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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬と猫が「吐く+咳をする」原因は?危険なサイン・考えられる病気・受診の目安を獣医師が解説

更新日:2025/12/9

お家の犬猫が示す症状に、

「これ様子見ていて大丈夫なのかな?」という悩みが多いと思います。

不要不急なのかどうか、素人判断できないことが多いと思いますので、

よくある症状である①食欲がない②吐き気③咳について

犬や猫が「吐く」「咳をする」症状を同時に見せる場合、
消化器だけでなく 呼吸器・心臓・異物・感染症 など、複数の臓器が関わる病気が考えられます。

中には緊急性の高い病気も含まれるため、
症状が続く・悪化する・ぐったりしている場合は早めの受診が必要 です。

この記事では、
吐き気と咳が同時に見られるときに疑う病気、危険なサイン、受診の目安を
獣医師がわかりやすく解説します。

吐く+咳が同時に起こる理由

「吐く」「咳」は本来まったく別の臓器(胃腸と気道)で起こる反応ですが、
次のような理由で同時に出現することがあります。

  • 咳が強すぎて吐いてしまう
  • 吐いた物が気道に刺激を与えて咳が出る
  • 感染症で嘔吐と咳が同時に起きる
  • 異物が喉や食道・気道に関与している
  • 心臓・肺の病気で気道が圧迫される
  • 強いストレス・興奮
  • 全身状態の悪化

症状が軽くても油断はできません。

食欲がない?!

様子を見ずあいている動物病院に今日中に行くべきなのは

・普段食に貪欲なのに、おやつも含め急に何も食べない

・明らかに元気がなく、吐き気等も伴っている

動物は基本的に食に貪欲で、体調不良はまず食に現れます。

しかし、最近の家庭の犬猫は食に余裕があるので、その貪欲さに個体差があり、

気分次第では食べない子もいます。特に、小型犬種や猫ちゃんに多いです。

まず、うちの子にとって食べないことは珍しいかどうか、

食欲以外に強い症状(嘔吐、明らかな元気低下)が伴っていないかに注意します。

そこに明らかな違和感がある場合は、動物病院を受診しましょう。

上記が否定される場合は、まずは半日~1日を目安によく観察しましょう。

性格次第では食欲だけでは判断は難しいので、焦らず見てみましょう。

自粛期間は、不安であれば、駆け込まずまず病院に電話で確認しましょう。

吐き気がある?!

食欲不振の次に多いのが吐き気です。

様子を見るべきじゃないのは

・数分から数十分ごとに何度も吐く場合

・食欲不振などほかの強い全身症状を伴う場合

・比較的若い犬猫で、誤食した可能性がある場合

たて続く吐き気があり、食欲が全くない場合は緊急を要する病気の可能性がありますので、①②が強く関連する場合は自粛関係なく空いている動物病院を受診します。

逆に元気食欲がある単回の嘔吐や、食事性や生活環境に伴う軽度の下痢、軟便は少し様子を見て問題ない可能性が高いです。

咳をしている?!

咳は判断が特に難しいと思います。

まず、咳している=心臓が悪い ではありません。

咳をしている犬猫で様子を見てはいけないのは

・呼吸が早い場合(興奮すると呼吸は早くなります。呼吸の評価は寝転んでいる時などの安静時に評価)

犬猫で安静時1分間に呼吸数(胸の動き)40回以上は様子見てはダメ

・猫が口を開けて呼吸し、苦しそうなとき

・食欲低下など全身状態の変化も伴う場合

・舌の色が紫色の場合

しばらく安静にしても以上の症状が続く場合は、病院を受診しましょう。

逆に、様子を見て良い咳は、中高齢の小型犬種で今までも咳をしており、興奮や運動後一時的に乾いたような咳が続く場合です。気管虚脱に伴う一時的な咳は、涼しい環境で安静にすることで落ち着くことが多いですので、上記症状がなければ安静にして少し様子見てみましょう。

吐く+咳をするときに考えられる病気(犬・猫共通)

① 異物誤飲(食道・胃・喉)

喉・食道・胃に異物があると
嘔吐と咳が同時に出ることがあります。

疑われるケース

  • 急に吐き出した
  • 喉をかきむしる
  • よだれが多い
  • カーッとえずくような咳
  • 食べた後に嘔吐

とくに、
ひも、プラスチック、骨、おもちゃの破片は要注意です。

緊急度:高い
→ 最悪の場合、閉塞や穿孔の危険があります。


② 気管虚脱(犬に多い)

小型犬に多い病気で、気管が潰れて咳が出ます。
咳が強く、刺激で吐くような仕草になることがあります。

特徴

  • ガーガー、ブーブーとした特徴的な咳
  • 興奮時・散歩時に悪化
  • 吐きそうな仕草(えずき)

重度の場合は呼吸困難になることもあります。


③ 気管支炎・肺炎

感染症やアレルギーで肺や気管支に炎症が起きると、
咳と同時に嘔吐が見られることがあります。

特徴

  • ゼーゼー、ヒューヒューした音
  • 元気がない
  • 呼吸が速い
  • 食欲低下

特に猫では「隠れ肺炎」も多く、注意が必要です。


④ 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)

心臓が肥大し気道を圧迫することで咳が出やすくなり、
咳き込みで吐き気が誘発されるケースがあります。

特徴

  • 咳が夜間や早朝に多い
  • 運動後に咳が悪化
  • 呼吸が速い
  • 倒れる、失神することがある

犬に多く、猫では咳の代わりに「呼吸促迫」になるケースがあります。

緊急度:中〜高


⑤ 猫喘息(猫特有)

猫は喘息発作で強い咳を出すと、
吐き戻しや胃液の嘔吐を伴うことがあります。

特徴

  • しゃがんだ姿勢で咳をする
  • 発作のようにゼーゼー
  • 呼吸が苦しそう
  • 季節で悪化することも

緊急度:中
→ 発作が続く場合は酸素吸入が必要なことも。


⑥ 感染症(猫のウイルス性呼吸器感染症など)

猫では

  • ヘルペスウイルス
  • カリシウイルス

などの上部気道感染症で
咳・くしゃみ・鼻水+吐き気 が同時に出ることがあります。

特徴

  • 食欲低下
  • よだれ
  • 元気がない

子猫・老猫では重症化しやすい感染症です。


⑦ 食道炎・逆流性食道炎(犬猫共通)

嘔吐物が食道を刺激し、
その刺激で咳が出ることがあります。

原因

  • 嘔吐の繰り返し
  • 麻酔後の逆流
  • 食べすぎ
  • 胆汁逆流

特徴

  • カーッとえずくような仕草
  • 何度も吐く
  • 喉を鳴らす
  • 寝る前・食後に悪化

治療すれば改善しやすい病気です。


⑧ 腫瘍(肺・気管・食道周囲)

高齢の犬猫では腫瘍も鑑別に入ります。

疑われる症状

  • 咳が長期間続く
  • 吐き気が慢性化
  • 呼吸が速い
  • 体重減少がある

緊急度:中〜高
→ 早めの画像検査が必要です。


すぐ受診した方がいい危険なサイン

以下の症状がある場合は緊急性が高い可能性があります。

  • 呼吸が速い・苦しそう
  • 紫色の舌(チアノーゼ)
  • 何度も吐く
  • 吐物に血が混じる
  • 咳が止まらない
  • 元気がない
  • 食べてもすぐ吐く
  • 意識がボーッとしている
  • よだれが多い
  • 発熱している

「咳と吐き気が同時」=呼吸器系の問題が隠れている可能性が高い。

放置は危険です。


動物病院で行う検査

症状に応じて以下を組み合わせます。

  • 身体検査・聴診
  • レントゲン検査(肺・気管・心臓の評価)
  • 超音波検査(心臓・胸部・腹部)
  • 血液検査
  • 酸素濃度の測定
  • 内視鏡(異物・食道炎の確認)

呼吸器+消化器の両面から評価することがポイントです。


治療方法(原因による)

  • 異物 → 内視鏡 or 外科手術
  • 気管虚脱 → 咳止め、気管支拡張薬、体重管理
  • 気管支炎・肺炎 → 抗生剤・吸入治療
  • 心臓病 → 心臓薬・利尿剤
  • 猫喘息 → ステロイド・吸入療法
  • 感染症 → 抗生剤、対症療法
  • 食道炎 → 制酸薬・胃薬
  • 腫瘍 → 画像検査後に治療方針を決定

原因が幅広いため、
自己判断で市販薬を使うのは禁物です。


家で様子を見るのはどんな場合?

次の条件を満たすときのみ、短時間の経過観察が可能です。

  • 食欲がある
  • 元気がある
  • 軽い咳がたまに出る程度
  • 吐いても1回のみ
  • 呼吸が苦しくない
  • 異物誤飲の心配がない

ただし、症状が続く・悪化する場合はすぐに受診を。


よくある質問(FAQ)

Q. 咳が続くと必ず病気ですか?

A. ほこり・寒暖差でも咳は出ますが、数日以上続く場合は受診を推奨します。

Q. 吐いた後に咳が出るのはなぜ?

A. 胃酸や嘔吐物が喉を刺激し、反射的に咳が出ることがあります。

Q. 咳とえずきの違いがわかりません

A. えずき(カーッ)は食道や喉の刺激、咳は気道の刺激です。区別が難しい場合は動画を撮ると診断に役立ちます。

Q. 朝だけ咳をして吐くことがあります

A. 気管虚脱・慢性気管支炎・心臓病などでよく見られるパターンです。


まとめ

  • 「吐く+咳」は呼吸器・食道・胃腸・心臓など複数の異常で起こる
  • 異物誤飲、気管虚脱、肺炎、喘息、心臓病などが代表的
  • 苦しそうな呼吸、頻回の嘔吐、ぐったりは危険サイン
  • 症状が続く場合は早めの受診が大切
  • 原因により治療方法が大きく異なる

特に呼吸が速い・苦しそう・吐き続ける などの症状がある場合は、
緊急で受診してください。

今回はよく遭遇する3症状に絞ってお話ししましたが、犬猫は言葉が話せない上に、さまざまな症状を出します。

多くの不安や疑問が頭をよぎると思います。

しっかり犬猫の健康が守られ、ヒトと動物双方が健康でいられることを願っています。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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