更新日:2025/12/9
猫ちゃんはとても強い生き物ですが、年をとると様々な病気に罹患します。
しかし、ヒトや犬と違い猫特有になりやすい病気が存在しています。
よく飼い主様から
「この子は年をとったから痩せてきた」
とか
「この子ももう年だから…」
と言われますが、そのような症状には必ず何かそうなる背景があり、治せる病気も多いです。
猫は体調が悪くても隠す習性があり、
「元気そうに見えて実は病気が進んでいた」というケースが少なくありません。
若い猫からシニア猫まで、
年齢によって起こりやすい病気は大きく変わります。
この記事では、
猫によく見られる病気を年齢別にまとめ、
症状・原因・受診の目安を獣医師がわかりやすく解説します。

猫は何歳から高齢?
猫はヒトの1年で約5歳年を重ねると言われています。
ヒトでは20歳からを成人とし、約70歳前後からをご高齢と考えますが、猫ちゃんではどうでしょうか?
目安を下記に細かくまとめます。
6ヵ月齢以下:幼猫
7ヵ月~2歳:子猫
3~6歳:青春
7~10歳:成猫
11~14歳:シニア
15歳以上:高齢
と評価しますが、7歳以降を老齢に入る年頃として把握し、体調に注意をすべき年齢と考えます。
検診の必要性
この子は検診はいりますか?
ご自身と照らし合わせて考えてみてください。
検診の目的は早期発見であり、無症状です。
言葉を話せない動物にとって検診はヒト以上に重要だとわかります。
検診の頻度と内容
検診は重要であると言いましたが、
では、どのくらいの頻度でどのような内容を行うべきでしょうか?
猫ちゃんにとって病院はとてもストレスが多い場所なので、多ければいいというものではありません。
一般的な考え方のひとつの目安をまとめます。
7歳未満 :
1年に1回の問診と身体検査、気になる症状があれば血液検査等
7歳以上 :
1年に1回の問診と身体検査および血圧測定、尿検査、気になる症状や所見があれば血液検査
11歳以上 :
6ヵ月に1回の問診、身体検査、血圧測定
1年に1回の尿検査、血液検査
15歳以上 :
3~6ヵ月に1回の問診、身体検査
6ヵ月に1回の血圧測定、尿検査
1年に1回の血液検査
血液検査でなにか引っかかる場合は随時検査を追加します。
子猫(0〜1歳)に多い病気・症状
子猫は免疫が未熟で、感染症や寄生虫のトラブルが非常に多く見られます。
■ 猫風邪(ヘルペス・カリシ)
・くしゃみ
・鼻水
・涙、目やに
・発熱
特に保護猫でよくみられます。
■ 下痢(寄生虫・ウイルス・食事の急変)
子猫の下痢は脱水に繋がりやすく、早めの治療が必要。
■ 寄生虫(回虫・コクシジウム・条虫など)
便に虫が見えることもあります。
■ 低血糖(小柄な子猫)
元気消失・ふらつき・けいれんを起こすことがあります。
■ 外傷・誤食
おもちゃや紐類の誤飲は常に注意が必要です。
成猫(1〜7歳)に多い病気・症状
この時期は健康に見えますが、生活環境の影響を受けやすい時期です。
■ 尿路疾患(膀胱炎・尿道閉塞)
・トイレに何度も行く
・尿が出にくい
・血尿
特に雄猫は尿道閉塞のリスクが高く、緊急疾患となります。
■ 胃腸トラブル(嘔吐・下痢)
毛玉、食事、ストレスなど原因は様々。
■ アレルギー性皮膚炎
・かゆみ
・脱毛
・湿疹
■ 歯周病
3歳以上の約8割が何らかの歯の問題を抱えると言われます。
■ ストレス関連症状
環境の変化に敏感で、嘔吐・下痢・膀胱炎を起こすことがあります。
シニア猫(7歳以上)に多い病気・症状
高齢になると、生活に支障が出る病気が増えてきます。
■ 慢性腎臓病(最も多い)
・多飲多尿
・体重減少
・嘔吐
・食欲不振
猫の代表的なシニア病で、早期発見が非常に重要です。
■ 甲状腺機能亢進症
・食欲はあるのに痩せる
・元気すぎる
・落ち着かない
・心拍数が高い
高齢猫で急に痩せたらまず疑う病気です。
■ 糖尿病
・多飲多尿
・体重減少
・ふらつき
高齢・肥満の猫で特に多いです。
■ 高血圧症
放置すると失明・脳障害を起こすことがあります。
■ 歯周病・口内炎
・よだれ
・口臭
・食べにくそう
口腔トラブルは痛みを伴うため、早期治療が大切です。
■ 悪性腫瘍(リンパ腫・乳腺腫瘍・消化器腫瘍など)
発見が遅れやすく、食欲低下や体重減少がサインになることがあります。
高齢猫のなりやすい病気
猫ちゃんは高齢になることで発症しやすい病気がいくつかあり、
早期発見、治療が望まれます。
高齢になることで発生しやすい病気と多い症状は、
・歯周病
口が痛く食べにくい
・腎臓病
食欲低下、嘔吐
・甲状腺機能亢進症
夜鳴き、削痩
・糖尿病
多飲多尿、肥満からの体重減少
・腫瘍
発生部位によりさまざま
・高血圧
瞳孔散大(網膜剥離)
・関節炎
運動量減少、歩様異常
などが挙げられます。
各々の詳細は別の記事にまとめます。
特に注意すべき、かつ頻度が多い腎臓病と甲状腺機能亢進症に関しては猫の飼い主であれば必ず知っておいてください。
下のの記事にまとめます。

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病院に行くべきサイン(年齢共通)
以下の症状は、年齢を問わず「受診推奨」です。
・1日のうち何度も嘔吐
・食欲が落ちる
・水をたくさん飲む
・トイレに何度も行く、または尿が出ない
・急に痩せてきた
・ぐったりして動かない
・呼吸が早い/苦しそう
・目が開かない/涙やにが多い
・歩き方がおかしい
“いつもと違う” は重要なサインです。
猫の健康を守るためにできること
・定期健診(年1〜2回、シニアは血液検査を推奨)
・ワクチン、ノミダニ・寄生虫予防
・清潔なトイレ環境
・ストレスの少ない環境づくり
・毎日の食欲・排泄・体重チェック
猫は変化を隠す動物ですが、
飼い主が気づく小さな違和感が早期発見につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 何歳からシニアとして扱えば良いですか?
→ 7歳以上が目安です。検査の頻度を増やすのがおすすめです。
Q. 健康に見える猫でも検査は必要ですか?
→ はい。腎臓病や甲状腺の病気は血液検査で早期発見できます。
Q. 下痢や嘔吐はよくあるので様子見で大丈夫?
→ 続く場合、または元気食欲が落ちた場合は受診が必要です。
Q. トイレ回数が増えたら何を疑えばいい?
→ 膀胱炎・尿道閉塞・腎臓病・糖尿病など複数の原因が考えられます。
まとめ
・猫の病気は年齢で傾向が大きく変わる
・子猫:感染症・下痢・寄生虫が多い
・成猫:尿路疾患・嘔吐下痢・皮膚病・歯周病が多い
・シニア猫:腎臓病・甲状腺・糖尿病・高血圧・腫瘍が増加
・“いつもと違う” 行動や症状は早期受診のサイン
・定期健診と生活管理で多くの病気を予防・早期発見できる
猫はとても強く長生きな動物です。
多くの場合は『年のせい』ではありません。
なにか体に変化が出始めている場合は必ず何か原因があり、
早期に発見、ケアしてあげることでとても長生きすることができます。
腫瘍や腎臓病などの致命的な病気を乗り超えることができれば、猫ちゃんにとって20歳は珍しくありません。
1番のメッセージはなんでも『年のせい』にしないでほしい、ということです。
年をとり始めるからなりやすい病気があり、ケアを必要としているサインです。
小さなサインを見逃さず、20歳まで元気に過ごせるように頑張りましょう。
そのためには猫ちゃんは何より食事管理が大切です!
以下に獣医師の視点から、
治療中の猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。
▶︎ 猫に配慮したフードの考え方を見る
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