肥満細胞腫とゆう皮膚の腫瘍は犬猫ともに発生率が極めて高い悪性腫瘍です。
しかし、早期に正しく治療を行うことで完治を目指すことができる腫瘍のひとつでもあります。
猫の肥満細胞腫について詳しくは⬇️のコラムをご覧ください。
猫の肥満細胞腫について
猫のできもの半分以上悪性?よく遭遇する肥満細胞腫について ~手術?ステロイド?無治療?~
では、実際に早期にどのような症状がでてきて、どのように治療をすることで完治するのでしょうか?
今回は実際に肥満細胞腫を完治した猫ちゃんのおはなしをします。
発見!どんな見た目?痒い?
猫の肥満細胞腫の見た目は、薄ピンクで表面に毛がなくやや柔らかいです。
ごん太先生のつぶやきの投稿内に写真があります。
この完治した猫ちゃんは、前の手の指先にピンク色のできものができ、
本人がペロペロ舐めて腫れてる
とのことで動物病院に来られました。
見た瞬間明らかに肥満細胞腫を疑いました。
それは、ピンク色の柔らかい毛の抜けたできものであり、
痒くて、舐めたことで腫れ上がってたためです。
これが特徴です。
診断は?
すぐに、細胞診の検査を行いました。
細胞診は、細い注射針をできものに刺し、スライドガラスに細胞を落とし顕微鏡で見る検査で約2000円ほどで済みます。
肥満細胞腫は、紫色の顆粒をもった特徴的な細胞がとれるのですぐに診断がつきます。
この猫ちゃんも予想通り肥満細胞腫と診断されました。
いざ治療
治療は外科的切除です。
根治するためにはこれしかありません。
しかし、この猫ちゃんは指にできものができていたため、根治するためには小指の1本を失うことになります。
飼い主さまと手術をしなかった場合のデメリットと根治する可能性が高い手術のメリットをお話しし手術を行いました。
手術は約1時間で終わり、日帰りで1週間後に抜糸をして終わりです。
摘出後の腫瘍を病理検査で、
・肥満細胞腫であること
・とりきれていること
を確認し治療終了です。
まとめ
猫の肥満細胞腫は根治を目指すことができる悪性腫瘍です。
また、その方法は外科治療です。
今回の猫ちゃんのように肥満細胞腫は、いやらしい部位に発生することが多く、
一部の一時的な外貌の変化を犠牲にすることもあります。
しかし、命には変えられません。
可愛い身体を傷つけるのが根治目的のメスなのか悪性腫瘍なのか、先を見据えて考えることが、
今回の猫ちゃんのような悪性腫瘍の根治につながるのです。
似たような場面はあると思いますので、
少しでもお悩みの猫ちゃんに参考になれば幸いです。
腫瘍の猫ちゃんの食事管理
【病気別】犬猫の栄養管理と食事選択 ~腫瘍にいいごはん?~