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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬と猫の治療費はどこまでかけるべき?|後悔しない医療の選び方と費用の考え方~必ず入るべきペット保険~

更新日:2025/12/9

近年、獣医療も発展し、さまざまな病気がわかるようになり、ヒトとほぼ同等の高度医療を受けることができるようになりました。

そのため、命を助ける治療を受けるために保険がなければとんでもない高額を請求されることがあります。

ヒトの病院に行った後に、動物病院に行くと、高い!!って思われたことはありませんか?

なぜ動物の治療はお金がかかるのでしょうか??

犬や猫の治療費は、病気や治療内容によって大きく変わります。
ときに手術・検査・入院が重なり、家庭にとって負担が大きくなることもあります。

「どこまで治療したらいいのか」
「本当にこの治療は必要なのか」
「お金をかけるのは正しい選択なのか」

これは多くの飼い主さんが抱える悩みであり、
正解は ご家庭・生活状況・動物の性格・病気の予後 によって異なります。

この記事では、
費用と治療のバランスをどう考えるか、後悔しない選択をするためのポイント を、獣医師の視点でわかりやすくまとめました。

動物医療が高い理由

おうちのわんちゃん猫ちゃんたちも自分たちと同じように様々な病気になります。

動物は人生の縮図です。

犬の5歳はヒトの約40歳前後、10歳は約70歳前後に相当します。

10年もあれば、ヒトの一生に近い時間を過ごす訳なので、目の前で様々な病気を患うことは何らおかしいことではありません。

つまり、ヒトが一生に患い、病院に行くのと同じだけ、その10年間に治療を必要とするのです。

また、動物は言葉を話せませんので、ヒトの医療よりも検査がより必要となります。

ヒトであれば、いつから、どこがどうで、どんな症状で~とわかりますが、動物は話せませんので、どこがどうなっているのかどうしても検査が多くなります。

また、飲み薬が飲めなかったり、自分から水分や栄養補給をしてくれませんので、注射や点滴が必要となり内服薬よりも高くなってしまうのです。

つまり、医療と比べ決して単価が高いわけではなく、

必要な検査の多さや治療方法の違いと保険の有無により高くなっているのです。

まとめると、

犬猫の医療は 自由診療 のため、
人医療のような保険制度がなく、
検査・手術・薬代がそのまま診療費になります。

高額に感じる背景:

  • 人医療のような保険がない
  • 診断のために高度な検査が必要
  • 小動物医療の専門設備(CT、超音波、内視鏡など)が高額
  • 24時間ケアが必要なことがある
  • 1対1の手厚い管理が必要

医療の質が上がるほど費用が高くなるのは避けられません。

高額になりやすい治療とは?

以下の治療は特に費用が上がりやすい傾向があります。

  • 緊急手術(腸閉塞、子宮蓄膿症、胃拡張など)
  • 腫瘍治療(外科・抗がん剤・放射線)
  • 整形外科手術(膝蓋骨、十字靱帯など)
  • 長期入院・集中治療(肺水腫、膵炎など)
  • 高度画像検査(CT・MRI)

数万円で済むこともあれば、
症例によっては数十~百万円以上かかるケースもあります。

治療費の“正解”は家庭ごとに異なる

同じ病気でも、治療の選択肢はさまざまです。

  • 「できるだけ長く生きてほしい」
  • 「苦痛を最小限にしたい」
  • 「高齢なので無理はさせたくない」
  • 「子育てや介護で費用に限りがある」

どの価値観も間違いではありません。

治療費を理由に治療方針を変えることは、恥ずかしいことではありません。
家庭の事情を考慮した医療が最も大切です。

後悔しない治療の選び方

後悔の少ない治療には共通点があります。

■ ① 今の状態と治療の目的を理解する

例:

  • 治る可能性がある治療なのか
  • 延命を目的とした治療なのか
  • 痛みを軽減することが主なのか

ここを理解することで選択が明確になります。


■ ② メリットとデメリットを同時に聞く

費用、成功率、副作用、再発の可能性を冷静に把握することが大切です。


■ ③ 動物の性格・年齢を考慮する

  • 入院が苦手
  • 車に乗るのが苦手
  • 通院がストレス

治療が生活の質(QOL)を下げてしまうなら再検討が必要です。


■ ④ 家庭の負担を正直に伝える

獣医師は家庭事情を聞いた上で治療の選択肢を調整できます。


■ ⑤「絶対にこうするべき」という治療は少ない

動物医療は 複数の正解がありえる 世界です。

治療前に確認しておくべきこと

獣医師に確認してほしいポイント:

  • この治療の目的は?
  • どのくらいの成功率?
  • 他の選択肢はある?
  • 費用はどの程度?
  • どのくらい通院が必要?
  • 家庭でのケアはどれくらい?
  • 治療しなかった場合はどうなる?

この7つを確認するだけで、後悔の少ない選択ができます。

セカンドオピニオンは積極的に利用すべき

別の獣医師の意見を聞くことで、

  • 治療方針が明確になる
  • 値段の相場がわかる
  • 手術や専門治療の選択肢が広がる

など多くのメリットがあります。

獣医師側も セカンドオピニオンは日常的なもの と考えているため、遠慮する必要はありません。

費用を抑えるためにできること

  • 早期受診で重症化を防ぐ
  • 継続治療が必要な病気ではプランを相談する
  • ペット保険を活用する
  • 通院間隔を調整する
  • 自宅ケアの方法を学ぶ

「費用がかかるから治療できない…」を防ぐためにも、
早めの相談が最も効果的です。

ペット保険の必要性

まず、自分と置き換えて考えましょう。

ヒトは当たり前のように生涯でいえば、大金を払い健康保険に入っています。

しかし、大きな病気にならないうちは、そんなに毎日毎週のように検査や治療を必要としません。

実際、自分は健康診断等以外ではこの10年病院に通っていません。

それでも、万が一何か病気になった場合は、保険によって動物と比べるととても安く感じるほどの費用で医療を受けることができます。

では、動物はどうでしょうか??

ヒトよりも検査(数)費用がかかり、ヒトよりも治療費用がかかり、ヒトの5倍近くのスピードで年を取り、濃縮した人生を生きています。

動物を飼うとは、自分自身の命の重みと何ひとつかわらない命の責任を負うことになります。

その命が脅かされたとき、しんどいとき、お金を理由に治療ができないほど、胸が痛い、やるせないことはありません。

命に関わる緊急を要する手術で、遭遇の多い急な出費の例を挙げると、

・急な貧血になり輸血をすると10万円以上かかります

・交通事故や外傷で骨折をすると30万円以上かかります

・避妊手術をしていない雌の犬猫が急な子宮蓄膿症になり緊急手術になると15万円以上かかります。

・おうちの子が異物を飲み込んでしまうと摘出手術に20万円以上かかります。

・お腹に腫瘍ができ、摘出手術すると20万円以上かかります。

・猫ちゃんがおしっこの病気になり、尿管に結石がつまると高度医療で50万円以上かかります。

・心臓の病気になり、心臓の外科手術になると100万円以上かかります。

ヒトの医療費とのちがいに驚きます。

都心に行くとさらに高額になります。

いずれもまったく珍しい病気ではなく、治療をするか見殺しにするかの二択を迫られてしまい、獣医師、飼い主、動物三者すべてが胸を痛めます。

こうならないように、我々ヒトはみんな保険に加入しているのです。

獣医療が進歩し、ヒトと同様な高度獣医療を受けれるようになってきたこの時代にペット保険に入っていないともったいないと考えられます。

どのペット保険がいい?

我々、獣医師は保険会社との繋がりはありませんので、この問いに対する正確な答えは持っていません。

正直、保険会社ごとの違いはあまり詳しくありません。

飼い主さまご自身で、保険請求手続き頂き、保険会社からの金額負担が発生するためです。

オススメは獣医師の観点でしいていえば、各保険会社を見比べて、

おうちの子の動物種(なりやすそうな病気)や今まで患った病気、避妊済みかどうか、掛け金額、どこまでの治療を望むか、請求の方法

を踏まえて最も自分と動物にメリットの多そうな会社のパックを選択するのがベストだと思います。

すでに患っていたりする場合は保険適用外であったり、すでに予防できてる病気や患う可能性が少ない病気は、保険を生かしきれない可能性があるからです。

よくある質問(FAQ)

Q. お金を理由に治療方針を変えるのは悪いことですか?
→ いいえ。家庭に合った治療を選ぶことが一番大切です。

Q. 高額治療を全て断ってもいいですか?
→ 動物のQOLを保ちつつ、できる範囲の治療を行えば問題ありません。

Q. 保険は必要?
→ 特に子犬・子猫、高額治療が予想される犬種は加入の価値が高いです。

Q. 治療費は病院ごとに違う?
→ 設備・専門性・地域によって変わります。

まとめ

  • 犬猫の医療は自由診療であり、費用は病気や治療内容で大きく変わる
  • 高額治療が正しいとも、費用を抑える治療が悪いとも言えない
  • 最優先すべきは 家庭に合った治療動物の生活の質(QOL)
  • 治療前に目的・成功率・費用を確認する
  • セカンドオピニオンを上手く活用する
  • 悩んだときは、獣医師と率直に相談しながら進めることが最も大切

いま現在、中齢(10歳以下)の犬猫を飼われている飼い主さまでまだ、保険に加入されていない場合は、正直保険加入を検討していただいた方がいいと思います。

タイミングを悩まれる方もおられますが、ひとつ病気になるとその病気はもう今後適応外になりますが、申請は早いにこしたことはありません。

ヒトもがん保険や生命保険を30歳くらいから考え始めるものです。

実際には途中から入られる方も多く、年齢を重ねるとこれから様々な病気が見つかりますので、

入る可能性があるなら病気になる前に今が保険の考え方かもしれません。

1日でヒトの1週間を過ごす犬猫はなおさら。

獣医師がすべきことできることは保険の有無で一切変わりませんが、飼い主さまができることと動物が受けられる治療が大幅に変わります。

ヒトと同じように保険を適用し、快適にわんにゃんライフを送っていただければと切に願います。

少しでも皆さまのご負担が少なく、かつ、おうちのわんちゃん猫ちゃんが快適に過ごしていただけるようにご参考頂ければ幸いです。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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