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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬・猫のダイエットフードの選び方|脂肪・カロリー・給与量の正しい考え方を獣医師が解説~おうちの犬猫肥満度は?~

更新日:2025/12/9

肥満の犬猫は見た目はずんぐりと可愛らしいですが、

小さな体の犬猫にとって肥満は極めて病気や寿命の短縮に直結します。

おうちの犬猫ちゃんは太っていませんか?

この問いに対して正しく判断できていない方がほとんどです。

ヒトは身長をもとにして、体重からBMI等の体型評価を行えますが、

犬猫はその品種によって体型が大きく異なります。

また、同じ品種であっても骨格による個体差が大きいため、

Tプードルが3kgであっても5kgであっても健康体型でありうるので、体重で評価はできません。

では、犬猫ではどのように肥満度チェックを行い、

どのように解釈し、

どのような対策をするべきでしょうか?

愛犬・愛猫の健康寿命を伸ばすうえで、
「適切な体重管理」=最高の健康ケア と言っても過言ではありません。

ただし、

・ダイエットフードって何が違う?
・脂肪やカロリーのどこを見たらいいの?
・量はどうやって決める?
・どのくらいの期間で痩せる?

と迷う飼い主さんはとても多いです。

この記事では、ダイエットフードの選び方と、正しい体重管理の方法
獣医師がわかりやすく整理して解説します。

犬・猫における「太る理由」はシンプル

太る理由は基本的に 「摂取カロリー > 消費カロリー」 の状態が続いているためです。

・フードの量が適正より多い
・おやつが多い
・運動量が少ない
・去勢・避妊後で代謝が落ちている

中には、甲状腺機能低下症(犬)や、糖尿病(猫)などの病気で太りやすくなる場合もあります。

肥満の原因

肥満の犬猫の飼い主さんにその旨を告げるとみなさん必ず、

『そんなに食べさせてないのになあ』

とおっしゃります。

もちろん食べ過ぎや偏食が肥満の原因であることは多いですが、肥満になる原因があることも多いです。

肥満の原因として犬猫で考えられるものは、

・食べすぎや偏食

・運動不足

・遺伝因子

・甲状腺機能低下症(犬に多い)

・副腎皮質機能亢進症

などです。

基本的に肥満は

摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っていなければ起こりえません。

つまりは、摂取過剰なのかもしくは消費不足なのか、両方かになります。

犬猫に多い肥満に伴う病気

犬猫の肥満はヒト以上に多くの致死的な病気を引き起こす危険因子となります。

肥満によって引き起こされる病気として

・急性膵炎(犬に多い)

・脂肪肝/肝リピドーシス(猫に多い)

・2型糖尿病

・関節疾患

・呼吸器疾患

・熱中症

などがあり、肥満はこれらの病態を悪化させ寿命の短縮することが証明されています

特に熱中症糖尿病は発生が多く、命に関わります。詳しくは下記のコラムにまとめています。

命に関わる熱中症

犬猫の熱中症 ~症状・対策・なりやすい子~

肥満と糖尿病

猫の糖尿病(DM)|症状・診断・治療・食事療法・自宅ケアを獣医師が徹底解説

では、肥満かどうかはどのように評価するのでしょうか?

肥満度チェック

犬猫において肥満の評価法として,ボディコンディションスコア(body condition score : BCS)が主に用いられます。

この評価には5段階評価と9段階評価があり,いずれも数字が大きいほど肥満度が高いと評価します(多くは5段階評価を行います)。

5段階評価ではBCS=3を適正とし.4を過体重,5を肥満と評価します。評価の方法は,

触診による「肋骨の浮き具合」

視診による「腰部のくびれ」

の2カ所を主に評価します。

標準体型から肥満までの評価方法をまとめると、

 BCS3(標準)

体脂肪率15~25%、適度な脂肪に覆われていて肋骨に触れることができ、上から見るとゆるやかにくびれが見られます

 BCS4(やや肥満)

体脂肪率25~35%、厚い脂肪に覆われていて見た目では肋骨の確認ができず、触診でかろうじて肋骨が触知されます。上から見るくびれはほとんどありません

 BCS5(肥満)

体脂肪率35%以上、厚い脂肪に覆われているため、見た目だけではなく触っても肋骨が分かりませんくびれもなく、腹部も垂れ下がっていて、いわゆる寸胴体型です。

BCSが4を超える犬猫は治療が必要と考えられ、特にBCS5の犬猫は十分に注意し治療を開始すべきです。

対策/治療

病気が原因でない肥満の治療は

エネルギー摂取量の抑制

または

消費量の増加

が基本治療となります。

①エネルギー摂取量の抑制は食事療法

②消費量の増加は運動療法

および両方に関与する薬物療法があります。

食事療法

犬においても猫においてもこの食事療法が減量のための最も重要な手段となります。

犬猫が摂取するエネルギー量の制限を行いますが、通常食の給与
量を単に減らすのは好ましくありません

理由は摂取するフードの体積が減少するので,動物が空腹感を強く感じストレスの原因となるからです。

肥満の療法食として利用される高繊維食は,エネルギー密度を下げて満腹感を与え,動物の物乞い行動を抑制します。

肉食動物である猫ちゃんにおいては,高蛋白/低炭水化物食も効果的でありおすすめです。

食事量は肥満度チェックをもとに算出した理想体重を参考に決定します。

BCS4の場合は今の体重は理想体重の1.1~1.2倍、

BCS5である場合は今の体重が理想体重の1.2倍以上であることを示すので、まずおおまかに理想体重を計算しましょう。

例えば、体重10KGでBCS4のわんちゃんの理想体重は約8~9kg前後であると考えられます。

ただし、この計算の理想体重はあくまで目安であり、減量しながら随時肥満度チェックを行い微調整します。

食事量は、まずはその理想体重に必要な量で1日給餌量を設定しましょう(量gはフードによって異なります)。

2週間ごとに体重測定を行い、週に1%前後の減量を目標に数カ月かけて理想体重を目指しましょう。

ヒトと同じで急な減量はしてはいけません。

運動療法

運動療法はエネルギー消費を冗進させる上で最も生理的な方法ですが、動物の状態や品種によってはうまくできないかもしれません。

理想的には、15~30分の運動を週に5回以上行うことが推奨されます。

しかし、生活環境等を加味して普段の生活の中で可能な範囲で実施するのが現実かもしれません。

ダイエットフードとは?普通のフードと何が違うの?

ダイエットフードは、以下のような特徴を持つ「体重管理用フード」です。

  • 脂肪が低め
  • カロリーが少ない
  • 食物繊維が多めで満腹感が出やすい
  • タンパク質はしっかり確保(筋肉を落とさないため)

その結果、

「量はあまり減らさず、カロリーだけ下げる」
という理想的な食事管理ができます。

ダイエットフードを選ぶときに見るポイント

脂肪(Fat)

脂肪は最も高カロリーの栄養素です。

一般的に、
・普通の成犬用 12〜18%
・ダイエットフード 4〜10%
が目安になります。

脂肪を抑えることは減量に直結しやすいですが、
あまりに低すぎると食いつきに影響することもあります。

カロリー(kcal/100g)

フード選びで最重要なのがカロリーです。

ダイエットフードは
280〜330kcal/100g 程度が多く、通常食よりも低く設定されています。

食物繊維(Fiber)

食物繊維が多いと

・満腹感が得られる
・腸内の通過がゆっくりになる

ため、腹持ちがよくなります。

ただし、食物繊維が急に増えると下痢・便秘になる場合もあるため、徐々に切り替えましょう。

タンパク質(Protein)

ダイエット中に最も落としたくないのが「筋肉」です。
筋肉量が減ると基礎代謝も落ち、さらに太りやすくなってしまいます。

良いダイエットフードは
高タンパク・低脂肪 が基本です。


ダイエットフードに切り替えるタイミングは?

次のような場合は、フードの変更を検討します。

・BCS(ボディコンディションスコア)が4〜5で太り気味〜肥満
・体重が1年間で5〜10%以上増えた
・避妊・去勢後に体重増加が続いている
・関節が弱い、呼吸器病があり体重を落としたい
・獣医師から減量をすすめられた

BCSは動物病院で簡単に評価できるため、
まずは一度チェックしてもらうことをおすすめします。


ダイエットフードに変えたら、どのくらいで効果が出る?

一般的に、

1〜2ヶ月で体重の3〜5%減
3ヶ月〜半年で10%減

を目標にします。

急激に体重を落とすのは逆効果で、

・筋肉量が落ちる
・代謝が落ちる
・リバウンドしやすくなる

ため推奨されません。

特に猫は 急激な絶食 → 肝リピドーシス(脂肪肝) の危険があるため、
「体重を落としすぎない」ことがとても重要です。


ダイエット中のおやつはどうする?

おやつは太る原因の大きな割合を占めます。

減量中は以下のルールが理想です。

・1日の総カロリーに対しておやつは10%以内
・人の食べ物は与えない
・カロリー表示のあるおやつを選ぶ
・できればダイエット用のおやつに切り替える

どうしても欲しがる場合は、
フードを数粒おやつ代わりにする方法が最も安全です。


ダイエットがうまくいかないときに確認したいこと

・そもそも量が適正か
・計量スプーンではなく「計り」で量っているか
・家族でこっそりあげている人がいないか
・おやつのカロリーを把握しているか
・隠れて食べているものがないか(パン・落とした食べ物など)
・病気が隠れていないか
(甲状腺機能低下症、クッシング症候群、糖尿病など)

体重が全く落ちない場合、病気が原因になっていることもあります。


よくある質問(FAQ)

Q. ダイエットフードだけで本当に痩せますか?

A. 適正量を守れば効果は出ます。量が多すぎると痩せません。

Q. 去勢・避妊後は太りやすい?

A. はい。基礎代謝が10〜30%落ちるため、減量食への切り替えが効果的です。

Q. 猫は急に絶食すると危険と聞きました

A. その通りです。猫は急激に食べないと脂肪肝のリスクあり。必ずゆっくり減量します。

Q. どのくらいの期間で痩せるのが理想?

A. 1ヶ月で体重の1〜3%減が安全で確実です。


まとめ

・太る原因は「摂取カロリー>消費カロリー」
・ダイエットフードは低脂肪・低カロリー・高タンパク・高繊維
・痩せるにはフードの選び方だけでなく「量の管理」が最重要
・おやつは総カロリーの10%以内
・猫は急激な減量が危険(脂肪肝のリスク)
・1〜3ヶ月で少しずつ体重を落とすのが理想

適切な体重管理は、

・寿命が延びる
・関節や心臓の負担が減る
・病気のリスクが減る

という大きなメリットがあります。

無理のないペースで、長く続けられる体重管理を行いましょう。

肥満は犬猫ともにヒト以上に大きな問題を引き起こし、寿命の短縮につながることは実は多く、軽視すべきではありません。

やれることは決して複雑ではなく、

肥満度チェック

理想体重に合わせたフードの種類と量の変更

この2つです。

防げる病気は多数ありますので、この機会にぜひまずは肥満度チェックから行ってみてください。

『カナガンキャットフード』

ポイントは犬は低脂肪×低糖で、肉食動物である猫は良質な高タンパクです。

市販の安いフードは成分が理想の逆であり、太りやすいのです。

ヒトにおける炭水化物は安いしコスパはいいが太るし生活習慣病になりやすいのと同じです。

ただし、ずっと食べる食事なので、犬猫ちゃんへの許される食事代はご家庭によって異なることと思います。

少しでもご参考になりましたら幸いです。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

▶︎ 犬猫に配慮したフードの考え方を見る

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