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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬がくしゃみ・鼻水を繰り返す原因は“歯周病”?|デンタルケアと治療法を獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/6

犬がくしゃみ・鼻水・逆くしゃみを繰り返すと、
多くの飼い主さんは「風邪かな?」と思いがちです。

しかし実は、
口の中のトラブル(歯周病)によって鼻の症状が出るケースが非常に多い
ことをご存じでしょうか。

特に小型犬では歯周病が進行すると、
鼻腔との境界が破れ、「口鼻瘻(こうびろう)」 という状態になり、
くしゃみ・鼻水・膿性鼻汁が慢性的に続くことがあります。

この記事では、

  • 歯周病が鼻水・くしゃみを引き起こす理由
  • 代表的な病気「口鼻瘻」
  • 動物病院での治療内容
  • 自宅でできるデンタルケア
  • アフィリエイトで紹介できる“本当に推奨できるケア用品”の導線

を獣医師の視点で整理しました。

くしゃみ鼻水の原因は歯?!

まず、なぜ歯周病でくしゃみ、鼻水につながるのでしょうか?

わんちゃんも人と同じで年を取ると歯周病になります。

歯周病が進行し重度になると、

歯根部分の感染によって顎の骨を溶かしていきます。

そうすると、上あごの歯周病は上あごの骨を溶かしていき、鼻と口がつながります。

これを口鼻瘻(こうびろう)といいます。

そのため歯で起こっていた感染が鼻の中にも波及し、

くしゃみや青っぱなが出始めるのです。

おうちのわんちゃんにくしゃみが続いている場合、一度口の中を覗いてみてください。

これは重度の歯周病を起こしたわんちゃんの歯です。

重度に歯石が付着し、歯肉が赤く腫れています。

この歯によって感染を引き起こし、くしゃみや鼻水、

また眼の下(眼窩)に膿が溜まっていました。

犬の上顎には、
歯の根っこと鼻腔がとても近い位置にあります。

そのため、

  1. 歯周病で歯槽骨が溶ける
  2. 歯根部の感染が鼻腔に抜ける
  3. 鼻に炎症が波及して鼻水・くしゃみ

という構造的な問題が生じます。

特に 上顎の第四前臼歯(肉を噛む大きな歯) は、
歯根が鼻に非常に近く、口鼻瘻の発生率が高い歯です。

あなたは毎日歯磨きしますか?歯医者に行ったことはありますか?

多くの方が両方とも「はい」ではないでしょうか。

では、おうちのわんちゃんはどうですか?

わんちゃんは唾液も多く、口の形態的に、

ヒトよりも歯周病になりやすいにもかかわらず、半分近くのかたは「いいえ」ではないでしょうか。

犬のくしゃみ・鼻水と歯周病の関係

犬は 歯周病になりやすい動物 です。
特にトイプードル・チワワ・ダックスなどの小型犬は、
歯石がつきやすく、進行も非常に速い傾向があります。

歯周病が進むと、

  • 顔の片側だけ鼻水が出る
  • 片側だけくしゃみを繰り返す
  • 黄色・緑色の膿が鼻から出る

といった、一見“鼻の病気”に見える症状 が起こることがあります。

最も代表的な病気が 口鼻瘻(こうびろう) です。

よくみられる関連疾患

■ ① 口鼻瘻(こうびろう)

歯根部から鼻に穴が空き、
口の細菌が鼻に直接入り込む状態。

症状

  • 片側性の鼻水
  • くしゃみ
  • 膿性鼻汁
  • 食べると鼻から液体が出ることがある

治療
→ 歯科処置(抜歯+瘻孔の閉鎖手術)が必要
抗生剤だけでは治らない


■ ② 歯根膿瘍

歯根の感染が大きく広がる状態。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 顔が腫れる

抗生剤だけでは再発を繰り返しやすく、
歯科処置が必要です。


■ ③ 鼻炎・副鼻腔炎

歯周病が原因で鼻粘膜が慢性的に炎症を起こすことがあります。

自宅で観察すべき症状

以下が見られる場合、歯周病関連の鼻症状が疑われます。

  • 片側だけ鼻水が続く
  • 鼻水が黄色・緑色
  • くしゃみの回数が増えた
  • 口が臭い
  • 食べにくそうにする
  • 口の中を触られるのを嫌がる

特に 片側性の症状 は口鼻瘻との関連が強いです。

動物病院で行う検査

  • 口腔内の視診
  • 歯周ポケットのチェック
  • 歯科レントゲン
  • CT(重症例や腫瘍の鑑別が必要な場合)
  • 鼻腔内の観察(内視鏡)

歯科疾患は レントゲンが非常に重要 で、
目に見えない歯根の病変を正確に評価できます。

治療と予防

では、本題ですが、その歯周病に対してどうすればいいのでしょうか?予防するにはどうすべきでしょうか?

まず、先ほどの写真で示すような重度の歯周病になり、症状が出ている場合は、

自宅でのデンタルケアでは絶対に治りません。

歯茎の骨を壊している歯は抜歯と抗生剤による感染の治療が必要となります。

放置すると、歯からの細菌感染により命に関わることもあります。

まず、症状が出ている場合、くしゃみ、鼻水(片側、青っぱなは要注意)

がひどい場合は様子を見ずに動物病院での治療が必要です。

まれに、無麻酔で歯石だけとる治療されていますが、

必ず麻酔下での治療が必要です。

無麻酔で歯石を割る処置は一見綺麗になったように見えますが、

表面の歯石を剥がし歯に傷をつけ余計に今後の歯周病を悪化させます。

無麻酔で可能なのは人だけです。

基本的には日帰りまたは1泊の入院で治療でき、

このように歯周病を起こすと、麻酔下での処置は避けられません。

では歯周病を起こさないようにするにはどうすればいいでしょうか?

ヒトと同じです。日々のデンタルケアの一択です。

治療方法まとめ

■ ① 軽度(歯肉炎)

  • スケーリング
  • ポリッシング
  • 自宅ケアの開始

■ ② 中等度(歯周病の進行)

  • 歯石除去
  • 歯周ポケット洗浄
  • 必要に応じて抜歯

■ ③ 重度(口鼻瘻・歯根膿瘍)

  • 問題の歯の抜歯
  • 瘻孔を閉じる外科手術
  • 抗生剤・鎮痛薬
    治療後はほとんどの子で症状が改善します。

自宅でできるデンタルケア(アフィリエイト導線に最適)

デンタルケアは 毎日の積み重ねが最重要 です。


■ ① 歯ブラシ

最も効果が高いケア方法です。

・小型犬向け歯ブラシ
・指サックタイプ
・超小型犬向け極細ヘッド歯ブラシ


■ ② デンタルジェル/歯磨きペースト

歯垢の蓄積を抑え、口臭改善にも効果があります。


■ ③ デンタルガム

噛むことで歯垢を落とす補助効果があります。


■ ④ 口腔ケアサプリメント

乳酸菌系や酵素系など。


■ ⑤ 飲むデンタルケア(液体タイプ)

歯磨きが苦手な子への補助として優秀。

お家でできるデンタルケア

そのデンタルケアのやり方、選択肢をお伝えします。

まず、一番のベストは歯ブラシです。

下のようなわんちゃん専用の360度式の歯ブラシが使いやすいです。

磨き方は人と同じです。歯よりも歯周ポケットを磨くイメージです。

ここで問題となるのが、

「先生、うちの子は歯ブラシ嫌がってさせてくれません」です。

デンタルケアの指導をすると10人に9人はこう答えます。(笑)

実は、デンタルケアもしつけと同じです。

いきなり口に棒を突っ込まれて嬉しいわんちゃんはいませんよね。

嫌がるわんちゃんやはじめて歯ブラシを始めるわんちゃんは、

まず、歯ブラシ=ご褒美で気長に訓練です。

数日から数カ月かけて地道に焦らずします。人生は長いです。

具体的には、はじめは指におやつをつけ、口の中に指を入れられることに慣らす(おやつと関連づける)。

許容してくれるようになれば、歯ブラシにおやつをつけて歯ブラシの抵抗をなくす。

最終的には歯ブラシに犬用の歯磨き粉をつけて磨くようになります。

最近は、わんちゃんが好むチキンフレーバーの歯磨き粉もあるので初期には特に使えます。

どう考えても、歯ブラシは不可能なわんちゃんには、

指サック型の歯ブラシを試します。

それも無理なら、デンタルガムなどを噛んでもらい、歯を物理的に研磨します。

やらないよりは十分に効果はあります。

歯周病予防フード

歯周病がひどいわんちゃんは、フードに問題があることが多いです。

柔らかいものや歯に付着し残りやすいフードは歯周病になりやすくなります。

逆に噛みごたえがあり、硬さや大きさが調整されたデンタルフードは歯周病の予防や進行を遅らせることができます。

歯周病予防として有名なフードとしては

『カナガンデンタルドッグフード』

などがあります。

先々のことを考えると嗜好性が合えば試してみてもいいかもしれません。

デンタルケアサプリ

歯周病は口腔環境が関与しています。

そのため口腔環境を整えるためのサプリメントも存在し、効果が期待できます。

しかし、まずは歯ブラシなどのデンタルケアを優先し、どうしてもできない場合や、

さらに口腔環境を整えたい際には検討します。

自分が知っているデンタルサプリメントとしては

【キュアペット】

があります。

ぜひご参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 歯周病で鼻水が出ることは本当にありますか?
→ はい。上顎の歯と鼻は非常に近く、口鼻瘻が代表例です。

Q. 抗生剤だけで治りますか?
→ ほぼ治りません。歯科処置が必要です。

Q. 小型犬ほど口鼻瘻が多いのはなぜ?
→ 顎が小さく歯根と鼻が近いこと、歯石がつきやすいことが理由です。

まとめ

犬のくしゃみ・鼻水の原因に 歯周病が強く関係 することがある

特に上顎の歯が悪化すると 口鼻瘻(こうびろう) になり、片側性鼻水が出る

抗生剤だけでは治らず、歯科処置(抜歯+瘻孔閉鎖)が根治治療

歯科レントゲン・CTは診断に欠かせない

自宅でのケア(歯ブラシ・デンタルジェル・ガム・サプリ)が再発予防に重要

デンタルケアは“毎日少しずつ” が最も効果的

小型犬は特にリスクが高い

症状が続く場合は早めの受診が大切

わんちゃんもヒトと同じように(ヒト以上に)デンタルケアを必要としており、歯周病はとても怖い病気です。

しかし、ここまで挙げてきた選択肢の中から日々デンタルケアができているわんちゃんは、

歯周病で全身麻酔をかける処置が避けれる可能性があります。

デンタルケアはヒトと違いとても難しいように思えますが、

報酬としつけの概念をうまく利用することで解決できることがほとんどです。

これはわんちゃんのしつけ全般に言えることです。

ご参考になれば幸いです。

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