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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬・猫の薬(投薬ガイド)|安全な使い方・注意点・よく使う薬を獣医師が徹底解説~お薬が飲めない?内服困難な犬猫にできる㊙簡単投薬方法~

更新日:2025/11/24

犬・猫の治療では、
抗生物質・痛み止め・ステロイド・腫瘍治療薬・心臓薬など
さまざまな薬を使います。

しかし、

  • 「飲ませ方が合ってるか不安」
  • 「副作用が怖い」
  • 「猫が絶対に薬を飲まない」
  • 「人の薬をあげても良い?」

と、飼い主さんが悩むポイントがとても多い。

この記事では腫瘍科獣医師として、
犬・猫の薬の安全な使い方/注意点/薬の種類と目的/絶対に避けるべき行為
わかりやすくまとめました。

動物病院に行きたくさんの内服薬を処方され、頭を抱えたことはありませ~

んか?

健康で食欲旺盛な子であれば好きなご飯に混ぜちゃえば簡単で、

食に貪欲で内服に一切困らない子は読む必要はありません。

以下のような方へ

・薬を混ぜると食べてくれない

・薬だけうまーく残す

・食欲なくておやつも食べないから飲ませられない

・薬をあげようとすると逃げて行ってしまう

・嫌われて信頼関係か崩れている

・噛みに来る、すぐ出す、などうまく強制投薬できない

獣医師として多くの薬を処方していますが、自宅で自分の犬猫に投薬する際は多大な労力と心労がかかることを実感します。

自分の経験と知識をもとに、内服困難な犬猫に投薬をする秘訣、自分がよく使う秘密兵器も後半でご紹介します。

犬と猫では薬の代謝が違う(超重要)

🐶 犬

  • 比較的薬に強い
  • 多くの薬が使える
  • 体重差で用量が大きく変わる
  • ステロイドを使う場面が多い

🐱 猫

  • 代謝経路(特にグルクロン酸抱合)が弱い
  • 人で安全な薬でも猫では中毒になることがある
  • 痛み止め・解熱剤・抗生物質など注意点が多い
  • 投薬を嫌がる子が非常に多い

犬と猫は同じ「ペット」でも薬の代謝が全く違う生き物。

犬・猫でよく使う薬の分類

薬の種類主な目的
抗生物質/抗菌薬膀胱炎・皮膚病・感染症
痛み止め(NSAIDs)関節痛・術後・慢性痛
ステロイドアレルギー・炎症性疾患・腫瘍
抗がん剤リンパ腫・肥満細胞腫・TCCなど
心臓薬僧帽弁閉鎖不全症・心筋症
胃腸薬吐き気・胃炎・下痢
ホルモン薬甲状腺・副腎
抗てんかん薬てんかん発作
サプリ・補助療法皮膚・肝臓・腎臓ケア

代表的な薬と注意点(カテゴリ別)


🟦 ① 抗生物質(抗菌薬)

よく使うもの

  • アモキシシリン
  • セファレキシン
  • クラブラン酸
  • エンロフロキサシン
  • ミノサイクリン
  • ビアペネム(重症)

注意点

  • 猫のエンロフロキサシン → 高用量で網膜障害
  • 下痢しやすい
  • 抗生剤は「途中でやめる」が一番ダメ

🟥 ② 痛み止め(NSAIDs)

  • メロキシカム
  • カルプロフェン
  • フィロコキシブ

  • メロキシカム(短期間のみ)
  • ロベナコキシブ

注意点

  • 胃腸障害
  • 腎臓病の子は慎重
  • 人のロキソニン・イブは絶対禁止

🟧 ③ ステロイド

(プレドニゾロン・デキサメサゾン)

用途

  • アレルギー
  • 炎症
  • 腫瘍(リンパ腫・肥満細胞腫)
  • 食欲増進

注意点

  • 多飲多尿
  • 免疫低下
  • 糖尿病
  • 長期使用なら減量が必要

🟩 ④ 抗がん剤(腫瘍治療薬)

  • ドキソルビシン
  • ビンクリスチン
  • シクロフォスファミド
  • カルボプラチン
  • L-アスパラギナーゼ
  • Palladia(トセラニブ)

注意点

  • 白血球低下 → 感染症リスク
  • 吐き気・下痢
  • 尿の扱い注意(24〜48h)

🟪 ⑤ 心臓薬

  • ピモベンダン
  • ACE阻害薬(エナラプリル)
  • 利尿剤(フロセミド)

注意点

  • 脱水
  • 腎臓への影響
  • 咳が増える時はチェック

🟫 ⑥ 胃腸薬

  • ガスター(猫NGのことも)
  • プロナミド
  • セレニア(嘔吐止め)
  • 乳酸菌サプリ

🟫 ⑦ ホルモン薬

  • 甲状腺(チロキシン)
  • 副腎(トリロスタン)

注意点

  • 投薬時間は一定に
  • 血液検査でのモニタリング必須

投薬の基本ルール(安全ガイド)

✔ 体重で量が変わる(mg/kg)

→ ダイエット前後で量が変わる場合あり。

✔ 同じ薬を複数の動物で共有しない

→ 犬の薬を猫に使う → 危険

✔ 指示された間隔を守る

→ 朝だけ/1日2回/食後 etc.

✔ 自己判断で中断しない

→ 抗生物質・心臓薬・てんかん薬などは特にNG。

✔ 他の病気(腎臓・肝臓)の影響を受けやすい

→ シニア期は特に注意。

絶対にやってはいけないこと

🚫 人の薬を自己判断で使う

  • ロキソニン
  • アセトアミノフェン(パラセタモール)
  • 風邪薬
    猫は命に関わるレベルで危険

🚫 割る/つぶすと危険になる薬もある

→ コーティング薬や溶解性が変わる薬

🚫 自己判断で中止

→ 癌治療薬、心臓薬、抗生剤は特に危険

🚫 薬を冷蔵庫に長期保存

→ 劣化の可能性

薬が飲めない/嫌がる時のコツ

  • おやつに隠す(チーズ・ちゅ〜る系)
  • ウェットに混ぜる
  • カプセルに詰める
  • シロップにする(病院で調剤)
  • ピルクラッシャーを使う
  • 投薬補助グッズを使う
  • 猫は“少量のおやつに混ぜる”が最も成功率高い

内服の必殺技

まず、内服が困難な原因は何でしょうか?

その子のパターンによって自分は下の手順で試みていきます。

まず、お家のわんちゃんネコちゃん側に立って理由を想像しましょう。

日々の投薬はいかにお互いのストレスを最小限にできるかが大切です。

まずは、当たり前ですが、本人が好きなおやつに混ぜて気づかずに食べてくれるかを試します。

この際、なるべく普段の食事に混ぜないようにしましょう。

その理由は、普段の食事にも嫌悪感を抱き食べなくなる可能性があるのと、

薬だけ残って実は内服ができていない可能性があるためです。

とてもおやつ大好きで元気なわんちゃんはこの方法で行けるでしょう。

しかし、食欲が低下していたり、警戒心が強い犬猫はこれでは内服できず、次の手段に進みます。

ここであきらめてはいけません。

投薬用おやつで楽々

㊙おやつに混ぜて投薬できるかを試みます。

このとき、犬猫は人と比べて格段に嗅覚が鋭いですので、

ごはんに混ぜてもその薬だけよけてご飯を食べられちゃう悩みが圧倒的に多いです。

また、ごはんに混ぜるときに注意すべきなのは、

犬猫は一度薬が混ざっていて嫌な思いをした場合はそのごはんに対して嫌悪感を記憶し、

薬が入っていなくても食べなくなってしまうことがあります。

ですので、混ぜる場合は普段のごはんではなく、

匂いの強いおやつ等に混ぜ、普段のごはんとは別に与えるべきです。

いかにばれずに、犬猫が毎日もらえるおやつと思って食べてくれるようにします。

匂いを強めるために少し温めたりするのもいいです。

また、投薬が長期に及ぶ場合はおやつの内容にも注意し、カロリーの高いものは控えましょう。

ここで投薬用に使いやすい必殺のおやつを紹介します。

正直、自分は食欲があるほとんどの犬猫はこれでなんとかなります。

まず犬で効果抜群なのは”おくすりちょ~だいです。

これはチーズ風味の水あめで嗜好性が高く、くすりをコーティングしてあげるとそのままぺろっと食べてくれます。

粘稠性高いので、出そうとしても口に引っ付いて出せないし、

自分からぺろっと食べないときは歯茎や口の上あごに塗りつけることで、

半強制的に舐めて飲み込んでくれます。

猫ちゃんで有効なのはやはり王道ちゅーるです。

しかし、普通のちゅーるは上のおくすりちょ~だいと比べ粘稠性が低く、

薬がコーティングされずちゅーるだけペロペロ舐めて薬が残ります。

ここで必殺のちゅーるが存在します。”投薬用ちゅーる”です。

これは、上のおくすりちょ~だいのちゅーる版みたいな感じで、

味はちゅーるそのままで、粘稠性が高いので薬が包み込みやすく、

出しにくく設計されています。

ただし、これは市販に出回っていないのが難点で、箱買いのみ(4500円~)です。

錠剤が大きい場合は粗くつぶして混ぜたり、粉にして混ぜたりしてみます。

多くの子はここ2つを駆使して何とかなりますが、

さらに賢い警戒心が強い子や、食欲が廃絶している子などはこれではクリアできません。

それで無理なら最終手段

おやつを使って内服できない子はおやつ混ぜでの投薬はあきらめ、さっと強制投薬です。

はじめはうまくいきません。

これは飼い主さんの技術がほとんどを占めます。

こつをつかんで繰り返しやることで必ずできるようになります。

強制に口に入れる場合は、

右利きの場合は左手で上顎をつかみ親指と人差し指で奥歯の間に指を入れます(噛まれないよう注意です)。

くちを上に向け、右手で薬を握り、喉の奥にくすりを落とし込むor入れ込みます。

これがなかなか難しく、入れた後すぐ出されたり、うまく奥に入れられなかったりします。

ここで使える必殺がピルガン(投薬棒)×スポイトです。

これを使えば手っ取り早く短時間で済みます。

棒を使うので手を噛まれる心配もなくなります。

いろんな形を試しましたがこの↓形状が使いやすいです。

投薬棒の先にシリコンゴムがついており、薬が掴めるようになっています。

これで喉の奥に薬を落とし込み、すぐにスポイトで水を飲ませてごっくんしてもらいます。

これは、使い慣れると、飲ませられない子はいなくなります。

場合によっては、薬をすべてピルクラッシャーで粉にして水やシロップに溶いてジェントルフィーダーで、

ぺろぺろ飲ますこともできます。(抗がん剤や一部の薬など、薬によっては粉にすべきじゃない薬では不可)

一番のコツは、あらかじめジェントルフィーダーに水やおいしい液体を吸っておき、

ピルガンに薬を装着し、喉の奥にえいやっと薬を落とし込み、

左手ですぐ口を閉じて、口の隙間からペロペロと液体を飲んでもらい流し込む。

何度もやるとストレスなので、

嫌な時間は短時間で終われせてあげるように、なるべく一発でしてあげるのがお互いのためです。

しかし、この投薬法は強制投薬なので、お家の子と投薬の必要性を照らし合わせて行います。

これらのグッズを組み合わせれば9割近くの犬猫は投薬ができます

(自分がやればほほ100%、つまり何事も慣れです)。

薬を飲まないと治せない病気、薬を飲めるなら広がる治療はたくさんあるので、困難は多いですが、ぜひ乗り越えたいです。

まとめ

まとめですが、さまざまな環境、性格、体調の犬猫に薬を飲ますのは容易ではありません。

自分もいち獣医師でありながらも、多くの動物を飼い、飼い主として胸が痛いほどわかっています。

大切な家族の一員の飼い主である以上、

”薬飲ませられないんです”ではすまず、

薬が飲めてたらもっと長生きできてたのに、、、という状況に胸を苦しくした経験が何度もあります。

そのなかで、なんとか少しでもできることをここまでお伝えしました。

この秘技をお伝えし、何人もの飼い主様は、この内服困難を乗り超えてやりくりされています。

犬猫と生活するうえで投薬避けられませんので、

健康で元気なうちに投薬が必要になった想定や練習、おやつ探しをしておくことはとても大切です。

その子にとってどの投薬方法がベストなのかは、実際にやってみないとわかりません。

是非一度試してみてください!自分もまたアップデートしていきます。

少しでも投薬で悩む犬猫、皆さまに参考になり、

薬を飲んで一緒に幸せに暮らせることを願っています。

最も難しい猫の投薬に便利なグッズを下記にまとめています、

これを試して無理ならおうちでは無理かもしれません。。

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副作用が疑われる時のチェックリスト

以下のどれかに当てはまれば病院へ:

  • ✔ 下痢・嘔吐が続く
  • ✔ 元気がない
  • ✔ 食欲がない
  • ✔ 尿量が変わった
  • ✔ 黄疸
  • ✔ 血尿
  • ✔ 激しい震え
  • ✔ けいれん
  • ✔ 呼吸が早い/苦しそう

よくある質問(FAQ)

Q. 人の薬を少しなら使っても大丈夫?

絶対ダメ。猫は特に危険。

Q. 薬代を安くする方法は?

→ ジェネリックの相談、内服から外用への切替など。

Q. 投薬がどうしても無理です

→ 病院でシロップ化/注射への切替の相談を。

Q. ご飯を食べない時は薬を飲ませない方がいい?

→ 薬による(NSAIDsはNG、抗がん剤は病院に相談を)。

まとめ

  • 犬と猫では 薬の代謝が全く違う
  • 人の薬は基本的に使わない
  • 副作用は「早期発見」でほぼ対応可能
  • 投薬の工夫で飲ませやすくできる
  • 病気によって薬の組み合わせが変わるため
    自己判断せず獣医師に相談が一番安全

薬は“怖いもの”ではなく、
その子の生活を守る大切な道具。
正しく使うことで、元気に長生きできる。

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