肺水腫は犬猫が急に呼吸困難になり、緊急を要するとても発生率が高い病態です。
高齢犬や心筋症の猫ちゃんは肺水腫になることが少なくありません。
また、肺水腫は心臓病以外の原因においても発生することがあるので注意が必要です。
今回は
・肺水腫にならないために、早期発見として気をつけること
・肺水腫の原因と診断から正しい治療方法
・肺水腫がどういう経過をたどるのか
についてお話しします。
愛犬の心臓は大丈夫??【犬用サプリ・毎日健心】肺水腫とは
肺水腫は心臓含め様々な原因で肺に水が溜まり換気ができなくなり呼吸困難になる病気です。
胸水との違いは、
胸水は肺の周りの胸腔内に水が溜まるのに対し、
肺水腫は肺自体のなかの肺胞と呼ばれる酸素交換を行うところに水が溜まることを指します。
つまり、溺れているような状態で極めて苦しく、命に関わります。
犬猫ともに多くの原因は心臓病であり、
心臓の拍出が不十分のために、肺に負荷がかかり水が滲みだしてしまいます。
また、心臓以外にも肺水腫を起こす原因は複数あるのはご存じでしょうか❔
肺水腫の原因
急に肺水腫を引き起こす原因として下記のものがあります。
・心臓病ー犬で慢性弁膜症、猫で心筋症が最多
・肺炎
・全身性の炎症反応(SIRS)
・輸液過剰、過水和(人為的)
・発作や熱中症後
・上部気道閉塞 など
臨床上多く遭遇するのはほとんど心臓に起因しますが、他にも原因はありますし、肺炎などと混在していることも多いです。
また、腎不全など何らかの理由で点滴を行っている子は輸液過剰に伴う過水和にも注意が必要となります。
肺水腫の症状と診断
肺水腫は急に発症します。
裏返すと、
心臓病は進行していても症状を出さず、限界になって突然症状を呈します。
なので、無症状のうちにいかに心臓病を見つけ、進行段階を評価しメンテナンスしてあげることが重要なのです。
話を戻して、
症状は
継続的な呼吸促拍 ー 安静にしている時に1分間に40回以上
です。
犬の場合は伏せや犬座姿勢で斜め上を向いて苦しそうにしたり、
猫は口を開けて呼吸したりします。
上記のような症状の場合は様子を見ず近くの動物病院に駆け込んでください。
診断は胸のレントゲン検査と心臓のエコー検査ですぐに診断されます。
愛猫の心臓は大丈夫??【猫用サプリ・毎日健心】肺水腫になると最終的にどうなる?
肺水腫は一度治療してよくなっても、心臓が原因の場合はその後も継続的な治療を必要とします。
そして、また再発する可能性があり、定期検診により再発しないようにコントロールを試みます。
また、利尿剤を使い体の水分を絞るので、その代償として腎不全が引き起こされます。
肺水腫と腎不全は対極に存在する病気なので、両方をしっかり管理する必要があり、最終的に腎不全で命を落とすことも少なくありません。
また、肺水腫を繰り返し難治性になると、利尿薬などの効果が乏しくなり、肺水腫をコントロールできなくなります。
そのため、心臓病の犬猫は最終的に肺水腫に伴う呼吸困難または、その治療に伴う腎不全により命に関わることが多いです。
では、どのような治療を行うべきでしょうか。
肺水腫の治療
肺水腫の治療は
薬を使って肺の水を抜くこと
です。
一般的に行う治療は、
・酸素室(重度では気管挿管)にて酸素吸入
・利尿剤(フロセミドなど)の投与
・強心薬(ピモベンダンなど)の投与
・排尿モニター
です。
まずは、心臓および肺の過剰な水分を尿として外に排泄できるかがポイントになります。
その治療反応や心臓の状態を見て利尿薬や強心薬を調整しまずは呼吸困難を乗り越えます。
呼吸が落ち着いた後は、上記の薬の内服薬を継続し、呼吸数と腎不全に注意をして治療を継続します。
呼吸数は安静にしている時に 1分間に40回以下 と覚えていてください。
まとめ
肺水腫は本当に苦しく、溺れたようになるので、犬猫にとっても、それを見ている飼い主様にとっても、
とても悩ましい病気のひとつです。
ただし、よく観察し、適切に診断治療を行うことで多くの場合(末期でなければ)は改善を見込むことができます。
また、お家での投薬と管理がとても重要になる病気でもありますので、少しでも参考になればと思います。
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