生後半年での避妊去勢手術や
高齢になってからの歯石除去など、
犬猫に麻酔の不安は避けて通れません。
ヒトの何倍も体の小さい犬猫に全身麻酔をかけても大丈夫でしょうか?
死んでしまったりしないか?
多くの不安があると思います。
その不安を少しでも解決していこうと思います。
全身麻酔の死亡率
全身麻酔や鎮静は決して安全な処置ではなく、
合併症や死亡事故を生じる可能性はあります。
では、そのリスクはどの程度でしょうか?
そのリスクは麻酔前の全身状態によって異なります。
そのため多くの動物病院では全身麻酔前には術前検査を行います。
術前検査(血液検査やレントゲン検査)を行わず全身麻酔を行う動物病院では麻酔は控えたほうが懸命です。
術前検査で健康な場合の麻酔関連死亡率は、
犬で0.17~0.9% 猫で0.24~0.43%
と報告されています。
全身状態が悪い場合での手術ではこのリスクは変わります。
避妊去勢手術や歯石除去手術では麻酔に関連して死亡する確率は極めて低いとわかります。
ドクターデンタルワン麻酔のリスク因子
術前検査や全身状態によっては、
麻酔をためらう場合があります。
それは、麻酔に強く関連する臓器に異常がある以下のような場合です。
・心臓が悪い(不整脈や弁膜症ステージB2以上)
・腎不全がある(麻酔中の血圧低下が悪化させる)
・肝機能不全がある(麻酔の覚めが悪い)
などです。
避妊去勢手術ではこのような異常を持っている場合は少ないと思いますが、
高齢になり歯石除去を行う場合は上記の点を注意し、
十分に術前検査を行います。
術前検査で大きな異常を認めない場合は、麻酔リスクは0.1%前後であり、
大きな心配はいりません。
ただし、その確率を大きいととらえるか小さいととらえるかはヒトそれぞれです。
その麻酔リスクと治療の必要性と照らし合わせてしっかり吟味して行うとよいでしょう。
麻酔かけてまでその治療はすべきか?など
様々な手術と麻酔リスクのてんびんのかけ方、考え方についてお話しします。
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