腫瘍 おすすめのごはん 投薬
  1. 食事
  2. 腫瘍
  3. フード
  4. 分離不安
  5. デンタルケア
現役獣医師が伝える犬猫の病気や治療のすべて ~犬猫の悩みやセカンドオピニオンは本サイトで全て完結~

【本当のところ】犬の避妊手術いつすべき?~麻酔怖い?費用は?病院は?~

Pocket

わんちゃんとの出会いはご家庭によって様々です。

ペットショップで3ヶ月齢の出会いもあれば、

3歳で保護されたり譲り受けたりされることもあるでしょう。

その際にいつも考えるのが避妊すべきか否かについてです。

した場合としなかった場合のメリットとデメリットはどんなものか?

費用はいくらなのか?

病院によってなにが違うのか?

今回は避妊手術の【本当のところ】をお話しします。

避妊手術のデメリット?

まず、避妊手術すべきですか??

この問いは極めてよく受けます。

答えは、子どもを作る予定がなければ&長生きしたければ、

必ずすべき!

です。

まず、避妊手術のデメリットと解釈です

・子どもができなくなる

唯一手術しない最もな理由です。

・麻酔リスク

正しい麻酔リスクは0.1%以下です。

正しく手術してもらえる施設の整った病院を選べば麻酔の恐怖は過剰な心配です。

・費用

病院にもよりますがすべてこみで4~5万円です。

安すぎても怪しいです。。高いには高い理由があります。

動物病院ごとの値段の違い

動物病院は自由診療(各院長が自由に値段設定する)かつ保険がないので病院ごとの費用の差はとても気になります。

基本的には、同じ感覚で価格設定されるので、大きく変わることはありません。

しかし、病院ごとに数万円の差がでることもあります。

その理由は、

一人のわんちゃんに対してかかるコストの差です。

例えば、

小さな病院で、血液検査など術前検査もなく一人の獣医が麻酔も手術もひとりでする場合と、

設備の整った病院で、万全に術前検査を行い、麻酔師と手術獣医師2人で手術を行う場合は、

要する費用が全く違います。

全く同じことをしてるわけではないのです。

なので、極論、

ワクチンや予防は小さな病院の方が優れていますが(費用や待ち時間等)、

手術になると少し話は変わります。

なので、命に関わる手術なので、手術費用に関しては安ければいい!とゆうものではありません。

適切に麻酔管理ができた場合は健常な子の麻酔リスクは0.1%以下です。

避妊手術のメリット

正直、子どもを考えている以外においてはメリットしかないと考えています。

大きなメリットは

子宮疾患の予防

最も大きなメリットです。

ヒトと比べ子宮疾患(子宮蓄膿症など)が圧倒的に多く、極めて命に関わる病気であり、避妊手術によって完全に予防できます。

若くても高齢でもいつでも発症します。

乳腺がんの予防

未避妊の中高齢になると乳ガンが多く発生します。

発生してから避妊手術とセットで行われる方が多いですが、後手になってしまいます。

乳腺がんに関しては別のコラムでまとめます。

生理がこなくなる

個体差がありますが、生理ごとの出血やホルモンバランスの乱れによる体調の変化をなくすことができます。

望まない交配を避ける

避妊の本当の意味ですね。実は望まない妊娠はわんちゃんでも多いのです。

そのリスクについては下記のコラムもご参考ください。

どうする?犬の妊娠と出産 ~緊急帝王切開をさけるためにすべきこと~

いつすべき?

まず避妊手術はいつすべきでしょうか?

生後数ヵ月の場合

約半年を目安に行います。

早くする理由は

・早い方が乳ガンの発生率を下げれる

急がない理由は

・身体や心の成長が整った段階で麻酔をかけたい

この2点がポイントです。

1度目の生理の前に手術になるか、1度目と2度目の生理の間に手術するかは個体差です。

その子の身体と心の成長に合わせてあげましょう。

心の成長の考え方は下記のコラムでまとめます。

【3~6カ月齢】子犬のしつけ~社会化・甘噛み・排泄~

1歳以上の場合

生理のタイミングをはずし、本人の体調と飼い主さまの都合がいいところで、可能な限り早めに行いましょう。

もう5歳だしな~っておっしゃる方もおられますが、

これからの健康を第一に考えるならばすべきです。

正しい避妊手術の流れ

麻酔前に必ず麻酔前の検査を行います。

麻酔をかけて問題ないか血液検査と胸のレントゲンで確認します。

手術当日は絶食です。

手術はおよそ1時間以内に終わり、数時間もあれば麻酔から覚めて歩いて帰れる状態になります。

日帰りもしくは1泊入院で退院します。

手術後は化膿止めの抗生剤や痛み止めなどの飲み薬を内服します。

1週間ほどエリザベスカラーをして普段通り過ごし、

1週間ほどで抜糸をしたらおわりです。

まとめ

避妊手術は寿命の長さに関わると言っても過言ではありません。

ときには1歳までにできてないという方もおられるかもしれませんが、

そこに影響あるのは乳ガンの発生率の確率論だけであって、

健康のことだけ考える場合は避妊手術はすべきです。

ただし、ポイントとして今回のお話ししたように、

・正しい知識(メリットデメリット)をもって

・正しいタイミングで

・適切な施設で

行って頂ければと思います。

少しでも予測できる苦しむリスクを減らし、

ずっと健康に20歳まで過ごしていただきたいと思います。

今後もあまり知られていない犬猫に必要な本当のところをお伝えできるようにしていきます。

乳腺腫瘍と避妊手術とのさらに詳しい関係に関して詳細は下記のコラムにまとめています。

【早期予防/治療】犬の乳がん~予防/根治手術・費用・転移のはなし~
Pocket

最新情報をチェックしよう!