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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬・猫の皮膚病にシャンプーは本当に必要?効果・選び方・頻度・注意点を獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/9

じめじめとした夏が続くと、わんちゃんが皮膚病に悩む季節になります。

わんちゃんの皮膚病は普段のケアがとても大切になります。

お家の子はどんなシャンプーを使っていますか?

トリミングの月1回以外にもケアはできていますか?

被毛はツヤツヤしていますか?

人も夏は毛がバサつき、シャワーやボディシートなど体のケアが必要なように、わんちゃんも同じもしくは人以上に十分な被毛のケアが必要です。

犬や猫の皮膚病の治療には、
薬用シャンプーを使う“スキンケア治療”が非常に重要 です。

皮膚病は薬だけでは十分に改善しないことも多く、
シャンプーの使い方次第で 治療のスピードが大きく変わる ことがあります。

この記事では、
犬と猫の皮膚病におけるシャンプー治療の目的、効果、選び方、使う頻度、注意点を
獣医師がわかりやすくまとめています。

シャンプーの目的

皮膚病は、

・菌(細菌・マラセチア)
・汚れ
・炎症
・皮脂の増加
・アレルギー

などが複雑に絡み合って悪化します。

シャンプー治療の目的は次の3つです。

① 余分な皮脂・汚れ・アレルゲンを除去する

皮膚表面の汚れやアレルギー物質が炎症を悪化させるため、
洗浄だけでも症状が軽減 します。

② 菌をコントロールする(細菌・マラセチア)

薬用成分で皮膚トラブルの原因菌を減らし、薬の効果を高めます。

③ 皮膚バリアを整える

皮膚病ではバリア機能が低下しているため、
保湿成分を補い、再発を防ぎます。

つまり、シャンプー治療は “外から治す皮膚治療” と言えます。

犬のスキンケアは外からと内からの両方のケアが必要です。

外からのスキンケアのポイントはシャンプー×保湿

内からのケアは皮膚の栄養(食事)×ストレスが重要になります。

シャンプーの目的は、皮膚の角質、皮脂、汗、汚れを落とすためで、

皮膚病を持っている犬は皮膚の感染源となる細菌やカビを落とすことが目的です。

これらの汚れは皮膚への刺激となり、皮膚病を誘発しますのでシャンプーによるケアが必要となります。


皮膚病ごとのおすすめシャンプーの種類

皮膚の状態によって、必要なシャンプーが異なります。

脂漏症(ベタベタ・フケが多い)

→ 角質除去成分+抗菌成分のシャンプー
・サリチル酸
・硫黄
・クロルヘキシジン

余分な皮脂を落とすことでかゆみが改善します。

細菌性皮膚炎(膿皮症)

→ 抗菌作用の強いシャンプー
・クロルヘキシジン
・ベンジルペルオキシド

抗生剤との併用で治療が早く進みます。

マラセチア皮膚炎(しっとりベタつく・独特の臭い)

→ 抗真菌作用のあるシャンプー
・ケトコナゾール
・ミコナゾール

独特のにおいやベタつきが改善します。

アレルギー性皮膚炎

→ 保湿重視の低刺激シャンプー
・オートミール
・セラミド
・アロエ・ヒアルロン酸

刺激を与えず、皮膚バリアを整えることが大切です。

乾燥肌

→ 保湿メインのシャンプー+リンス
皮膚を乾燥させるシャンプーは逆効果です。

シャンプーのやり方

シャンプーには界面活性剤が含まれていますので、しっかり泡立ててもみ洗いをします。

シャンプーがうまく泡立たないことはありませんか?

シャンプーの泡立たすために、100均でボール(容器)とスポンジを買っておくといいです。

ボールに水とシャンプーを混ぜスポンジで泡立てると少ないシャンプーでよく泡立ち、界面活性作用もUPします。

シャンプーは健康な皮膚と皮膚病を起こしている皮膚で洗浄方法を調整します。

健康な皮膚の場合

洗浄用シャンプーにて皮膚の汚れや角質を洗い落とし、

次に保湿シャンプーかスキンケアスプレー等でケアを行います。

このケアを怠ると、シャンプーで皮脂が落ちすぎて皮膚のバリア機能を落としてしまいますので必ずセットで行うべきです。

皮膚病の場合

まずは正常な皮膚と同じく洗浄シャンプーで皮膚の汚れを洗い落とします。

その次に、皮膚の細菌やカビを消毒するための薬用シャンプーを用いて洗います。このとき、すぐに洗い落としてしまわずに、5分ほど泡立てたまま放置することでしっかり皮膚に殺菌成分が浸透します。

十分に洗い流した後、保湿ケアを行います。

よく飼い主さんに質問すると、市販のシャンプーだけで洗われている方が多く、シャンプーをしているのに皮膚がカサカサしていたり、うまく皮膚病が治りにくかったりしています。

ポイントはその子の皮膚に合わせて適切なシャンプーを組み合わせて、必ず保湿ケアをセットで、適切な頻度でシャンプーを行うことです。

皮膚病の場合は1~2週間に一度はこの薬用シャンプーを行います。

健康な皮膚の場合は洗いすぎは皮脂を落としすぎてバリア機能を余計に落としてしまうので洗いすぎはいけません。

皮膚の状態や汚れによって2~4週間に一度程度のシャンプーでケアをします。

それ以外では保湿スプレーなどでスキンケアをしてあげてください。

スキンケアの観点ではトリミングに出すより、適切にわが子にふさわしいシャンプーを考えて、自らしてあげる方が個人的にはいいと思います。

シャンプーの正しい使い方(獣医推奨)

正しい使い方をすると、効果が大きく変わります。

① しっかり泡立てる

泡が汚れを包んで落とすため、
直接原液を皮膚につけないほうが刺激が少なくなります。

② 10分前後の泡パック

薬用成分は “接触時間” が命

十分に置くことで、
抗菌・抗真菌・保湿効果が最大限に発揮されます。

③ しっかりすすぐ

すすぎ不足は皮膚トラブルの原因になります。
最低3〜5分は流しましょう。

④ 乾かし方がとても重要

湿った状態のままだと菌が増えます。

・ドライヤーは弱風
・熱を当てすぎない
・根元までしっかり乾かす

これを徹底するだけで再発率が下がります。

シャンプーの頻度はどのくらい?

皮膚病の種類や症状の強さによって異なります。

一般的な目安:

  • 炎症が強い:週2〜3回
  • 改善してきたら:週1回
  • 予防目的:月1〜2回

獣医師の指示に合わせて調整することが最適 です。

洗いすぎると逆に乾燥して悪化することがあります。


自宅シャンプーで悪化するケース

・乾燥肌なのに脱脂力の強いシャンプーを使う
・すすぎが足りない
・しっかり乾かせていない
・人間用シャンプーを使ってしまう
・強くこすりすぎて皮膚を傷める

これらは皮膚病悪化の大きな原因になります。

心配な場合は、
「その子の皮膚に合ったシャンプー処方」を動物病院で相談しましょう。


動物病院でのスキンケア治療

必要に応じて、以下の治療を併用します。

  • 内服薬(抗生剤・抗真菌薬・かゆみ止め)
  • 外用薬(クリーム・ローション)
  • 皮膚の検査(細菌・真菌・アレルギーの評価)
  • 定期的な皮膚状態チェック

シャンプーだけではカバーできない部分を補完します。


どんなときに受診すべき?

以下の症状がある場合はシャンプーだけでの改善は難しく、診察が必要です。

  • かゆみが強い
  • フケが大量
  • 赤み・脱毛が広がる
  • ベタつきや臭いが強い
  • 化膿している
  • 長期間治らない
  • 痛がる・元気がない
  • 同じ症状を繰り返す

皮膚病は放置すると慢性化しやすいため、早期治療が鍵になります。

おすすめのシャンプー

いろんなシャンプーが市販されていますが、どれがいいのか?何がちがうのか?

疑問に思い適当に広告に任せて購入されることはありませんか?

シャンプーは基本的に水と界面活性剤で構成され、その他にシャンプーによって保湿剤やコンディショニング剤、薬剤、香料がシャンプーごとに調整されています。

シャンプーは基本的に3つの目的で行います。

①洗浄用

②コンディショニング用

③薬用

これらの目的に沿ってシャンプーは作られており、目的に沿って使用するべきです。

洗浄用のシャンプーとしては市販のシャンプーで十分です。

市販のシャンプーで十分に汚れが落ちない子や、とてもフケが多いとか、脂っぽい子はケラトラックスと呼ばれるシャンプーを試されてもいいかもしれません。

ポイントは薬用シャンプーと保湿剤などのスキンケア用品です。

薬用シャンプーとしてはマラセブシャンプーのみで十分です。

夏の皮膚病のほとんどは皮膚の細菌繁殖による膿皮症か皮膚のマラセチアと呼ばれるカビの繁殖による皮膚炎です。

皮膚がジメジメして匂いのある黒いお腹の子はマラセチアが増えてることが多いです。

マラセブシャンプーはこの両方の殺菌が可能です。

保湿剤などのスキンケアとしては、シャンプーで保湿する場合はヒュミラックと呼ばれるシャンプーが保湿成分が多いです。

また、スキンケアとしては

【AVANCE(アヴァンス)】

というスプレー型の保湿剤が使い心地がよく、良好な経過が多いです。その他、保湿系スプレーは一部市販されています。

よくある質問(FAQ)

Q. 市販の薬用シャンプーでも大丈夫ですか?

A. 症状によっては可能ですが、皮膚病ごとに必要な成分が違うため、最適なシャンプーは診察で決めるのが安全です。

Q. シャンプーと保湿剤、どちらが必要?

A. 多くの皮膚病では 両方が必要 です。正しい順番は「洗浄 → 保湿」です。

Q. 猫でも薬用シャンプーは必要?

A. 皮膚病の種類によっては非常に効果があります。ただし猫はストレスを受けやすいため、回数を調整することが大切です。

Q. シャンプーすると悪化することはありますか?

A. あります。皮膚に合っていない成分や、洗い方の問題で悪化することがあります。

まとめ

・皮膚病にシャンプー治療は非常に重要
・皮脂・汚れ・菌・アレルゲンを取り除き、炎症を改善
・皮膚病ごとに適切なシャンプーを選ぶ必要がある
・使用方法(泡パック・すすぎ・乾燥)が治療効果を左右する
・シャンプーの頻度は症状により週1〜3回
・悪化する場合は病院で見直しが必要

皮膚病は「正しいスキンケア」ができると、
症状が驚くほど改善することがあります。

その子に合った最適なシャンプープランを見つけていくことが大切です。

わんちゃんは皮膚病で悩むことが多いですが、治療の基本はスキンケアになります。

一部の複雑な皮膚病を除いて、多くの皮膚病はスキンケアで治すことができます。

それは、わんちゃんの皮膚病の多くは皮膚の細菌・カビ感染とアレルギーであるからです。

アレルギーのケアとしてもシャンプーが治療として重要で、皮膚のアレルゲンを落とし、皮膚のバリア機能をあげることができるからです。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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