らしコスト軽減にもつながるかもしれません。
犬や猫の「ケアカット(部分カット・衛生カット)」は、
見た目を整えるだけでなく、
健康維持・皮膚トラブル予防・排泄時の汚れ防止 に欠かせないケアです。
特に長毛種やシニア、肥満気味の子では、
ケアカットを行うことで生活の質(QOL)が大きく改善します。
この記事では、
ケアカットや爪切りが必要な理由、カットする部位ごとのメリット、家庭で行う際の注意点、動物病院に相談すべきケース
を獣医師が丁寧に解説します。

お家でできる爪切り
外をよく散歩しているわんちゃんはそこまですぐ爪は伸びないのであまりきにしなくてもいいかもしれません。
お家で過ごす時間が多い小型犬や猫ちゃんは、
狼爪という親指の部分は爪がよく伸びて、どこかに引っかかってしまい折れてしまったり肉球に刺さってしまったりするので、定期的なケアが必要です。
お家で爪を切ることに抵抗がある多い理由としての「出血」についてその対策をお伝えします。
まず、爪からの出血はよほどの深爪でなければ恐れるような出血をすることはありません。
出血をさせないために、定期的にできるのであれば無理せず、先だけ落とすことようにすればまず大丈夫です。
爪切りが必要な目安は、地面に足をついている際に地面に爪が当たっている場合です。
爪先が白いわんちゃんや猫ちゃんは明るいところで見るとピンク色の血管が見えます。
その部分よりも奥まで切りさえしなければ出血しません。
不安な場合は地面についている先の部分(5mmほど)だけ切ってあげましょう。
爪が黒いわんちゃんはその血管が見えないので慣れないうちは怖いかもしれません。
その場合、はじめは爪やすりで削り、どこまで切っても大丈夫なのかわかってから爪切りを使い始めるといいかもしれません。
血が出てしまったら?
いずれにしても、出血しても慌てず対処すれば全く問題ありません。
万が一出血した場合の備えとして獣医師が使っているのは↓のクイックストップです。粉を少しとって出血した爪の部位につけて押さえるとすぐ止血されます。
血を出さない方法
さらに血が出るのが怖い場合、明らかに長い部分だけ爪切りを使い、残りはやすりを使って短くします。
実際に爪切りが嫌いなわんちゃんはやすりでごしごしして痛くないようにしています。
また、最近はそのような悩みが多い飼い主さん向けに、爪切りを使わず爪を切るグッズも出ています。
これなら伸びすぎた部分だけ安全に削ることができます。
ただし、お家で足を触らせてくれないわんちゃんはどちらにしても使えません。
ケアカットとは?どんなときに必要?
ケアカットとは、
お尻周り・足裏・お腹・内股・脇など、生活に影響する部分だけを短く整えるカット のことです。
次のような場合に特に重要です。
- 毛が汚れやすい
- 排泄でお尻の毛が汚れる
- 毛玉ができる
- 散歩で泥や葉が絡む
- 足裏が滑りやすい
- 毛が長すぎて歩きにくい
- 高齢で自分でグルーミングできない
全身カットではなく、必要な部分だけを整えるので、
負担が少なく実用的なケア として人気があります。
ケアカットの主なメリット
1. お尻の汚れ・下痢の付着を防ぐ
特に長毛種は肛門周りの毛に便が付着し、
不衛生・悪臭・皮膚炎の原因になります。
ケアカットで汚れを防ぐことで、
細菌性皮膚炎や肛門周囲炎の予防 ができます。
2. 毛玉の予防
脇・内股・お腹は毛玉ができやすい部分です。
毛玉は痛みや皮膚炎の原因になるため、定期的に短くすることは非常に効果的です。
3. 散歩後の汚れを軽減
足回りや胸の毛が長いと、散歩後に泥・草・虫が絡みます。
ケアカットで毎日の掃除が楽になります。
4. 歩行しやすくなる
足裏の毛が伸びると滑って転倒しやすくなるため、
滑り止め効果のあるケアカットはシニア犬に特におすすめです。
5. トイレの失敗対策
おしっこが毛にかかり衛生面が悪化することがありますが、
お腹の毛を短くすることで改善しやすくなります。
部位別のケアカットのポイント
お尻周り(肛門周囲)
目的:排泄時の汚れ防止
- 便が付着しやすい子は必須
- 1〜2cm程度の長さで十分
- バリカンを使う場合は低刺激の刃を使用
足裏カット
目的:滑り防止
- 長毛だとフローリングで滑りやすい
- 肉球に沿って短く整える
- 深い切り込みはケガの原因になるため注意
お腹・内股
目的:おしっこ汚れ・毛玉予防
- 特に男の子の犬はお腹の毛が濡れやすい
- 毛が薄い部分は皮膚を傷つけないよう慎重に
脇・胸・首周り
目的:毛玉予防
- 長毛猫は脇が最も毛玉ができやすい
- 毛玉がある場合は無理に引っ張らず部分カットで除去
家庭でケアカットするときの注意点
家庭でのケアカットにはメリットもありますが、
誤った方法はケガやストレスにつながります。
注意点
- ハサミの先端を向けない(危険)
- 皮膚を巻き込みやすい場所は特に慎重に
- お尻周りは皮膚が薄く傷つきやすい
- 嫌がる子には無理をしない
- 暴れる場合は一人で行わず、プロに依頼する
- バリカンは低温やけど(熱)に注意
- 毛玉を引っ張って切るのは絶対にNG
猫は特に嫌がるため、
家庭では ブラッシング中心、毛玉は早めにカットや病院相談 が安全です。
動物病院・トリマーに任せた方が良いケース
次のような場合はプロに任せることをおすすめします。
- すでに毛玉が大きく硬い
- 肛門腺のケアも一緒に行いたい
- 暴れて危険
- シニアで皮膚が弱い
- バリカン負け(赤み)が出やすい
- 皮膚病があり判断が難しい
病院では皮膚の状態を確認しながらカットできるため、
皮膚トラブルがある子にも安心です。
ケアカットの頻度
犬猫の毛質によりますが、一般的には:
- 長毛種:3〜6週間ごと
- 中毛:1〜2ヶ月ごと
- 短毛種:必要なければ不要(足裏だけ行う場合あり)
生活スタイルに合わせて調整します。
よくある質問(FAQ)
Q. シャンプー前と後、どちらでカットするのが良い?
A. 毛玉があるなら先にカット。軽い整えならシャンプー後でもOKです。
Q. お尻周りはどれくらい短くすべき?
A. 皮膚が見えるほど短くする必要はなく、汚れない程度で十分です。
Q. ケアカットは毎回必要?
A. 汚れやすさによりますが、長毛種は定期的に必要です。
Q. 自宅でのケアが難しいです。
A. 無理は禁物です。病院・トリマーで安全に行えます。
まとめ
- ケアカットは排泄の汚れ防止、毛玉予防、歩行改善に役立つ
- お尻・足裏・お腹・脇などポイントごとに目的がある
- 自宅ケアは無理せず、安全第一で行う
- 毛玉を無理に取るのはケガの原因
- 病院やトリマーに任せるケースも多い
- 長毛種は特に定期的なケアカットが必要
ケアカットは「美容」だけでなく、
犬猫の生活を快適にし健康を守る大切なケアです。
爪切りはさほど緊急性はありませんが、
放置するとどこかに引っ掛けてしまい爪が折れてしまったり、肉球に刺さると感染や出血を引き起こします。
そのため、伸びた先だけでもこまめに切ることができれば快適に過ごせると思います。
正直、自分もお家の犬猫は病院が嫌いなので、伸びすぎる前に自宅で先だけチョンチョン落としてケアをしています。
一度に何本も切られることに集中が持たない場合は、何回かにわけてしています。
1回の診察費用で爪切りグッズは買えてしまうので、診察に行きづらいこの機会に一度トライしてみてはいかがでしょうか。
また、爪切りはやり方によっては嫌われてしまいかねないので、
爪切りをさせてくれるようなしつけも大切になります。ご参考までに。
以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。
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