猫ちゃんはとても強い生き物ですが、年をとると様々な病気に罹患します。
しかし、ヒトや犬と違い猫特有になりやすい病気が存在しています。
よく飼い主様から
「この子は年をとったから痩せてきた」
とか
「この子ももう年だから…」
と言われますが、そのような症状には必ず何かそうなる背景があり、治せる病気も多いです。
子猫からお年寄りになるまでどのような症状や病気に気を付け、飼い方を工夫すべきかお話しします。
猫は何歳から高齢?
猫はヒトの1年で約5歳年を重ねると言われています。
ヒトでは20歳からを成人とし、約70歳前後からをご高齢と考えますが、猫ちゃんではどうでしょうか?
目安を下記に細かくまとめます。
6ヵ月齢以下:幼猫
7ヵ月~2歳:子猫
3~6歳:青春
7~10歳:成猫
11~14歳:シニア
15歳以上:高齢
と評価しますが、7歳以降を老齢に入る年頃として把握し、体調に注意をすべき年齢と考えます。
検診の必要性
この子は検診はいりますか?
ご自身と照らし合わせて考えてみてください。
検診の目的は早期発見であり、無症状です。
言葉を話せない動物にとって検診はヒト以上に重要だとわかります。
検診の頻度と内容
検診は重要であると言いましたが、
では、どのくらいの頻度でどのような内容を行うべきでしょうか?
猫ちゃんにとって病院はとてもストレスが多い場所なので、多ければいいというものではありません。
一般的な考え方のひとつの目安をまとめます。
7歳未満 :
1年に1回の問診と身体検査、気になる症状があれば血液検査等
7歳以上 :
1年に1回の問診と身体検査および血圧測定、尿検査、気になる症状や所見があれば血液検査
11歳以上 :
6ヵ月に1回の問診、身体検査、血圧測定
1年に1回の尿検査、血液検査
15歳以上 :
3~6ヵ月に1回の問診、身体検査
6ヵ月に1回の血圧測定、尿検査
1年に1回の血液検査
血液検査でなにか引っかかる場合は随時検査を追加します。
高齢猫のなりやすい病気
猫ちゃんは高齢になることで発症しやすい病気がいくつかあり、
早期発見、治療が望まれます。
高齢になることで発生しやすい病気と多い症状は、
・歯周病
口が痛く食べにくい
・腎臓病
食欲低下、嘔吐
・甲状腺機能亢進症
夜鳴き、削痩
・糖尿病
多飲多尿、肥満からの体重減少
・腫瘍
発生部位によりさまざま
・高血圧
瞳孔散大(網膜剥離)
・関節炎
運動量減少、歩様異常
などが挙げられます。
各々の詳細は別の記事にまとめます。
特に注意すべき、かつ頻度が多い腎臓病と甲状腺機能亢進症に関しては猫の飼い主であれば必ず知っておいてください。
下のの記事にまとめます。
腎臓病
毎日数多くの猫ちゃんを診察していますが、調子を崩す原因や、年齢を重ね命に関わるのは大半が尿路疾患です。腎臓と尿路を守ることが直接猫ちゃんの長寿につながるといっても過言ではありません。その理由は、・猫はもともと乾燥地[…]
甲状腺機能亢進症
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まとめ
猫はとても強く長生きな動物です。
多くの場合は『年のせい』ではありません。
なにか体に変化が出始めている場合は必ず何か原因があり、
早期に発見、ケアしてあげることでとても長生きすることができます。
腫瘍や腎臓病などの致命的な病気を乗り超えることができれば、猫ちゃんにとって20歳は珍しくありません。
1番のメッセージはなんでも『年のせい』にしないでほしい、ということです。
年をとり始めるからなりやすい病気があり、ケアを必要としているサインです。
小さなサインを見逃さず、20歳まで元気に過ごせるように頑張りましょう。
そのためには猫ちゃんは何より食事管理が大切です!
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