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獣医師が伝える犬猫の病気や治療の考え方

犬猫の避妊手術はするべき?時期・費用・メリット・デメリットを獣医師が徹底解説

更新日:2025/12/9

わん・猫ちゃんとの出会いはご家庭によって様々です。

ペットショップで3ヶ月齢の出会いもあれば、

3歳で保護されたり譲り受けたりされることもあるでしょう。

その際にいつも考えるのが避妊すべきか否かについてです。

した場合としなかった場合のメリットとデメリットはどんなものか?

費用はいくらなのか?

病院によってなにが違うのか?

避妊手術(卵巣子宮摘出術/卵巣摘出術)は、
病気の予防から生活の質向上まで多くのメリットがある大切な医療行為です。

一方で、

・手術はいつがいい?
・痛くないの?
・費用はいくら?
・太りやすくなるって本当?
・しない選択肢もある?

といった疑問も多く、飼い主さんによって悩み方はさまざまです。

この記事では、避妊手術のメリット・デメリット・適切な時期・費用・術後ケア
獣医師がわかりやすく解説します。

避妊手術とは?何を取り除く手術?

避妊手術は以下のどちらかを行います。

■ 卵巣子宮摘出術(OHE:Ovariohysterectomy)

・卵巣+子宮をすべて摘出
最も一般的で、最も再発リスクが低い方法。

■ 卵巣摘出術(OVE:Ovariectomy)

・卵巣のみ摘出
欧米で広い国際的根拠がある術式。
子宮疾患のリスクは非常に低いとされています。

どちらの術式も 発情(ヒート)を止める効果は同じ です。

避妊手術のメリット(医学的根拠が明確)

避妊手術には「病気の予防」としての大きな利点があります。

■ ① 乳腺腫瘍のリスクを大幅に下げる

初回発情前に手術を行うと、
乳腺腫瘍の発生率が 0.5%以下に低下 します。

発情を重ねるごとにリスクは上昇。
※特に悪性(がん)の割合は高齢で増加します。

■ ② 子宮蓄膿症の予防(命に関わる病気)

子宮に膿が溜まる病気で、
中高齢の未避妊犬の約20〜25%が発症 すると報告されています。

治療が遅れると命に関わる緊急疾患です。

■ ③ 卵巣腫瘍・子宮腫瘍の予防

■ ④ 望まない妊娠を防ぐ

妊娠・出産のリスクや、育児放棄の問題も防げます。

■ ⑤ 発情に伴うストレスの軽減

・出血
・オスの興奮
・脱走
などを避けられ、生活が安定します。

避妊手術のデメリット?

まず、避妊手術すべきですか??

この問いは極めてよく受けます。

答えは、子どもを作る予定がなければ&長生きしたければ、

必ずすべき!

です。

まず、避妊手術のデメリットと解釈です

・子どもができなくなる

唯一手術しない最もな理由です。

・麻酔リスク

正しい麻酔リスクは0.1%以下です。

正しく手術してもらえる施設の整った病院を選べば麻酔の恐怖は過剰な心配です。

・費用

病院にもよりますがすべてこみで4~5万円です。

安すぎても怪しいです。。高いには高い理由があります。

太りやすくなる

代謝が下がるため、手術後は
食事管理・運動量調整 が必要になります。

・尿失禁が起こる場合がある(まれ)

中〜大型犬、特に海外データで報告があります。

・ 手術部位の痛み

痛み止めを適切に使えばコントロールが可能です。

動物病院ごとの値段の違い

動物病院は自由診療(各院長が自由に値段設定する)かつ保険がないので病院ごとの費用の差はとても気になります。

基本的には、同じ感覚で価格設定されるので、大きく変わることはありません。

しかし、病院ごとに数万円の差がでることもあります。

その理由は、

一人に対してかかるコストの差です。

例えば、

小さな病院で、血液検査など術前検査もなく一人の獣医が麻酔も手術もひとりでする場合と、

設備の整った病院で、万全に術前検査を行い、麻酔師と手術獣医師2人で手術を行う場合は、

要する費用が全く違います。

全く同じことをしてるわけではないのです。

なので、極論、

ワクチンや予防は小さな病院の方が優れていますが(費用や待ち時間等)、

手術になると少し話は変わります。

なので、命に関わる手術なので、手術費用に関しては安ければいい!とゆうものではありません。

適切に麻酔管理ができた場合は健常な子の麻酔リスクは0.1%以下です。

避妊手術のメリット

正直、子どもを考えている以外においてはメリットしかないと考えています。

大きなメリットは

子宮疾患の予防

最も大きなメリットです。

ヒトと比べ子宮疾患(子宮蓄膿症など)が圧倒的に多く、極めて命に関わる病気であり、避妊手術によって完全に予防できます。

若くても高齢でもいつでも発症します。

乳腺がんの予防

未避妊の中高齢になると乳ガンが多く発生します。

発生してから避妊手術とセットで行われる方が多いですが、後手になってしまいます。

乳腺がんに関しては別のコラムでまとめます。

生理がこなくなる

個体差がありますが、生理ごとの出血やホルモンバランスの乱れによる体調の変化をなくすことができます。

望まない交配を避ける

避妊の本当の意味ですね。実は望まない妊娠はわんちゃんでも多いのです。

そのリスクについては下記のコラムもご参考ください。

犬の妊娠と出産 ~緊急帝王切開をさけるためにすべきこと~

いつすべき?

まず避妊手術はいつすべきでしょうか?

生後数ヵ月の場合

約半年を目安に行います。

早くする理由は

・早い方が乳ガンの発生率を下げれる

急がない理由は

・身体や心の成長が整った段階で麻酔をかけたい

この2点がポイントです。

1度目の生理の前に手術になるか、1度目と2度目の生理の間に手術するかは個体差です。

その子の身体と心の成長に合わせてあげましょう。

心の成長の考え方は下記のコラムでまとめます。

若い犬が噛む原因と正しいしつけ|甘噛みから本気噛みになる前にできる対策を獣医師が解説

一般的には以下が推奨されます。

■ 小型犬・猫

生後6〜10ヶ月頃

■ 中〜大型犬

生後6ヶ月〜12ヶ月
(大型犬は成長を見て調整することが多い)

■ 発情後すぐは避けることがある

発情期は子宮が敏感で出血が増えるため、
発情終了後1ヶ月ほど空ける のが一般的です。

1歳以上の場合

生理のタイミングをはずし、本人の体調と飼い主さまの都合がいいところで、可能な限り早めに行いましょう。

もう5歳だしな~っておっしゃる方もおられますが、

これからの健康を第一に考えるならばすべきです。

正しい避妊手術の流れ

麻酔前に必ず麻酔前の検査を行います。

麻酔をかけて問題ないか血液検査と胸のレントゲンで確認します。

手術当日は絶食です。

手術はおよそ1時間以内に終わり、数時間もあれば麻酔から覚めて歩いて帰れる状態になります。

日帰りもしくは1泊入院で退院します。

手術後は化膿止めの抗生剤や痛み止めなどの飲み薬を内服します。

1週間ほどエリザベスカラーをして普段通り過ごし、

1週間ほどで抜糸をしたらおわりです。

避妊手術の費用の目安

地域・病院・体重により変わりますが一般的な相場は以下です。

・小型犬・猫:45,000〜50,000円
・中型犬:50,000〜60,000円
・大型犬:50,000〜80,000円以上

麻酔時間・術式・入院日数・術後検査などによって異なります。

手術の流れ(当日のイメージ)

■ ① 術前検査

・血液検査
・レントゲン
・超音波(必要に応じて)
安全に麻酔をかけられるか確認します。

■ ② 麻酔・手術

卵巣や子宮を摘出。
通常30〜60分程度が目安です。

■ ③ 覚醒・帰宅

当日帰宅〜1泊入院など、病院によって異なります。


術後の過ごし方

・エリザベスカラーをつける(10〜14日ほど)
・激しい運動は控える
・傷口を舐めさせない
・食欲・元気が落ちていないか観察
・便や尿の状態を見る

糸は自然に溶けるタイプ(吸収糸)と抜糸が必要なタイプがあります。

避妊手術をしない場合に起こりうること

避妊を行わないと以下の病気のリスクが残ります。

・子宮蓄膿症(特に6歳以降で増加)
・卵巣腫瘍
・乳腺腫瘍(発情回数が増えるほど高リスク)
・望まれない出産
・発情によるストレス

「避妊しない」選択も尊重されますが、
正しい情報を知ったうえでの判断が重要です。


よくある質問(FAQ)

Q. 手術は痛くないですか?

→ 麻酔下で痛みはありません。術後は痛み止めでコントロールできます。

Q. 性格は変わりますか?

→ 性格そのものは変わりません。ただし発情ストレスがなくなり落ち着く犬もいます。

Q. 1歳を過ぎたが遅いですか?

→ 遅くありません。中高齢犬も安全に行えるケースが多いです。

Q. 太りやすいと聞いた

→ 食事量・運動量を調整すれば予防できます。

Q. 授乳後でも手術できますか?

→ はい。体が回復していれば手術できます。


まとめ

・避妊手術は病気の予防効果が大きく、寿命延長に寄与
・乳腺腫瘍・子宮蓄膿症など重篤な病気を予防できる
・適切な時期は生後6〜12ヶ月
・デメリットは「麻酔リスク・太りやすい・術後管理」
・生活の質が大きく向上するケースが多い
・手術を迷う場合は、犬の性格・年齢・体質を踏まえて相談を


避妊手術は寿命の長さに関わると言っても過言ではありません。

ときには1歳までにできてないという方もおられるかもしれませんが、

そこに影響あるのは乳ガンの発生率の確率論だけであって、

健康のことだけ考える場合は避妊手術はすべきです。

ただし、ポイントとして今回のお話ししたように、

・正しい知識(メリットデメリット)をもって

・正しいタイミングで

・適切な施設で

行って頂ければと思います。

少しでも予測できる苦しむリスクを減らし、

ずっと健康に20歳を目指せればと思います。

以下に獣医師の視点から、
治療中の犬猫に現実的に選ばれているフードをまとめまています。

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