夏も冬も水を飲む量が少ないと、ヒトも動物も脱水症状を起こすことが多くなります。
猫ちゃんはもともと乾燥地帯の生き物であり、水分調節がうまくありません。
そのため腎臓や尿路系の病気を引き起こすことがとても多いのです。
そのなかでも圧倒的に多い、尿路結石について、そのなかでも多い尿道結石についてお話しします。
猫の尿路結石(尿管結石と尿道結石)
ヒトやわんちゃんも同じですが、猫ちゃんは特に尿路結石に悩みやすく、その症状は突然起こるので最低限の知識と注意が必要です。
尿路結石には大きく分けると尿管結石と尿道結石が存在します。
尿管結石は、腎臓で作った尿を膀胱に送る管である尿管が結石などによって閉塞する病態であり、腎臓の尿が膀胱に送れなくなるため、尿が出なくなります。
この病態に関してはまた、別のコラムでまとめます。
一方、尿道閉塞とは、膀胱に溜まった尿を外へ排泄する通り道である尿道が石などによって閉塞する病態を指します。
この尿道閉塞はほとんどの場合は男の子で起こります。
猫ちゃんの男の子の尿道は陰茎の先でとても細くなっているため、小さな石などでも詰まって流れなくなってしまうのです。
そのほとんどの原因は結石(または尿道栓という尿中の汚れ)であり、食事や生活環境が原因となります。
それ以外の原因として、老齢になった場合は腫瘍などが尿道に発生し、尿が出なくなることがあり、これは女の子でも起こりえます。
いずれにしても、尿管は左右1つずつの計2本あるので1本が詰まっても急に尿が出なくはなりませんが、
尿道は詰まると1滴も尿が出なくなりますので命に関わります。
その注意すべき症状をお話しします。
緊急を要する症状
この尿路系の病気を患う猫ちゃんで緊急を要する症状は
”尿が1滴もでない”
です。
尿道の閉塞が起こっている場合は、トイレに行って排尿ポーズをとるのに、一滴も尿が出ません。
似た症状に、膀胱炎等による頻尿があります。
頻尿の場合は、尿の回数が非常に多くなるので、1回あたりの尿が極めて少なくなり、一見、トイレでずっといきんでいるのに尿がでないように見えます。
この場合も緊急性は少し落ちますが治療は必要になりますので来院は必要です。
一方で、尿道閉塞の場合は一分一秒の緊急性があります。
踏ん張って尿が出てない時点で膀胱はある程度ぱんぱんなので、
これが出せなくなると腎臓に負荷がかかり、急性腎不全を起こし、治療が遅れると急に心停止が起こり命に関わります。
予防するために何ができるのか、なってしまった際の初期対応をお話しします。
治療と生活環境
まず、排尿ポーズをとっているのに、一滴も尿が出ていない、男の子は、すぐに動物病院に連れてきてください。
本当に一滴も出ていない場合は、夜中であっても夜間救急に行くべきです。
食欲不振や吐き気等が出てからでは手遅れになりますので、尿に関してはシビアに見ていただきたいです。
治療としては、まずカテーテルによって尿路の解放と排尿を病院で行い、脱水や腎不全の程度を評価して点滴を行います。
また、尿検査や石の成分に合わせてフードや環境の改善を行います。ここが一番大切な治療となりますので、これに関して別のコラムでまとめています。
猫の慢性腎不全の予防と治療 ~初期から最期までにできること~
若くからあまりに尿道閉塞を繰り返す場合は、
会陰尿道瘻という、外陰部を女の子にするような手術が必要となります。
まとめ
猫ちゃんは何よりも泌尿器が大切です。
若くして命に関わるかつ生活環境で予防・改善が可能な病気ですので、ぜひ皆さん参考にして頂き、
大切な腎臓、いのちを守りずーと元気に長生きしていただければ幸せです。
知らないことが一番怖いことだと思いますので、
そのような内容をなるべくみなさんに知ってていただき、手遅れにならないようにこれからもお話ししていきたいと思います。
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