腫瘍 おすすめのごはん 投薬
  1. 食事
  2. 腫瘍
  3. フード
  4. 分離不安
  5. デンタルケア
現役獣医師が伝える犬猫の病気や治療のすべて ~犬猫の悩みやセカンドオピニオンは本サイトで全て完結~

どうなる?犬の肝臓腫瘍~末期の症状と余命~

Pocket

お腹のなかで最も大きい臓器は肝臓です。

そして最も多くの仕事をしているのも肝臓です。

そんな肝臓には、年を重ね高齢犬になると様々な

できものができます。

お腹のエコー検査をしてもらい、肝臓に影がある、

できものがある、肝臓の数値が高い、

と言われたことはありませんか?

では、犬の肝臓にできるできものについてまとめていきます。

良性?悪性?

肝臓に影があると言われた場合すべて癌なのでしょうか?

 
ごんた先生
肝臓の腫瘍には       良性と悪性がある
まず、大きなしこりかどうか。
肝臓に大きなしこりができている場合は、
8割近くが肝細胞癌/腺腫、結節性過形成とよばれる腫瘍です。
このうちの、肝細胞癌は悪性であり、ほかは良性です。
これらをどうやって診断して治療するかは後で述べます。
 
みんな
良性はどんな形?
肝臓の影といっても、多くの場合はしこりを作ってる訳ではなく、
色調の変化であることがほとんどです。
この場合は、加齢性変化など非腫瘍性の変化であることが多く、良性の可能性が高くなります。

 

 

症状と診断

多くの場合は無症状でたまたま検査にて見つかります。

肝臓のしこりが大きくなった場合はお腹が張ったように見えることもあります。

 
みんな
どうやって診断される?
 
ごんた先生
診断は基本的にエコー検査です
エコー検査において肝臓のしこりは
・塊状 5~60%
・結節性 20%
・びまん性 20%
の3つにわかれます。
 
ごんた先生
この見え方はのちの治療に関わる大切な所見です
ただし、このエコー検査での見え方だけで良性か悪性を判断することはできません。
 
みんな
では、肝臓にしこりが見つかったら  どうすればいい?
 
エコー検査でしこりが見つかったら、
次はそのしこりが、悪性かどうか、手術が可能かどうかを判断するために、
・CT検査
・生検(細胞診)検査 ー 行わず手術する場合も多い
を行います。
CT検査においてしこりがひとつである場合、大きな血管を巻き込んでいない場合は手術を行います。

治療と余命

 
みんな
手術をすれば治る?どのくらい生きれるの?

検査においてしこりが切除可能であった場合は、

完治する可能性も高く、長生きすることが可能です。

塊状のしこりを完全に取りきることができた場合は、

生存期間は平均1460~1836日と言われています。

また、再発率は0~10%程度と極めて低いです。

ただし、手術は簡単ではなく、手術中に大出血を引き起こし術中に死に至る可能性も少なからず存在している手術です。その確率は5%といわれています。

 
みんな
ほかの治療法は?

基本的に根治を目指せる治療は外科治療しかありません。放射線な抗がん剤はあまり効かないでしょう。

まとめ

歳を重ね急に腫瘍を宣告され、絶望的な気持ちになることがあると思います。

しかし、腫瘍の種類によっては治療によって長生きすることができます。

この肝臓の腫瘍もそのひとつです。

 
ごんた先生
肝臓に影が、、

そう言われても、ほとんどの場合は加齢性の良性変化であり、一部の悪性腫瘍も治療することが可能です。

ただし、血管肉腫やリンパ腫など一部の極めて悪性腫瘍が肝臓にできる場合もありますので、

正しい診断と治療をすることが望まれます。

併せて読みたい関連記事

最近は大切に丁寧に飼われているワンちゃんネコちゃんが増え、とっても長寿な子が増えてきました。獣医療もすすみ様々な病気が早期に診断され、治療選択肢も広がっています。動物は言葉が話せないので早期発見早期治療には飼い主様の細かな[…]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Pocket

最新情報をチェックしよう!