ヒトと同じように犬や猫にも便秘は存在し、特に猫においては高齢になると便秘で悩む子は多くなります。
おうちの子は毎日快便ですか?
何日便がでなかったら動物病院に行くべき?
食事でなにかできることは?
便秘の考え方と対処法についてお話しします。
便秘とは?
まず何日便が出ないと便秘なのでしょうか?
これに関して、何日間排便がなければ便秘であるといった明確な規定はなく,個体差があります。
つまり、食事量や食事内容によっては3日に1回出れば十分な子もいれば、
毎日出るべき子もいます。
つまり、便秘とは,
何日も排便しないか、排便するが量が少なく,残便感があるといった状態のことで、
肛門へ向けて便を送る運動がうまく行われずに便が大腸にとどまってしまう病態です。
便秘が続くと気持ち悪くなり、食欲の低下や嘔吐が見られます。
これら何かしらの症状を伴う便秘は早めに動物病院で治療してあげる必要があります。
ただし、尿と違い便が数日出ないことで緊急事態にはなりませんので、
便が出ない原因と症状をよく考え観察する必要があります。
では、どのような原因があるでしょうか?
便秘の原因
便秘の原因はさまざま考えられますが、大きくしたの6つのどれかであることが多いです。
①閉塞や狭窄
直腸含めた消化管の便の通り道が何かしらの原因で狭くなっていることです。
異物や腫瘍、ヘルニアなどがその原因となります。詳細は別のコラムで。
②排便行為の困難
肛門周りの痛みや神経異常により排便姿勢をとれないことなどが考えられます。
③環境
特に猫において、トイレ環境が整っていない場合や生活環境の変化があった場合は排便回数の減少が認められます。
④食事
ドライフードの食事内容によっては便質が硬くなる場合があります。
経験上PHコントロールなどは便が硬くなることが多い印象です。
⑤全身性の病気
高カルシウム血症や、低カリウム血症、甲状腺機能低下症などの病気で便秘につながることがあります。
⑥猫の巨大結腸症
別のコラムでまとめます。
便秘の治療
治療のポイントは下記の3つになります。
①便秘の原因を除去すること
原因の項目で挙げた便秘を引き起こしている原因を除去します。
便の通過障害を起こしている場合は外科的介入も必要となります。
猫のように慢性的な便秘の場合はトイレなどの生活改善および食事変更を行います。
食事は有無を言わさず、
ロイヤルカナンの消化器サポート 可溶性繊維 です。
この食事の1強です。
ただ、本人が好んで食べてくれるかわからないので、まずは少なく安い500gで嗜好性を試してみるのが良いでしょう。
ほか足すのであれば消化に良さそうな缶詰が良いと思います。
②対症治療ー浣腸と下剤
原因に関わらず、便秘によってなにか症状がでている場合はまず溜まった便を排出させる必要があります。
浣腸は便を柔らかくする浣腸液をぬるま湯で溶かし、肛門から注入し、
便を柔らかく小さくしてかき出します。
浣腸の際は脱水症状にならないように、点滴をセットで行います。
下剤は浣腸とセットで行うことが多いですが、便を柔らかくして出やすくするものです。
ほとんどの場合は液体の飲み薬になり、1日1~2回内服します。
まとめ
犬猫の便秘は、原因によりかなり治療が異なります。
経験的に犬の場合で本当の便秘である場合、腸を便が通りにくくなっている狭窄や閉塞があることが多く、
逆に、
猫の場合、高齢になり、脱水症状と食事の影響で便が硬くなり通りが悪くなっていることがほとんどです。
その子の便秘の原因が何か、
どうしてあげるべきなのかをしっかり見極めて、
適切に管理、治療していただけたらと思います。
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