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【最新版】犬猫のアレルギー性皮膚炎の診断と新たな治療法

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犬猫の皮膚病の多くは何かしらのアレルギーが関与していることは多いです。

慢性的な痒みや皮膚病を繰り返している犬猫は、

アレルギーなのか適切に診断し、

適切に治療を行う必要があります。

では、どのような検査を行い、

どのような治療方法があるでしょうか❔

アレルギーの治療薬はここ1~2年でもさらに増えていますので、

ステロイドに勝る新薬についてもお話しします。

アレルギー性皮膚炎とは❔

アレルギー性皮膚炎は、外的アレルゲンへの免疫の反応により、皮膚に痒みが出てしまう病気です。

その外的アレルゲンとは、食物アレルゲンと環境アレルゲンの2種類があります。

食事にアレルギーがある場合は年中症状が認められ、

環境中の抗原(花粉など)にアレルギーがある場合は季節性に強く症状が認められることが多いです。

アレルギー性皮膚炎の症状と好発部位

アレルギー性皮膚炎はまず、

必ず痒い

です。

また、その痒い部位が特徴的です。

約50%が外耳炎を起こし、

66%が細菌感染症を併発し、

33%が酵母(マラセチア)感染症を併発しています。

つまり、皮膚病は1つの原因ではなく、アレルギーを背景に二次感染により複雑化していることが多いです。

痒い好発部位は、

耳60% 腋窩(脇)60% 腹部70% 前肢80%

後肢80% 口唇40% 会陰部40% と言われています。

では、この発生部位に痒みを生じた場合どのように診断すべきでしょうか❔

アレルギー性皮膚炎の診断

食物アレルギーは除去食試験というアレルゲンとならないであろうフードを8週間食べることにより、

症状の緩和や改善が見られるかどうかで判断します。

アトピー性皮膚炎の約半数は食物アレルギーを併発していると言われています。

アトピー性皮膚炎の診断はホルモンの病気を否定し血液検査やアレルギー検査ではなく、

以下の項目を埋めることによって行います。

以下の項目が5項目以上当てはまる場合は8割以上の確率でアレルギー性皮膚炎が疑われます。

◻︎発症年齢が3歳未満

◻︎主に室内飼育である

◻︎ステロイド反応性の掻痒

◻︎発症時に病変が伴わない掻痒

◻︎前肢に病変あり

◻︎耳介に病変あり

◻︎耳介辺縁に病変なし

◻︎背部〜腰部に病変なし

その他の補助的なアレルギー検査として、

・抗原特異的IgE検査 

・リンパ球活性化試験 

・アレルギー強度試験 

・ 皮内反応 

などがありますが実際には診断の精度は高くなく、費用がかかるのみであまりおすすめはしません。

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アレルギー性皮膚炎の治療薬

アレルギーの治療薬としてここ数年で様々な新薬が出現し、

アレルギー治療も変化しています。

最近よく用いられる治療薬としては、

・ステロイド(プレドニゾロン)

・アポキル

・サイトポイント

・シクロスポリン

などがあります。

それぞれの特徴と副作用をご説明します。

ステロイド(プレドニゾロン)

<特徴>

炎症を抑え、9割以上の治療反応率で、古くから使われる第一選択薬。

長期投与では副作用が問題となるため、週2回までの減薬が目標。

<副作用>

短期的なものとして多飲多尿、抑うつ、興奮、消化器症状

長期使用においては、糖尿病、肝障害、皮膚石灰化

命に関わる重大な副作用としては、血栓、心不全

などがあります。

アポキル

最近新しく開発された新薬であり、ステロイドと比較して副作用が少ないことがメリットとして最近よく用いられます。

1日2回2週間で内服を開始し、治療反応率は 70 %以上です。

<特徴>

炎症を抑える効果は低く、痒みを抑える。

<副作用>

重大な報告は現時点ではない。

サイトポイント

これも最近開発された新薬であり、

1ヶ月1回投与する注射薬です。治療反応率 は70%以上と言われています。

まだ取り扱っている動物病院は少ないかもしれません。

<特徴>

炎症を抑える効果は低く、痒みを抑えることが治療目的となる。

<副作用>

重大な副作用の報告は現時点ではない。

シクロスポリン

免疫抑制薬であり、1日1回の内服薬で反応率は約 70 %です。

<特徴>

炎症を抑えアレルギーを抑える。慢性期にはステロイドは長期投与では副作用の面から使用しづらいため免疫抑制剤が用いられる。長期内服での安全性が確立されている。

<副作用>

約半数の子でで何らかの消化器症状が出ることがある。

まとめ

犬猫においてアレルギー性皮膚炎は極めて発生が多い皮膚病です。

また、生涯付き合っていく病気でもありながら、その治療方法も複数存在していますので獣医師ごとの治療の手腕も問われます。

治りが悪い皮膚病を患っている犬猫ちゃんや、皮膚が痒い犬猫ちゃんは、今回説明した内容を踏まえ、

一度セカンドオピニオンされるのもいいと思います。

また、夏から秋にかけてのこの季節は、犬も猫もノミアレルギー性皮膚炎が極めて多いですので併せて下記のコラムもご覧いただければと思います。

【夏~晩秋】犬猫のノミアレルギーの症状・予防薬・駆除~ノラ猫から感染~
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