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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬と猫の皮膚腫瘍|できものの見分け方・診断・治療・飼い主ができるケアを獣医師が詳しく解説

更新日:2025/12/5

おうちの身体を頭から尾までよく触れてみてください。

今まで気づかなかった身体の変化を気づくことがあるかもしれません。

そのなかで、身体にイボを見つけることは少なくありません。

そのイボを見てどう思いますか?

まだ小さいから悪くないだろう。

触って本人気にしないから大丈夫だろう。

悪性の腫瘍だったら困るから明日動物病院へ連れていこう。

様々な感情を抱かれると思います。

犬や猫の皮膚に“しこり”や“できもの”を見つけたとき、ただのイボや脂肪の塊と思って放っておくと、悪性腫瘍であった――ということがあります。
皮膚は外から見える臓器だからこそ、早めに気付きやすい反面、「良性か悪性か」は見た目だけでは判断できません。

この記事では、皮膚腫瘍を「良性/悪性」「犬/猫」「腫瘍の種類ごと」に整理し、
症状の見分け方、診断法、治療・ケア、飼い主さんができる観察ポイントをわかりやすくまとめます。

それって腫瘍?

まず、見つけたイボは本当に腫瘍でしょうか?

腫瘍のように見えて多いものに膿皮症とよばれる皮膚の細菌感染症があります。

膿皮症の場合は、腫瘍と比べて隆起が低く、

5ミリほどの赤い蕁麻疹のような見えかたをし、

多くの場合身体の様々な部位に複数見られます。

一方で、腫瘍の場合は色は様々ですが隆起しコリコリしています。

膚腫瘍とは何か?

皮膚腫瘍とは、皮膚・皮下組織・付属構造(毛包・腺など)から発生する「しこり・塊・できもの」の総称です。
腫瘍は大きく「良性」と「悪性」に分かれ、良性であればそのまま経過観察されることも多いですが、悪性腫瘍は転移・浸潤・再発の可能性があるため、早期診断と適切な対応が重要です。

また、皮膚は目に見える場所のため、異変に気づきやすい反面、安心しすぎて放置されるケースもあります。
だからこそ、「違和感 → 受診 → 検査」の流れが早めの対応につながります。

悪性?良性?

皮膚のできものが悪性か良性か、

見た目だけで判断することはできません。

しかし、それを推測することはできます。

悪性の腫瘍を疑うのは、

・1~2㎝以上の大きさである場合

・ここ数週~数ヵ月で大きさが増大した場合

・表面がジュクジュクと自壊している場合

・固く中身が充実しているできものの場合

などです。

発見したあと上記の点に注意して少し様子見て、

当てはまる場合は動物病院で針を用いた細胞診検査をしてもらいましょう。

病院によっては十分に実施してもらえない場合は下のコラムを参考に、

セカンドオピニオンの動物病院を探しましょう。

セカンドオピニオン動物病院の選び方

動物病院の適切な選び方~先生・設備・治療費~

犬・猫で多い皮膚腫瘍の種類

犬・猫で報告されている代表的な皮膚腫瘍は以下の通りです。

✅ 主な良性腫瘍

  • 脂肪腫 — 皮下にできる柔らかいしこり。基本的には無害だが、大きくなれば除去を検討。
  • 皮膚付属腺の良性腫瘍(例:脂腺腺腫など) — コブ状、イボ状のしこり。外見では判断できず、切除して検査されることが多い1
  • 犬の組織球腫 — 若齢の犬でよく見られ、自然に縮むこともある良性のしこり。

⚠️ 主な悪性腫瘍(または要注意の腫瘍)

  • 肥満細胞腫(Mast Cell Tumor; MCT) — 犬で最も頻度の高い悪性皮膚腫瘍。見た目では良性のしこりと区別が難しいため、検査が必須。
  • 扁平上皮癌(Squamous Cell Carcinoma; SCC) — 特に猫で多く報告されている皮膚(または被毛の薄い部位)や粘膜の腫瘍。紫外線の影響や加齢、皮膚の薄さなどがリスクとなる。
  • 軟部組織肉腫(線維肉腫、血管肉腫、脂肪肉腫など) — 皮下や筋肉・結合組織から発生する腫瘍で、再発や転移の可能性あり。
  • 皮膚付属腺の悪性腫瘍(例:脂腺癌、汗腺/アポクリン腺腫瘍など) — まれだが、早期に除去+病理検査が望ましい。
  • その他まれな腫瘍(メラノーマ、毛包由来腫瘍、リンパ腫など) — より専門的な診断と治療が必要となる。

研究では、「犬への腫瘍のうち約30〜40%が皮膚あるいは皮下に発生」「全腫瘍のうちかなり高頻度」 という報告もあります。

見つけたときのチェックポイント — 見た目・変化

皮膚腫瘍に気づいたら、次のような点をチェックしてみてください。これが “受診の目安” になります。

  • しこりの 大きさ(直径・厚み)
  • しこりの 増大スピード(数日〜数週間で大きくなったか)
  • 硬さ(やわらかい・弾力あり/硬い・固定されている)
  • 動きやすさ(皮下でゴロゴロ動く/皮膚や筋肉に張り付いている)
  • 表面の 色の変化(赤み・黒ずみ・潰瘍・出血など)
  • かゆみ/痛みの有無(触ると痛がる、舐める、かくなど)
  • 体のどの部位か(足、背中、腹、首、顔など)
  • その他の変化(食欲低下、元気消失、体重減少など)

これらの変化は、腫瘍が良性か悪性か、または何らかの問題が起きているかを判断する手がかりになります。

診断方法/検査の流れ

皮膚や皮下のできものを診断するには、以下のようなステップが一般的です。

  • 身体検査と問診
     経過、部位、変化のスピード、全身の状態を確認
  • 細胞診(針を刺して細胞を採取)
     簡単かつ侵襲少なく実施でき、多くの皮膚腫瘍で初期診断に有用
  • 組織生検(切除または部分摘出)
     確定診断には病理検査が必要。腫瘍の種類、悪性度、マージン(取りきれたか)などを判断
  • 画像診断(レントゲン、超音波、場合によりCT)
     深部への浸潤や転移の有無を調べる
  • 全身検査(血液検査、臓器チェックなど)
     悪性腫瘍の場合、転移や全身への影響を把握するため

皮膚は目に見える場所だからこそ、“しこりを見つけた → すぐ受診” が結果を左右します。

治療の選択肢とそれぞれの特徴

腫瘍の種類や進行具合によって、治療方法はさまざまです。

■ 外科的切除(手術)

最も基本かつ確実な方法。

  • 良性腫瘍や皮膚の浅い悪性腫瘍 → 適切なマージンを取って切除すれば治療できる可能性が高い。
  • 悪性腫瘍で切除が不十分な場合や、浸潤・転移の可能性が高い場合は追加治療や経過観察。

■ 補助療法(悪性腫瘍の場合)

  • 放射線療法
  • 抗癌剤(化学療法)
  • 免疫療法
    腫瘍の種類や進行度、全身状態に応じて選択されます。

■ 経過観察/緩和ケア

良性腫瘍で症状がなければ、無理に切除せず経過を見る選択肢もあります。
また、治療が難しい場合や高齢の場合は、痛み管理や皮膚ケアを中心としたケアが選ばれることもあります。

■ 再発・転移のチェックと継続的な管理

悪性腫瘍では、再発・転移の可能性があるため、定期的な検査や観察が重要です。

良性で手術するパターン

良性の腫瘍を疑う場合でも手術することがあります。

それは、

・そのできものが本人の生活の邪魔や痛みになっている場合

・細胞診断では診断があいまいで、確定診断をつける必要がある場合

などです。

良性の腫瘍でも、年単位では大きくなるのでできる場所によっては本人に煩わしいものになります。

しかし、良性の場合は転移や生命活動を脅かすことはありませんので、じっくり考える時間はあるでしょう。

飼い主ができる日常ケアと注意点

飼い主さん自身ができる “日常の見守り” はとても大切です。

  • 定期的に全身をなでて、「しこり」「腫れ」「硬さ」の変化をチェック
  • しこりの場所、直径、硬さ、変化の様子をメモする
  • 被毛や皮膚の手入れ(ブラッシング、皮膚の清潔保持)
  • 傷・潰瘍・赤み・出血があれば早めに受診
  • 高齢・持病のある子は特に注意深く観察

早期発見・早期対応が大きな違いを生むことが多いです。

よくある質問(FAQ)

Q. しこりを見つけたけど、すぐ手術する必要?
→ まずは病院で診てもらいましょう。細胞診や生検で良性か悪性かを判断。良性であれば経過観察で問題ない場合もあります。

Q. 見た目が良性っぽくても悪性かもしれない?
→ その可能性があります。特に悪性腫瘍(例:肥満細胞腫、肉腫など)は、ぱっと見ただけでは良性との区別が難しいことが多いため、検査が重要です。

Q. 手術は可哀そう…年齢が高いと無理?
→ 麻酔や手術のリスクはありますが、状態やしこりの状況次第では手術は選択肢になります。年齢だけで判断せず、獣医師と相談を。

Q. 手術以外でも安定できる?
→ 腫瘍の種類や進行度によります。切除が難しい場合や高齢の子では、緩和ケアや皮膚管理、定期チェックで状態を安定させることもあります。

まとめ

  • 犬と猫では皮膚が最も腫瘍の発生頻度が高い部位
  • 良性も多いが、見た目だけでは良悪の判断はできない
  • しこりやできものを見つけたら、まずは受診・検査を
  • 外科切除が基本だが、腫瘍の種類や状態に応じて補助療法やケアも検討
  • 飼い主さんの日々の観察と早期対応が、ペットの命と生活の質を守る

皮膚腫瘍は「目に見える病気」だからこそ、
“早く気づいて、すぐ行動” が大きな鍵になります。
いぼやしこりと思って放置せず、少しでも気になったら動物病院に相談を。

犬猫の皮膚のできものは良性~悪性まで様々あります。

特に犬では多くのイボは良性ですが、

猫の場合はその確率は逆転します。

犬も猫ももっとも多い皮膚の悪性腫瘍に肥満細胞種と呼ばれる腫瘍があります。

もし、怪しいできものがあった場合はご参考ください。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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