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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

猫の慢性腎臓病(CKD)とフード選び|最適な食事・栄養管理を獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/9

猫ちゃんの慢性腎不全は猫ちゃんを飼ったことがある方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

猫ちゃんはもともと乾燥地帯の生き物ですのであまり水を飲まず乾燥に耐える生き物です。

そのため生活の中でもわんちゃんみたいにゴクゴク水を飲まないので脱水しがちです。

この脱水こそが腎不全につながります

猫の慢性腎臓病(CKD)は、
猫が一生のうちに最もなりやすい病気のひとつ です。

特にシニア期(7歳以上)で増えはじめ、
進行性の病気であるため 早期発見と食事管理が寿命を大きく左右します。

中でも 腎臓病用フードは唯一、科学的に「病気の進行を遅らせる」と証明されている治療の柱 です。

この記事では、
腎臓病フードの選び方、切り替える時期、具体的に何が腎臓によいのか を獣医師がわかりやすく解説します。

猫の慢性腎臓病(CKD)とは?

腎臓がゆっくりと機能を失っていく病気で、
治療で元に戻すことはできませんが、進行を遅らせることはできます。

主な状態:

  • 尿を濃くできない
  • 老廃物(クレアチニン・BUN)が溜まる
  • 脱水しやすい
  • 食欲低下
  • 体重減少

猫の死亡原因でも上位にあり、長期管理が重要です。

腎不全の原因は?

まず猫ちゃんが慢性腎不全になる原因を理解しましょう。

腎臓はとっても大切な臓器なので、犬も猫もヒトも左右2つありますが、一度ダメージを受け機能が低下すると回復できない儚い臓器です。

そのダメージを与える原因として、猫ちゃんで一般的に多い2つの原因が加齢(脱水)と尿路結石です(その他、中毒や遺伝性、腫瘍性などさまざまです)。

高齢になるとこれらを原因として、ヒトや犬と比べ物にならないくらい多くの猫ちゃんが慢性腎不全になります。

しかし、この病気は飼い方の改善により大幅に発生を減らすこと、軽減することができます。

こんな飼い方は🆖

以下のような飼い方に該当する猫ちゃんは要注意です。

・トイレがひとつ

・ごはんが市販の安めのジャンキーなDry

・水をあまり飲まない、水も置きっぱなし

まず、猫ちゃんはトイレにとても厳しく神経質です。少し汚れていたりするとトイレを我慢したり、ストレスで血尿が出たりします。

同居の猫とひとつを共有なんて絶対だめです。

また、ジャンキーな安いドライフードは、肥満のヒトが毎日コンビニの冷凍食品を食べているのと同じです。ずっと続けていると、肥満になったり、尿路結石ができやすくなり、腎不全に直結します。

腎臓は左右にあるので、片方が結石で詰まったり、機能が低下しても見た目はとても元気で、血液検査でも異常がでず気づかないまま慢性腎不全になっていることがとても多いのです。

また、猫ちゃんは食事から水分を摂取する生き物なので、ジャンキーなドライフードを食べて、飲水が少なければ継続的な脱水があり、将来的に腎臓病になってしまいます。

では、どうすべきでしょうか?

猫の飼い方の鉄則

答えは

水をよく飲み、おしっこを快適にいっぱいして、ストレスなく過ごすこと

これが猫ちゃんを飼ううえでの鉄則です。

そのためにすべきことは

①快適なトイレを複数設置すること

②猫ちゃんがよく水を飲む組成のフード、結石に配慮したフードを食べること

③よく飲む水をよく飲む器で与えること

この3つです。

過去に尿路結石になったことがある猫ちゃんは尿路系のフードを生涯食べていていいと思います。

尿路系フード

ここまでお話しした方法で、尿路をケアするためのおすすめの商品を一部だけご紹介します。

まず、トイレは正直市販のトイレでいいです。こまめに替えて複数を綺麗に保ちます。

フードは缶詰めを食べてる猫ちゃんとドライフードだけの猫ちゃんでは生涯水分摂取量が大幅に違うと言われてますので、

缶詰めを食べる方が腎臓にはいいです(柔らかいものばかりでは歯がよごれやすいですが)。

色々売られてますが、ヒルズのc/dがコスパが高いです。大きなペットショップにはたいてい売ってます。

また、尿路に全く問題がなく、慢性腎臓病の猫ちゃんは、また別の腎系フードが適しています。

尿路系フードは、まずは500gサイズでお口に合うかのチェックからすべきです。

缶詰めはシチュー缶と粗挽き缶がありますが、入院の子の食い付きをみると圧倒的に粗挽き缶がいい印象です。

これは、粗挽きなのでペロペロと舐めながら食べる猫ちゃんが食べやすく、嗜好性もかなり高いです。

尿路を考慮した水素水

水に関して、水道水でもいいと思いますが、

動物用の水素水等を飲まされてる飼い主さんも最近は多いです。

結石の形成にはミネラルが関与してますので、その配慮はとても大切だと思います。

実は尿路結石は地域性もあり、それは地域ごとの水道水のミネラル成分の差であるとも言われています。

【ペットの贅沢水素水】

なぜ食事が重要なのか

腎臓病に対するフードは、
科学的エビデンスで寿命延長効果が示されている唯一の治療 です。

腎臓病フードは以下を調整しています:

  • たんぱく質の適正化
  • リンの制限(特に重要)
  • ナトリウム調整
  • 必須脂肪酸の強化
  • カロリー密度の調整
  • 血中老廃物を増やしにくい処方

その結果:

✓ 食欲が保ちやすい
✓ 体重維持を助ける
✓ 腎臓の負担を軽減
✓ 生存期間を延ばす

複数研究で、
腎臓病食を与えた猫は、通常食の猫と比べて生存期間が2〜3倍に延びた と報告されています。

腎臓病フードの特徴(どこが違う?)

腎臓病用フードは一般食とは明確に異なります。

■ 1. 適正なたんぱく質

過度な制限ではなく、
腎臓に負担をかけず筋肉量を維持できる量 に調整。

■ 2. リンの制限(最重要)

リンは腎臓病の進行速度に直結します。
腎臓病食は リンを大幅に抑えている のが最大のメリット。

■ 3. 高エネルギー

シニア猫でも体重が維持しやすいよう、
少量でしっかりカロリーが取れる設計。

■ 4. オメガ3脂肪酸の強化

炎症抑制・腎臓保護作用が期待されます。

■ 5. ナトリウム調整

血圧を安定させるため。

フード開始のタイミング(IRISステージ別)

■ IRISステージ1

  • 早期で症状なし
  • フード変更は“相談レベル”
  • リンが高めなら早めに開始もあり

■ IRISステージ2

  • 腎臓病食を強く推奨
  • この段階で始めると寿命延長効果が最も期待できる

■ IRISステージ3〜4

  • 食欲低下が多く、食べられるフードを最優先
  • ウェット中心・高カロリーに
  • 医療管理(輸液・吐き気止め)と併用が必要
  • フードが食べられない時の対策
  • 猫の腎臓病管理で最も難しいのは、
  • “腎臓病食を食べてくれない問題” です。
  • 対策:
  • ウェットフードへ切り替える
  • フレーバー(かつお・チキンなど)を変更
  • 少量ずつ混ぜてゆっくり移行
  • 温めて香りを出す
  • 食欲増進剤を併用(獣医師判断)
  • 脱水や吐き気がある場合は治療を先に行う
  • 「食べない=進行が速くなる」ため、
  • 原因(吐き気・貧血・脱水)の治療が優先 になることもあります。

併用すべきサプリ・医療管理

腎臓病はフード単独では不十分なことが多く、
以下のサポートが効果的です。

  • リン吸着剤
  • 皮下輸液
  • 吐き気止め(マロピタントなど)
  • 胃薬
  • 血圧の薬
  • 便秘対策(腎臓病猫に多い)
  • オメガ3脂肪酸

特に リン吸着剤はステージ2以降で重要 です。

自宅でできるケア

  • 毎日の食欲チェック
  • 体重測定(月2回以上)
  • 飲水量の確認
  • トイレの量
  • 嘔吐の頻度
  • ウェットを増やして水分摂取をサポート

小さな変化が症状悪化のサインになるため、
記録をつけると治療計画が立てやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 腎臓病用フードは一生続ける必要がありますか?
→ はい。進行性の病気なので基本的に継続します。

Q. たんぱく質は絶対に制限しないとダメ?
→ 過度な制限は筋肉減少につながるため、腎臓病用フードの“適正量”が重要です。

Q. ウェットとドライはどちらが良い?
→ 好みで大丈夫ですが、脱水予防の面ではウェットが有利です。

Q. 食べない時の強制給餌は必要?
→ 誤嚥の危険があるため基本的に推奨されません。まずは食欲低下の原因治療が優先です。

まとめ

・猫の慢性腎臓病は進行性で、早期ケアが寿命に直結

・腎臓病食は唯一“進行を遅らせることが証明された治療”

・リン制限・適正たんぱく質・高エネルギー設計が腎臓保護の要

・IRIS2での開始が最も効果的

・食べない場合はフード選びより“体調改善”が優先

・サプリや輸液と組み合わせることで生活の質が向上

・毎日の食事・体重チェックが非常に重要

猫ちゃんの泌尿器の病気についてまとめましたが、

犬猫はいかに飼い方、予防が大切かを病気になってから認識され、頭を抱えられることが多いと思います。少しでもためになれば。

以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ 猫に配慮したフードの考え方を見る

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